巨×巨LOVE STORY

狭山雪菜

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リクエスト 振られた男 その1 巨×巨

友達と遊びまくり、彼女なんか出来たら最高だと思って入った大学。
同じ講義を取る仲間とその仲間の知り合いの女の子達とのグループが出来て話していると、1人の女の子とグループトークじゃなくて、1対1の個別のトーク画面でたまーに他愛のないやり取りをするほど仲良くなった。
その子の名前は、白川しらかわ藍子あいこと言って、160センチの身長で俺より小さく、手足も細いのに胸だけは薄着でなくても分かるくらい大きく、胸が発達しすぎているのに童顔で同い年とは見えない、俺がいいな、と思っていた子だった…そう、だったのだ。

ある日突然、彼女の周りにどでかい男が現れ──のちにその男は、白川と一緒の講義を取る同級生と知り、同い年かとたまげたが──我が物顔で白川を守る番犬のように彼女に俺が見る限り張り付いていた。
この間見た時は、確か白川は大学の食堂でその男と並んで座ってご飯を食べていた。
男の前には2つのカレーとラーメンのお皿が載ったトレーがあり、白川の前には本日の日替わりランチのお皿が載った一つだけのトレーがあった。にこにこ楽しそうに笑い話す白川と、大きな口を開けて大して変わらない表情の男──これものちに、伊澤いざわと知る──が聞いていた。隣に座る距離が友達というには近くて、2人が特別な関係だとはわざわざ聞きにいかなくても分かる。
あまりにもじっと見過ぎていたのか、視線を感じたのか男が俺の方を向くと、鋭い眼差しは少し細くなり、顎髭が生えていた。
「…どうしたの?」
「いや、藍子、付いてる」
「嘘っ、どこ?」
「ほら、ここだって」
彼氏の視線が自分に向いてないと知った白川が、振り返ろうとしたら、さっきまで聞き役に徹していて口も開いていなかった伊澤が、白川の頬に右手を伸ばして、伊澤自分の方へと顔の向きを変えた。
そして、彼女の椅子の背もたれに腕を置いて、より近くなった2人に声を掛けるなんて、野暮な事は出来ない。
──すげー心狭ぇ
親指で彼女の口元についたのを拭い…本当についていたかは怪しいが、ペロリと伊澤が親指を舐めて、白川は俺に背を向けていて、彼女の顔まで見れていないのに、耳が真っ赤になっているのが分かった。髭面の大男が、大衆の目がある食堂でキザで寒い行動をしているのに、俺以外は誰も気が付いていない。
そのやり取りを見ていた俺は、猛烈に悲しくなった。
──はぁ、まだ好きなんだな
もう大丈夫だと思っていたのに、2人の姿が目に入ると、胸が苦しくなるから失恋を引き摺っていると実感する。

──なんでこうなった…
白川とはお互い好意を持ったいい感じだと思っていたけど、実はそうじゃなかったのか、と恋愛の難しさを20歳で知った。

「な、なっ!今度合コンしようぜっ」
失恋したとは知らない友達が、講義の後に話しかけてきた。
「今日か…?」
そんな気分じゃないと俺の声色を感じ取った友達に心配され、反論する気も失せていると、友達はますます訝しむ。
「何?どした、元気ねーな」
「別に」
「大丈夫だって!今度の合コンは、オメーの好きな貧乳控えめな子を集めてもらったからよ!」
友達は講義の後でまだ人が残っているから、大きな声では言わなかったが、胸の前に手を置いて上下に摩って胸がないジェスチャーをした。
──いや、俺が好きなのは巨乳デカパイだよ
といっても、今更あの時友達に合わせて話したなんて、口が裂けても言えなくなった俺は嘘つき呼ばわりされたくなくて口を閉ざした。
──そう、巨乳でも…違う
巨乳ならどんな子でもいいと思っていた俺は、もう白川の事が頭から離れなくなっていた。
──距離の詰め方間違えた…ガンガンいけばよかった
あんなに仲良くなったと思っていたのに、今更後悔しても後の祭りで、ズル賢いと思ったが、ダメ元で彼女に告白をすれば振られ、傷ついた心が更に深くなる始末だった。


「よし、決めた!俺ちゃんと白川に告白しよう!」
友達がセッティングしてくれた合コンは、俺のテンションも低く終始冷めた感じになってしまった。
可愛いと思う子がほとんどだったが、俺の心を占める白川彼女がいなくて面白くなかった。
家に着いて考えたのは、白川にちゃんと告白して、ちゃんと振られて諦めようって事だった。前回のは、逃げ腰で情けない告白の仕方だったから、今回はもっと白川がときめく女の子の好きそうなシチュエーションで、告白の文言も少女漫画のようにロマンチックにしようと決めた。
「…その前に、これだな…あの長さになるには、2ヶ月くらい見ればいいから…なら、10月…おっ、ハロウィンに合わせよう!ピッタリじゃないか!」
不本意だが白川の彼氏は今、髭を生やして肩につきそうなくらい髪も伸びている。もし、白川の好みが彼氏見たいなら、俺がその容姿に近づければきっと…

「よし、筋トレも始めよう」

こうして俺は白川に告白すべく、外見から変えていく事に決めたのであった。
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