幼馴染のお嬢様が俺に会うために留学から帰ってきた件。

ヒロトM

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妹、寝る

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_____ぃ___にい______おにい!!



「ぐはっ!?」



聞き慣れた声が聞こえた瞬間、腹部に強烈な痛みがはしった。

何もない空間に手を伸ばしながら、ゆっくりと瞼まぶたを開ける。



「るなぁ……っ。いつもやめろって言ってるだろ…。」



陣は痛みを堪こらえながら、寝起きの掠れ声で力なく注意する。



「でもね!こうしないとおにい、いっつも起きないんだもん。」



右目を擦こすりながら、だからってなあ、と苦笑いする。



「だめ…?」



潤んだ目で上目遣いに見上げる。



「だめじゃないけど……。」



まだ答えを渋っているのを見て、瑠奈は俺の胸にその小さな頭を置き、そのまま頬擦りを始めた。



「…っ……。」(ずるいだろそれは……。)



こうしたら何も言い返せないってことを分かっていてやっている俺の妹は一体どこの誰に似たのだろうか。今まで何度も何度も言いくるめられてきた母の姿を浮かべるが、一瞬睨まれたような気がしてすぐに妄想を振り払う。



さっきまでのお腹の痛みがなくなったように感じる。ゴロゴロと頭を転がす彼女を見て思わず頭をなでた。



「……ん……んんっ……」



途端に頬が緩み嬉しそうに喉を鳴らす。





何この可愛い生き物。





何度そう思わせられただろうか。

瑠奈の天使のような笑顔と反応が俺の心をどんどん甘くさせている気がする。

そのおかげで何をされても強く注意ができなくなってしまった。さながらダメな父親の様である。ダメだと分かっていても甘くなってしまうのが、彼女のいいところであり、俺の悪いところである。詰まるところ俺が悪いのだが、これは可愛すぎる瑠奈のせいにさせていただきたい。

当の本人は俺の悩みなど気にする素振りなく胸の上で寝てしまっているが。





上半身を起き上がらせ、瑠奈を抱っこする。

このほっそりした体のどこにあんな元気が詰まっているのだろう。

一瞬そう思ったが、朝7時に爆睡している時点で……。



瑠奈は一度寝たらなかなか起きないため、そのまま彼女の部屋に向かって寝かした。



「ふぅ……。……いっ…!?」



一呼吸置くと、腹が痛んだ。

さっきまで忘れていたが再燃したのだろう。



俺は、瑠奈には次からきつく言ってやろう、と揺らぐ気配しかない決意を固め、リビングへ向かった。


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