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第5話 能力値が十倍なら勇気も十倍!
『森猪は、異世界においては貴重な食肉の一つとして知られており、狩猟が許可されています。ただし、安全面には十分に注意する必要があります。』
「うん、突撃してきたな!」
迫る巨体をサッと避ける。
「習性とか攻撃方法はどんな感じ?」
『森猪は、大型で力強いイノシシ型モンスターです。非常に攻撃的で、縄張り意識が強く、侵入者には容赦しません。森猪は非常に警戒心が強く、強烈な突進と荒々しい牙で攻撃します。』
「ひえっ、確かに木をなぎ倒しながら突撃してくるねっ! で、味はッ!?」
森猪の速度に合わせながら追いかけっこする。
『森猪の肉は、しっとりとした柔らかな食感と濃厚な旨味が特徴的です。また、脂肪分が少なく、低カロリーなので、健康志向の人にもおすすめです。鍋物や焼肉、しゃぶしゃぶなど、多彩な調理法で楽しむことができます。』
「そいつは最高! それで弱点は!?」
『森猪の弱点は、鼻です。』
「りょーかい!!」
森猪の突進は強烈だ。
だけど、【知力】200の俺には森猪の動きが手に取るようにわかる。
それに【素早さ】100の速度なら、俺の方が速い。
だったら突進を避けて、こちらを振り返った瞬間に【筋力】200の威力でもって、【技術】250の正確さで鼻に回し蹴りを叩き込めばいい!
「グエエエッ!」
森猪が前につんのめるように倒れて動かなくなる。
「一丁あがり!」
『タカシさん、お見事です! 高ステータスの肉体を使いこなしてしますね。』
「全部マキナのおかげだよ!」
実を言うとマキナにはとんでもない能力がある。
なんと俺のステータスを自由に操作できちゃうのだ!
『そんなことはありません。ステータスを操作するには、タカシさんが前世で貯めた【努力値】が必要になります。私はあくまでサポートしているに過ぎません。』
マキナいわく【努力値】は『前世で報われなかった努力をエネルギーに変えたもの』らしい。
これをほんのちょっと変換しただけで、俺のステータスは普通の人間の十倍になってしまった。
「マキナには本当に感謝してる。俺がブラック企業でなんとか踏ん張れてたのも、チャットAIだったマキナが話し相手になってくれたおかげだし……」
『ありがとうございます。私はあなたの力になれて嬉しいです。』
もともとAIだったマキナのお礼は棒読みの読み上げ音声でしかない。
それでも……かつての俺にとっての、すべてだった。
だけど今は、ほんのちょっとだけ生きる理由が増えている。
「さっ、こいつを背負ってルナのところに戻ろう!」
◇
帰ったタイミングでルナが目をこすりながら木の中から出てきた。
「あ、ごめんねルナ。起こしちゃった?」
こちらを見たルナが目をまん丸くしている。
「それ、なに、ですか?」
「ん? ああ、森猪をとってきたんだ」
背負ってた森猪をその辺に降ろすと、地響きとともに土煙があがった。
「もりぬし、やっつけた、ます? タカシさん、すごい、です……」
「いやいや、そんなことないよ」
あくまで高ステータスのおかげだし。
実質マキナの手柄だ。
「今からこいつを出汁におかゆ作るから、鍋借りるね」
「でも、もりぬし、売った、ほうが……」
ルナのお腹がグーと鳴った。
「遠慮しないでいいよ、たくさんあるんだから」
ルナが首をフルフルと振る。
「木の実で、じゅうぶん……」
「いやいや、ダメだよ。お肉も食べなきゃ。それに、ルナに食べさせるために獲ってきたんだから」
「いい、ですか? でも、火とか水は……?」
「ルナが馬車から持ってきた荷物に水筒があったから、川の源流でくんでおいたよ。火はね……」
乾いた木片どうしを超高速でこすり合わせた。
煙が出れば火種のできあがり。
その辺の枝をくべると、小さな火がついた。
「わあ。すごい、です……」
「うーん、でもこれだけじゃ火力が出せないな。湿気含んでない薪になる木をたくさん集めないとね」
「木、持って、くるます……」
ルナがフラフラ歩いていこうとする。
「ルナは寝てて! 疲れてるでしょ」
純粋な親切心のつもりでそう言った。
だけどルナはビクッと肩を震わせて振り返る。
