セフレじゃなくて本命だったなら早く言ってくれ

雨宮里玖

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おまけの番外編SS

デレた健人に凌ががっつく話※

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 健人の身体はドサッとベッドの上に放り投げられた。そこへすぐさま覆い被さってくるのは稜だ。ふたり分の体重にベッドのスプリングが悲鳴をあげるみたいにきしんだ音を立てた。


「おいっ、こら、やめろっ」

 健人がベッドから逃げ出そうにも稜の熱量のこもったしつこいキスと、健人の服の中でうごめく稜の手が健人の理性を奪っていく。

「あっ……」

 稜に何度抱かれても、この身体は慣れない。いつもすぐに甘ったるい吐息が漏れてしまう。

 稜は健人の耳たぶを甘噛みしたあと、唇と舌で健人の首筋を愛撫する。健人が首が弱いことを稜は知っていて、いつもここを攻められるから身体中の力が抜けて稜にいいように支配されてしまう。

「だからっ……! そこやめろって!」

 乳首を弄ばれるとすごく恥ずかしくなる。こんなところで感じてる姿なんて見られたくない。なんか、女みたいで嫌だ。

「うん。知ってる。お前がイヤイヤしてる姿が見たいからやってんの」
「はぁ?!」

 稜、てめぇ、ドSか?!

 文句を言ってやりたいのに、稜が健人の乳首を撫でまわすから身体がビクビクっと反応し、抗議の声じゃなくて、「……あっ……んっ……」と健人にとっては不本意な喘ぎ声になる。


 稜はいきなり健人の下着の中に手を突っ込んできて、健人のモノに触れた。

「うっ……」

 既に勃ち上がっていると思っていたのに、稜に触れられたことでさらに反応を示す。そこを稜に撫でられて甘美な電流みたいなものが身体中に流れていく。

「お前の身体は素直だよな」

 稜の愛撫に溺れてしまいそうだったが、その言葉は聞き捨てならない。
 身体はってなんだよ! 『は』ってことは、身体以外は素直じゃないってことか?!

「悪かったな! 素直で可愛いのがいいなら、そういう奴と付き合えばいいじゃん。男でも女でも、稜なら——」

 健人が文句を言ってる最中に、稜は健人の唇にチュッと優しいキスをした。

「お前、もっと自信持てよ。健人はじゅうぶん可愛いから」

 稜はそう言って愛おしそうに健人のモノを撫でたあと、上下に捌きはじめる。その直接的な刺激に「あっ、あっ、あっ」とたまらない気持ちになる。


「お前はいつも俺のことをエロいとか、すぐにがっつくとか言うけどさ、俺をこんなにさせるのは、健人、お前だけなんだぜ?」

 稜はさらに激しく手を動かしてくる。日頃の鬱憤を、健人を性的に苛めることでウサ晴らししてるんじゃないのか?!

 ああ、ダメだ。

 激しくされて、変なところを撫でられて、なんかヤバい気持ちになってきた……。身体が勝手に稜を求めていく……。

「うわマジで可愛い。ごめん、コッチも弄っていい?」

 稜は健人の後ろの孔を指で撫でる。稜に開発された秘部は、触られるだけでなにかを期待してしまうようでヒクヒク動いた。

「はぁ、ほんと健人。お前ってたまらないよ……。マジで好き」

 稜はベッドサイドにある棚の引き出しを開けて、そこから何かを手に取った。おそらくそれはローションとゴムだろう。ふたりが繋がるために必要なもの。


 ふたり全裸になったあと、ローションを塗られ、稜が指を突っ込みソコをほぐし始める。指一本入れられただけで身体が震える。この瞬間だけは少しだけ苦手だ。こんなことを受け入れている自分への羞恥心と、自分が自分でなくなりそうな感覚が少し怖いから。


「こんなとこ触られたら緊張するよな。ちゃんとゆっくりするから」

 稜はいつも丁寧に時間をかけてくれる。無理矢理こじ開けられたことなんてない。もっと乱暴でもいいのにと焦ったいくらいだ。

 そしてその最中も「痛くない?」とか「どこが気持ちいい?」とかいちいち健人の反応を伺ってくる。

 懲りない稜はバカか?! そんな丁寧に解されたら痛いわけがないし、気持ちいいところがあっても恥ずかしくて言えるわけがねぇだろうが!

「もしかして、ここ?」

 稜に健人のイイところを指で弄られる。

「……あっ……あうう……」

 こいつ、俺の弱いところを知っててわざと言ってやがるな。

「ねぇ、教えて? ここは? 気持ちいい?」

 一番感じるところを稜に弄ばれて耐えられるわけがない。健人は思わず「あっ……」と身体をくねらせて反応してしまう。


「健人。入れていい?」

 そのひと言にドキッとする。稜の指だけでも既にやばいのに、もっとやばいのは稜自身をソコに入れられることだ。
 稜は健人の足を大きく開かせて、入り口に自分のモノをあてがう。そこから稜はズブズブと中に侵入してきた。

「ああっ……!」

 やばい。最高だ。
 稜と気持ちが通じ合う前から身体の相性は良かったから性的な気持ち良さは感じていた。
 でも今はあのときとは違う充足感がある。


 稜に愛されているという実感。
 稜と繋がって、抱き締められて、たくさんのキスをされる。

「好きだよ、健人」

 稜に耳元で囁かれる。

「はぁ……やっば、お前の中、すげぇ気持ちいい」

 稜が夢中になって健人をむさぼっている。さっきまで健人を苛めていたくせに、ハァハァと息を荒だてて、余裕のない稜の姿。
 はっきり言って、好きだ。



「一緒にイこ?」

 稜に握られ捌かれる。稜は自分が限界だったのか、容赦なく健人を攻め、すぐにでもイかそうとする。

「……んっ……ああっ……あっ……!」

 後ろを攻められているだけでも限界ギリギリなのに、急にそんなことされたらもう……!


「健人っ、あっ……俺もう……っ!」
「稜っ。あっ……!」

 健人も限界だった。稜に放たれるのと同時に健人も絶頂に達した。




「……おい、離れろ」

 健人としてはさっきの行為ですっかり疲れ果ててしまったし、満足している。
 それなのに稜は健人を抱き締めたまま「もう一回シたい」とねだってくる。

「健人、……ダメ?」
「ダメ。嫌だ。もうしない」

 さっきから拒否ってるのに稜はあきらめが悪い。こんな平凡な身体のどこがそんなにいいんだよ……。

「健人、頼むからっ」

 なんだよ、そんな顔で俺を見るなよ。イケメンがしゅんとしたワンコみたいに懇願するなっ!

「ダメだ!」

 健人が言い放つと稜はものすごく寂しそうな顔をする。

 どうしよう……。
 なんか可哀想になってきた……。

「も……」

 あー、本当ダメだ。こういうのは苦手で、それは一生直らないかもしれない。

「も?」

 稜が聞き返してくる。

「も……もう一回だけ」

 うわ、稜の目がキラキラ輝いたのがわかる。

「しつこいのはナシ! そ、それなら……」
「マジで?! 健人、大好きっ!」

 稜がさらにぎゅっと抱き締めてきた。




 そして俺はそのあと稜に執拗に攻められ、散々抱き潰されて「もう一回」と稜を受け入れたことをめちゃくちゃ後悔した。



 ——完。
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