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23.真実は
気を失うように眠って、ハルが目覚めたのは昼間だった。
あんなに苦しかったのに、今はやけにすっきりしている。相変わらず熱は持っているのだけれど、昨日よりも格段に楽だ。
ハルの首についていたネックガードはどこかに消えている。乱れて汚れたはずの身体も誰かが綺麗にしてくれたようだ。
ゼインの姿はなかった。食事を持ってきてくれた従者に「昨日ゼインさまがいらっしゃらなかったか」と訊ねても「妃殿下は夢か幻を見たのではありませんか」と返されてしまった。
でもそうなのだ。皆、口々にゼインは隣町にいるはずだと言う。ハルもあれは幻なのかと勘違いしそうになるが、あれは紛れもなくゼインだった。
だってこの身体が覚えている。ひと晩中ゼインはハルのそばにいてくれた。そしてハルのヒートの熱を冷ますために尽くしてくれた。
「なんだったんだろう……」
ハルはベッドにゼインの服を山盛りにして、その中に身体を埋める。こうしているとゼインに抱きしめられているような感覚になり、気持ちが落ち着くのだ。
ヒートの熱にうなされながらも考えるのはゼインのことばかり。
なぜゼインは、オルフェウスのふりをしてハルのもとに現れたのだろう。ゼインこそハルの夫なのだから、堂々としてくれればいいはずだ。
それに、ゼインの言葉が気になる。
ゼインはハルのことを「好きだよ」と言ってくれた。涙が出るほど嬉しかったが、あれは本心なのだろうか。行為の最中のうわ言だったかもしれない。
それからゼインはいろいろと言葉をかけてくれた。ハルの願うとおりになるとかなんとか……ハルもヒートで精一杯ではっきりと覚えてはいない。
オルフェウスとゼインはそっくりな双子で、入れ替わることは容易だ。今のハルならふたりを見分けられるようになったが、ゼインと結婚する前は、ふたりを混同しそうになったことがある。
そこまで考えて、ハルはふと考える。
ゼインがオルフェウスのふりをしたのは、今回が初めてじゃなかったとしたら……。
「あ……!」
ハルの脳裏に、遠い遠い記憶が蘇る。
ゼインの服の匂いを感じていて思い出したのだ。
いつかの日に、ハルはこの甘い花のような香りを感じたことがある。
今から五年ほど前、ハルが十五歳のころだ。ゼインとオルフェウスは十三歳、ふたりがアルファ性に目覚めたときのこと。
オルフェウスからの手紙をもらい、ハルは裏庭に行った。そこで待っていたのは、本当にオルフェウスだったのだろうか。
あのときのハルにはわからなかったが、今ならわかる。あの日感じた心地よいフェロモンの匂いはゼインのものだ。
「あのとき話したのはゼインさまだったんじゃ……」
すっかりオルフェウスだと思い込んでいたが、あれがゼインだったとしたら。
そうだ。今思えば声が少し違った。大人になる前の声変わりの時期のせいだと思い込んでいたが、そうではない。あれはオルフェウスではなくゼインの声だった。
――私もオルフェウスさまとふたりきりでゆっくり話がしたいと思っていたところですから。
たしかハルはそんなことを言った。あの裏庭はいつも三人で遊んでいた場所だ。それなのにあんなことを言ったら、ゼインはまるで自分が邪魔者だと言われた気持ちになったのではないか。あのとき、ゼインは傷ついたに違いない。
――ハルは、好きな人はいないのか……?
ゼインはハルにそう訊ねてきた。
オルフェウスに言われたと思ったから、ハルは婚約者になる前の気持ちの確認なのかと感じた。
でも、あれがゼインだったとしたら意味が変わってくる。
ハルはオルフェウスの婚約者になるところだったのに、なぜあんなことを聞いてきたのか。
ゼインはハルの本音を知りたがったのではないか。
オルフェウスとの政略結婚の前に、ハルが本当に好きな人はいないか、その相手がオルフェウスではない可能性はないかと心配してくれたのではないか。
そして、ハルがゼインのことを想っているのではと考えたのもあるんじゃないだろうか。
「まさか、まさか……」
ゼインは、ハルの気持ちを確かめようとした……?
オルフェウスじゃなくて、自分のことを好きじゃないかどうか。そんなことを気にするなんて、あのときのゼインはハルのことを想ってくれていた……?