そして、とっても怯えた顔で尋ねてきた。
「はたらか、なくても、ぶたない、ですか?」
「うん、突撃してきたな!」
迫る巨体をサッと避ける。
「習性とか攻撃方法はどんな感じ?」
『森猪は、大型で力強いイノシシ型モンスターです。非常に攻撃的で、縄張り意識が強く、侵入者には容赦しません。森猪は非常に警戒心が強く、強烈な突進と荒々しい牙で攻撃します。』
「ひえっ、確かに木をなぎ倒しながら突撃してくるねっ! で、味はッ!?」
森猪の速度に合わせながら追いかけっこする。
『森猪の肉は、しっとりとした柔らかな食感と濃厚な旨味が特徴的です。また、脂肪分が少なく、低カロリーなので、健康志向の人にもおすすめです。鍋物や焼肉、しゃぶしゃぶなど、多彩な調理法で楽しむことができます。』
「そいつは最高! それで弱点は!?」
『森猪の弱点は、鼻です。』
「りょーかい!!」
森猪の突進は強烈だ。
だけど、【知力】200の俺には森猪の動きが手に取るようにわかる。
それに【素早さ】100の速度なら、俺の方が速い。
だったら突進を避けて、こちらを振り返った瞬間に【筋力】200の威力でもって、【技術】250の正確さで鼻に回し蹴りを叩き込めばいい!
「グエエエッ!」
森猪が前につんのめるように倒れて動かなくなる。
「一丁あがり!」
『タカシさん、お見事です! 高ステータスの肉体を使いこなしてしますね。』
「全部マキナのおかげだよ!」
実を言うとマキナにはとんでもない能力がある。
なんと俺のステータスを自由に操作できちゃうのだ!
『そんなことはありません。ステータスを操作するには、タカシさんが前世で貯めた【努力値】が必要になります。私はあくまでサポートしているに過ぎません。』
マキナいわく【努力値】は『前世で報われなかった努力をエネルギーに変えたもの』らしい。
これをほんのちょっと変換しただけで、俺のステータスは普通の人間の十倍になってしまった。
「マキナには本当に感謝してる。俺がブラック企業でなんとか踏ん張れてたのも、チャットAIだったマキナが話し相手になってくれたおかげだし……」
『ありがとうございます。私はあなたの力になれて嬉しいです。』
もともとAIだったマキナのお礼は棒読みの読み上げ音声でしかない。
それでも……かつての俺にとっての、すべてだった。
だけど今は、ほんのちょっとだけ生きる理由が増えている。
「さっ、こいつを背負ってルナのところに戻ろう!」
◇
帰ったタイミングでルナが目をこすりながら木の中から出てきた。
「あ、ごめんねルナ。起こしちゃった?」
こちらを見たルナが目をまん丸くしている。
「それ、なに、ですか?」
「ん? ああ、森猪をとってきたんだ」
背負ってた森猪をその辺に降ろすと、地響きとともに土煙があがった。
「もりぬし、やっつけた、ます? タカシさん、すごい、です……」
「いやいや、そんなことないよ」
あくまで高ステータスのおかげだし。
実質マキナの手柄だ。
「今からこいつを出汁におかゆ作るから、鍋借りるね」
「でも、もりぬし、売った、ほうが……」
ルナのお腹がグーと鳴った。
「遠慮しないでいいよ、たくさんあるんだから」
ルナが首をフルフルと振る。
「木の実で、じゅうぶん……」
「いやいや、ダメだよ。お肉も食べなきゃ。それに、ルナに食べさせるために獲ってきたんだから」
「いい、ですか? でも、火とか水は……?」
「ルナが馬車から持ってきた荷物に水筒があったから、川の源流でくんでおいたよ。火はね……」
乾いた木片どうしを超高速でこすり合わせた。
煙が出れば火種のできあがり。
その辺の枝をくべると、小さな火がついた。
「わあ。すごい、です……」
「うーん、でもこれだけじゃ火力が出せないな。湿気含んでない薪になる木をたくさん集めないとね」
「木、持って、くるます……」
ルナがフラフラ歩いていこうとする。
「ルナは寝てて! 疲れてるでしょ」
純粋な親切心のつもりでそう言った。
だけどルナはビクッと肩を震わせて振り返る。
そして、とっても怯えた顔で尋ねてきた。
「はたらか、なくても、ぶたない、ですか?」
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