毎年クリスマスに俺を見下してた奴につい見栄を張ったらそいつが告白してきた話

雨宮里玖

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9.覚悟しろよ

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「わかって……くれ、た?」

 おずおずと紘星の顔を覗き込む。紘星は目を見開いていた。

「柊介」

 紘星の声は低かった。怒っているのか、呆れているのか、感情が読み取れない。


「お前、俺にこんなことしておいて覚悟はできてるんだろうな?」
「へっ……?」
「お前に振られたとばかり思ってた俺が、『好きだ』と言われてキスまでされた。今の俺の気持ち、わかるか?」
「い、いや、あの、ごめん。お前を騙すつもりなんてなくて……」

 本当にわざとじゃない。なんとなくそんな流れになってしまっただけだ。

「お前は本当酷い奴だな。彼女がいないくせにいると嘘をついたり、俺をどれだけ振り回したら満足するんだ?」
「それは……」

 やばい。それは正真正銘、嘘をついた。

「もう許さねぇ。振り回されんのは嫌いなんだよ!」
「わ……っ!」

 紘星に突き飛ばされるようにして後ろのベッドに押し倒される。
 そして紘星は柊介のバスローブを割って入ってきて、柊介のものをいきなり掴んだ。

「おいやめろって、バカッ!」
「うるせぇ、俺はさっきから限界なんだよ! てめぇがバスローブ姿で出てきたときからこっちはおっ勃ってんだよ! 見えそうで見えない格好すんな! 無自覚に人を煽りやがって!」

 嘘だろ紘星。俺を見て実は興奮してたのか……?!

「てめぇ……! あっ……はぁ……やめろって……」

 紘星が柊介のものを上下に扱くものだからあっという間にそれが反応を示してしまい、それがめちゃくちゃ恥ずかしい。

「あっ……こうせぇ……だめ……ッ」

 なんだこれ、なんだこれ。自分でするときと全然違う。紘星にされるとすごく気持ちいい。
 もしかして紘星は手練れか?!

「くっそぉ……っ、この遊び人がよ……」
「うっせぇ」
「女だけじゃなく男も抱いてたんだ……ンぐっ……!」

 紘星はいきなり柊介の唇を塞ぐようにしてキスを仕掛けてきた。しかもエロいやつ。全然軽くない。

「んーッ……!!」

 こんなの無理だ。舌を絡ませてくるキスも感じるし、張り詰めた下半身は先端をクリッと弄られ、先ばしりの液が漏れだしている。

「紘星待っ……! あぁっ……!」

 柊介は限界に達し、紘星の目の前で白濁を吐き出した。

「うわ、すげぇ元気。こんなとこまで撒き散らしてんじゃん」
「やめろ!」

 そういうこと言うなよ……。こっちは羞恥で死にそうなのに!



 紘星は柊介のバスローブの腰紐に手を掛けた。しゅるっと呆気なく解かれ、遠慮なしに左右をバッと開かれる。

「はあっ?! 脱がすな! 何すんだよ!」
「え? こっからが本番だろ?」

 紘星は何かを手にしている。トロッとした透明の液体のような何か。それを紘星は柊介の下腹部に垂らしてきた。

「お前なんでそんなもん持ち歩いてんだよ!」
「だってこれがないと柊介痛いかなと思って」

 いや違う。そっちの理由じゃなくて、なんでそういうアダルトなアイテムが今ここに存在しているかを訊いてんだ!
 でも。

 ——紘星は俺の返事次第でヤる気だったってことだよな……。クリスマス、だし……。こんないいホテルで好き同士だったら、それは……。


「こら、足閉じんな、広げてろって!」
「嫌だ!」

 バカかお前! そんなことしたら、恥ずかしいところがまる見えになるだろうが!

「とっとと見せろよ、どうせ可愛いんだから」
「可愛い?! どこが?!」

 意味がわかんねぇぞ! 紘星!

「ほら、お前さっきから暴れて危ねぇから、自分で膝の裏に手を入れて持ってろ」

 紘星は柊介の手を掴んで柊介の膝裏に誘導し、そこを持つように指示してきた。
 全開した両足の膝裏を左右ともに持たされる。これじゃまるで自分から秘部を紘星に見せびらかしてるみたいじゃないか!

「も……無理っ……!」

 こんな格好恥ずかしすぎる。誰にも見せられない。紘星以外には、誰にも。

「だってちゃんとやらなきゃ、柊介が痛い目に遭うんだぜ? どうせここ、初めてなんだろ?」

 紘星の指がピタッと柊介の入口に触れた。触れられただけで柊介の身体がビクッと震えた。

「べ、別に平気……」

 紘星にあのコトを伝えようと思っただけで、顔から火が出そうなくらいに熱くなってきた。

「は? 平気って?」
「じゅ、準備してきた、から……」

 うわーっ! 言っちまった!
 紘星の前で足を広げてみせて、んなこと言ったらクソビッチだと思われたかな……。

「……はっ?? はぁ?!」

 やばいやばいやばいやばい!
 紘星が呆れてる、紘星が呆れてる、紘星が……。

「お前が?! ここを?!」
「うっせぇ、それ以上言うな……っ!」

 バカ紘星! そんなびっくりした顔するなよぉ……。

「うぁ……っ! あっ……」

 紘星が柊介の中に指を侵入させてきた。その瞬間、柊介は目を固く閉じて、与えられる刺激を受け入れる。

「やべぇ、マジだ……すんなり二本入った……」
「……あっ……ん……ッ!」

 紘星の指は遠慮がない。柊介の内壁を淫らに擦り上げ、それがまたクチュクチュといやらしい音を立てるから更に恥ずかしくなる。

 自分でやったときと全然違う。やばいぞこれは、想像以上に——。
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