「あぁ……」
ハルは絶望的な気分になる。
――好きな人はいません。
ハルはゼインにそう答えた。
――私はこの身をオルフェウスさまに捧げます。
恋愛なんてよくわからなかった。ただ、家族の役に立ちたい一心で、両家のためになると思って、そんなふうに答えた。
そのあとゼインはハルを抱きしめてくれた。
いったいどんな気持ちでいたんだろう。ゼインのことを考えるだけで涙がにじんでくる。
本当のハルは、あのとき目の前にいた男に心を奪われたのに。
それは、ゼインだったのに。
あのとき感じた優しさも、抱擁も、甘い花のようなフェロモンの香りも、全部、全部ゼインだ。
ハルが生まれて初めて抱いた淡い恋心は、ゼインに対するものだった。それを、オルフェウスがしてくれたものだと勘違いしていた。
――さよなら、ハル。
あのとき、ハルはオルフェウスが変な挨拶をするなと思っていた。今考えるとあれはゼインの中での決別の言葉だったのかもしれない。
よくよく思い出してみれば、あのあとからゼインのハルに対する態度が急激に冷たくなった気がする。
「ゼインさま……っ」
ゼインになんてひどいことをしてしまったのだろう。ゼインを傷つけ、拒絶するようなことをした。
そんなことをしたらゼインに嫌われて当然だ。
やっとわかった。
ゼインのことが好きだ。
囚われていた過去の思い出も、今、ハルがそばにいたいと願う人もゼインだ。
ゼインのあの不器用な優しさを思い出す。時折見せてくれるゼインの笑顔に心が跳ねた瞬間を思い出す。
それと同時に、ひとりきりの寂しげなゼインの姿も思い出す。
俺はひとりで大丈夫だと言うゼインと、それを認めさせてしまうほどのゼインの圧倒的な力。
でもそれはゼインが望んだ力ではない。
能力があるが故に、幼いころから戦いの場に身を投じていたゼイン。ハルにとって森は遊びに行く場所だったが、ゼインにとっては嫌でも戦わなければならない戦いの場だったのだろう。
それを幼いゼインは望んでいたのだろうか。
ゼインならできる。稀に見る逸材。そうやってはやし立てられ、負けることを許されず、その期待に応えるべくすべてを完璧にこなしてきた。
孤高の天才最上位アルファ、ゼイン・アレドナールとは誰が作り上げた偶像なのだろう。
本当のゼインの姿は、きっとそんなものじゃない。
ゼインはずっと何かを演じ続けているのかもしれない。
本当の自分ではない、『誰か』を。
「ゼインさま、早く帰って来て……」
ハルはぎゅっとゼインの服を抱きしめる。
今すぐにゼインに会いたい。
会ってたくさん話がしたい。この気持ちをゼインに伝えたい。今も昔も、ハルが惹かれたのは、ゼインただひとりだけだ。
あんなに苦しかったのに、今はやけにすっきりしている。相変わらず熱は持っているのだけれど、昨日よりも格段に楽だ。
ハルの首についていたネックガードはどこかに消えている。乱れて汚れたはずの身体も誰かが綺麗にしてくれたようだ。
ゼインの姿はなかった。食事を持ってきてくれた従者に「昨日ゼインさまがいらっしゃらなかったか」と訊ねても「妃殿下は夢か幻を見たのではありませんか」と返されてしまった。
でもそうなのだ。皆、口々にゼインは隣町にいるはずだと言う。ハルもあれは幻なのかと勘違いしそうになるが、あれは紛れもなくゼインだった。
だってこの身体が覚えている。ひと晩中ゼインはハルのそばにいてくれた。そしてハルのヒートの熱を冷ますために尽くしてくれた。
「なんだったんだろう……」
ハルはベッドにゼインの服を山盛りにして、その中に身体を埋める。こうしているとゼインに抱きしめられているような感覚になり、気持ちが落ち着くのだ。
ヒートの熱にうなされながらも考えるのはゼインのことばかり。
なぜゼインは、オルフェウスのふりをしてハルのもとに現れたのだろう。ゼインこそハルの夫なのだから、堂々としてくれればいいはずだ。
それに、ゼインの言葉が気になる。
ゼインはハルのことを「好きだよ」と言ってくれた。涙が出るほど嬉しかったが、あれは本心なのだろうか。行為の最中のうわ言だったかもしれない。
それからゼインはいろいろと言葉をかけてくれた。ハルの願うとおりになるとかなんとか……ハルもヒートで精一杯ではっきりと覚えてはいない。
オルフェウスとゼインはそっくりな双子で、入れ替わることは容易だ。今のハルならふたりを見分けられるようになったが、ゼインと結婚する前は、ふたりを混同しそうになったことがある。
そこまで考えて、ハルはふと考える。
ゼインがオルフェウスのふりをしたのは、今回が初めてじゃなかったとしたら……。
「あ……!」
ハルの脳裏に、遠い遠い記憶が蘇る。
ゼインの服の匂いを感じていて思い出したのだ。
いつかの日に、ハルはこの甘い花のような香りを感じたことがある。
今から五年ほど前、ハルが十五歳のころだ。ゼインとオルフェウスは十三歳、ふたりがアルファ性に目覚めたときのこと。
オルフェウスからの手紙をもらい、ハルは裏庭に行った。そこで待っていたのは、本当にオルフェウスだったのだろうか。
あのときのハルにはわからなかったが、今ならわかる。あの日感じた心地よいフェロモンの匂いはゼインのものだ。
「あのとき話したのはゼインさまだったんじゃ……」
すっかりオルフェウスだと思い込んでいたが、あれがゼインだったとしたら。
そうだ。今思えば声が少し違った。大人になる前の声変わりの時期のせいだと思い込んでいたが、そうではない。あれはオルフェウスではなくゼインの声だった。
――私もオルフェウスさまとふたりきりでゆっくり話がしたいと思っていたところですから。
たしかハルはそんなことを言った。あの裏庭はいつも三人で遊んでいた場所だ。それなのにあんなことを言ったら、ゼインはまるで自分が邪魔者だと言われた気持ちになったのではないか。あのとき、ゼインは傷ついたに違いない。
――ハルは、好きな人はいないのか……?
