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買い物は危険がいっぱい (後)
しおりを挟む「いたいけな女性を襲うお前達の方が悪だろ。」
突然現れたその人は男達の一人を地面に沈め、わたくしの側に来てくれる。その人はどこかで聞いた様な安心する低い声をしており。側に来るとわたくしを守る様に腕の中に囲う、彼は優しく私に笑いかけた後で、おそらく男達を睨み付けた。
おそらくとつくのは、助けてくれた男の顔上半分が仮面が覆っていて判断つかないからだ。なので、本当に睨んだかもわからないが、雰囲気がピリッとしたので間違いないと思う。
助けてくれた男、仮面の男はわたくしを片腕で抱き締めながら細身の剣を構える。
良く見ると、仮面の男の姿はみたこともない騎士の姿だった。上質なそれは只者でない事を知らしめ、体型にぴったりと合っていて、彼が鍛え抜かれた人であることを知らしめている。
凛としていて隙のないその姿に、何者かもわからないのに遠巻きに成り行きを見ている人々の中から感嘆の溜め息が漏れ聞こえてきた。
分かります。とても格好いいですし、良い匂いがしますの。
町民のその反応が気に入らないのか、男達が騒ぎ始める。
「ひ、いや、この人に何の恨みがあるのか知れんが退け。」
「はっ!ナイト気取りかよ。確かにその女身体は良いからな。」
男達の視線が町娘風の服装であるわたくしの身体に注がれている。嘗め回すように見られ気持ち悪くて仮面の男に身を寄せれば安心させるように抱き締めている手に力を込めてくる。
町民もそれについて避難の声をあげてくれた。男達の視線が町民に向き、小さな悲鳴が上がる。
「下衆が。」
町民に矛先が行きかけた所で、仮面の男が軽蔑を含んだ言葉を殺気と共に呟けば、先程まで軽口をたたいていた男達の動きが止まる。
中には殺気に当てられた者も居て冷や汗を流しながら、固まっている。そんな人達はやっとどんな相手と対峙しているのか自覚したらしく足を小鹿の様に震わせ始めた。
リーダー格の男は早々にその考えは思い付いているだろうに、後に引けなくなっているみたいでフーフーと興奮した風にまだ剣を向けている。もしかしたら、思わないようにしているのかも知れない。
「その女がどんな奴か知っているのか?」
「……。」
「そんな女より、こっちに付いたら可愛くて優しい女神がご褒美をくれるぜ。」
可愛い、優しい、そして女性。
そんな人がこんなことをしている黒幕らしい。
「こんな町中で人々を想って魔法を打てない優しい女性を襲うよう言う女が女神な訳無いだろ。馬鹿女に担がれたか。」
「なんだと?あの娘を馬鹿にするな!」
「えっあ、きゃっ。」
リーダー格の男が剣を振りかぶり飛びかかって来た。
仮面の男は片手で私を抱き上げると軽く後ろに飛んで、男の剣を避ける。剣は彼が居た場所の地面をえぐった。剣がさらに斬り上げようとするのを踏みつけて地面に固定してしまう。
剣が使えなくなったのが分かると、あっさりと剣から手を離し、次の時にはナックルが拳に装着されていた。ナックルは淡く光り、パチパチと雷を帯びている。
彼は剣士じゃなく魔法戦士だ。
男がニヤリと嗤うと、雷の拳が迫る。
仮面の男に当たると思った時には、リーダー格の男が吹き飛んでいた。
えっ、と辺りが沈黙に包まれた。
「弱いなぁ。そんなバレバレの攻撃当たるかよ。」
「な、な、俺は、学園で一番の。」
「何だ。学生か。井の中の蛙ってな!」
吹き飛ばされた男がそれでも身を起こすのはすごいと思いますが、力の差は歴然。
止めとばかりに顔を蹴られ、今度こそ気絶した。
その光景を見ていた他の男達は蜘蛛の子を散らすがの如く逃げていく。だが、誰もリーダー格の男を回収しようとはしない。
「もう、大丈夫だろ。」
「あ、ありがとうございます。」
「ほら、お母さんが待っている。行け。」
仮面の男は私を地に降ろすと、こちらに青ざめた顔で向かってきている母の方に背を押して行くよう促す。
わたくしの足が母の方に向くのを確認して、彼は笑って手を軽く振り、リーダーの男を担いで消えて行った。
彼の姿がレオと重なって見えた気がした。
おかしいわね。レオは幽霊なのに。
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