ゼインはハルにそう訊ねてきた。
オルフェウスに言われたと思ったから、ハルは婚約者になる前の気持ちの確認なのかと感じた。
でも、あれがゼインだったとしたら意味が変わってくる。
ハルはオルフェウスの婚約者になるところだったのに、なぜあんなことを聞いてきたのか。
ゼインはハルの本音を知りたがったのではないか。
オルフェウスとの政略結婚の前に、ハルが本当に好きな人はいないか、その相手がオルフェウスではない可能性はないかと心配してくれたのではないか。
そして、ハルがゼインのことを想っているのではと考えたのもあるんじゃないだろうか。
「まさか、まさか……」
ゼインは、ハルの気持ちを確かめようとした……?
オルフェウスじゃなくて、自分のことを好きじゃないかどうか。そんなことを気にするなんて、あのときのゼインはハルのことを想ってくれていた……?
「あぁ……」
ハルは絶望的な気分になる。
――好きな人はいません。
ハルはゼインにそう答えた。
――私はこの身をオルフェウスさまに捧げます。
恋愛なんてよくわからなかった。ただ、家族の役に立ちたい一心で、両家のためになると思って、そんなふうに答えた。
そのあとゼインはハルを抱きしめてくれた。
いったいどんな気持ちでいたんだろう。ゼインのことを考えるだけで涙がにじんでくる。
本当のハルは、あのとき目の前にいた男に心を奪われたのに。
それは、ゼインだったのに。
あのとき感じた優しさも、抱擁も、甘い花のようなフェロモンの香りも、全部、全部ゼインだ。
ハルが生まれて初めて抱いた淡い恋心は、ゼインに対するものだった。それを、オルフェウスがしてくれたものだと勘違いしていた。
――さよなら、ハル。
あのとき、ハルはオルフェウスが変な挨拶をするなと思っていた。今考えるとあれはゼインの中での決別の言葉だったのかもしれない。
よくよく思い出してみれば、あのあとからゼインのハルに対する態度が急激に冷たくなった気がする。
「ゼインさま……っ」
ゼインになんてひどいことをしてしまったのだろう。ゼインを傷つけ、拒絶するようなことをした。
そんなことをしたらゼインに嫌われて当然だ。
やっとわかった。
ゼインのことが好きだ。
囚われていた過去の思い出も、今、ハルがそばにいたいと願う人もゼインだ。
ゼインのあの不器用な優しさを思い出す。時折見せてくれるゼインの笑顔に心が跳ねた瞬間を思い出す。
それと同時に、ひとりきりの寂しげなゼインの姿も思い出す。
俺はひとりで大丈夫だと言うゼインと、それを認めさせてしまうほどのゼインの圧倒的な力。
でもそれはゼインが望んだ力ではない。
能力があるが故に、幼いころから戦いの場に身を投じていたゼイン。ハルにとって森は遊びに行く場所だったが、ゼインにとっては嫌でも戦わなければならない戦いの場だったのだろう。
それを幼いゼインは望んでいたのだろうか。
ゼインならできる。稀に見る逸材。そうやってはやし立てられ、負けることを許されず、その期待に応えるべくすべてを完璧にこなしてきた。
孤高の天才最上位アルファ、ゼイン・アレドナールとは誰が作り上げた偶像なのだろう。
本当のゼインの姿は、きっとそんなものじゃない。
ゼインはずっと何かを演じ続けているのかもしれない。
本当の自分ではない、『誰か』を。
「ゼインさま、早く帰って来て……」
ハルはぎゅっとゼインの服を抱きしめる。
今すぐにゼインに会いたい。
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