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第3章
57.誕生日パーティー
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夕刻になり、城の大広間でライオネルの誕生パーティーが始まった。
パーティーのために飾られた大広間には、白のテーブルクロスがかけられた長いテーブルが二列並び、豪華な料理が並べられている。そこに着飾った人々が集まり、談笑している様子は華々しい。
隣の部屋は舞踏場で、そこで立ち話をしている者もいる。ライオネルの誕生パーティーは大盛況だ。
俺は支度を終えたライオネルを大広間で見かけて、思わず目を奪われた。
ライオネルは、今日のために仕立てた光沢のある白色に、華美な金の刺しゅうが入った服を着ている。中に合わせるウエストコートは深い藍色。その姿が、信じられないくらいにかっこいい。
普段ライオネルは黒や濃紺など暗い色の服を好んで着る。軍服を着ていることも多い。だから真っ白で明るい色の服を着ているライオネルは、いつもと違う印象だ。
初めて見るライオネルの姿は、すごくドキドキする。
黒い服も似合うけど、こういう明るい服もいいな。
俺たちの結婚式のときのライオネルは、クソださい髪型をしていた。顔じゅう傷だらけで、お世辞にもかっこいいとは言い難かったけど、今のライオネルはどこからどう見ても完璧だ。
そして俺は知っている。ライオネルがいいのは、外見だけじゃないことを。
強くてかっこよくて優しくて、俺をたくさん愛してくれて、こんないい男は、他にはいないだろう。
間違いない。俺の夫は世界一だ。
「本日は遠方よりお集まりいただき、ありがとうございます」
ライオネルは毅然とした態度で、皆に挨拶をする。
「ご存じの方もいらっしゃるのではないかと思いますが、私は齢三十まで生きられないと思っておりました」
ライオネルが実は呪いをかけられていたことは周知となっていた。それと同時に、その呪いから解かれたことも皆が知っていた。だからこそ、三十歳のライオネルの誕生日には、大きな意味があるということも。
「それが、このようにして無事に誕生日を迎えられたこと、大変嬉しく思っております。ここにいる皆さまに、感謝いたします」
皆がライオネルの言葉に拍手を送っている。
本当によかった。ライオネルの身体からアザが消えたけど、実は俺は今日の日を迎えるまで、不安になることもあった。
でもライオネルは呪いで定められた時を過ぎても生きている。その姿を目の当たりにして、目が潤んでしまうくらいだ。
ライオネルの挨拶でパーティーは始まった。
俺もライオネルと一緒に料理を楽しもうって思っていたのに、俺の隣の席に座る予定のライオネルは、次から次へと人に話しかけられ、全然席に戻って来ない。
ライオネルが主役のパーティーだから、人気者になるのはわかる。
でも、俺は不安になってきた。
周りの会話に耳をそば立ててみると「ライオネル様かっこいい」「ライオネル様とお近づきになりたい」って声が聞こえてくる。
なんで人の夫を狙うんだよ! って思ってたら、どうやらライオネルの側室狙いらしい。
この地方では、金持ち貴族は数人の妾を抱えることが当たり前らしい。そうすることで妾となった人の家族まで養うことができるし、妾を多く迎えることは、むしろ良いことをしているみたいな印象だ。
実際にライオネルの前の辺境伯は、妾を八人抱えていたとか。
あー! もう! みんなライオネルを狙うなよ!
ライオネルをかっこよくしなきゃよかった。ダサい髪型のままのほうが、モテずに済んでよかったんじゃないのか!?
どうしよう。ライオネルが慈善事業だと言って、没落寸前の貴族の娘を側室に迎えたら。
ライオネルのことだから、その娘に優しくするに違いない。夫の義務として、その娘を抱いたりするのかな。
こんな晴れの日なのに、怖くなってきた。
他の誰にもライオネルを渡したくない。やっぱりさっさとライオネルと番になるしかない。
俺がライオネルについて悶々と考えていると、「ノア様」とひどく懐かしい声で呼ばれた。
「ハリード! 父上まで!」
振り返るとそこには父上と、従者のハリードがいた。俺は席から立ち上がり、懐かしさのあまりに相好を崩す。
「ノア。久しぶりだな」
「はい、父上!」
つい元気に返事をしてしまったが、父上は「ノアは自然に笑えるようになったんだな」と俺を見て満足そうにウンウン頷いている。
そっか。俺、ライオネルと結婚する前は、全方位に敵がいるみたいな隙を作らないタイプの男だった。
「ライオネル様はとても素敵な御方のようですね」
ハリードはシワの多い顔を、さらにしわくちゃにして微笑む。
今の俺にはそれを否定することはできない。
ライオネルとは政略結婚だったのに。
「……うん。ライオネルは俺にすごく良くしてくれる」
「我々にもですよ。フォーフィールド家は、ライオネル様の送金のおかげですっかり建て直しができそうです」
「そうか。よかった。安心した……」
うちは田舎の貧乏貴族だったのに、それを救ってくれたのはライオネルだ。
俺、ライオネルと結婚して本当によかった。
「私もこうしてノア様に会えて、安心いたしました」
「安心?」
「実は辛い思いをなさっていないか、心配だったのです。ですがノア様の明るいご様子を見ていたら、私の取り越し苦労だったと思いました」
「なんだ、ハリード。実は俺もハリードのことを心配していたんだ」
「ノア様がですかっ?」
「資金難で、ハリードがクビになっていたらどうしようって思っていた。でも今日会えて安心したよ。クビになっていないようだな」
「はい。ノア様のおかげです」
俺はハリードと顔を合わせて笑う。
こんな日が来るとは思わなかったな。そうだよな。笑顔って取り繕うためのものじゃなかったんだ。
それからは俺もいろんな人に話しかけられ、対応に追われる身になった。
結局、パーティーのあいだはお互い忙しくて、ろくにライオネルと話はできなかった。
パーティーのために飾られた大広間には、白のテーブルクロスがかけられた長いテーブルが二列並び、豪華な料理が並べられている。そこに着飾った人々が集まり、談笑している様子は華々しい。
隣の部屋は舞踏場で、そこで立ち話をしている者もいる。ライオネルの誕生パーティーは大盛況だ。
俺は支度を終えたライオネルを大広間で見かけて、思わず目を奪われた。
ライオネルは、今日のために仕立てた光沢のある白色に、華美な金の刺しゅうが入った服を着ている。中に合わせるウエストコートは深い藍色。その姿が、信じられないくらいにかっこいい。
普段ライオネルは黒や濃紺など暗い色の服を好んで着る。軍服を着ていることも多い。だから真っ白で明るい色の服を着ているライオネルは、いつもと違う印象だ。
初めて見るライオネルの姿は、すごくドキドキする。
黒い服も似合うけど、こういう明るい服もいいな。
俺たちの結婚式のときのライオネルは、クソださい髪型をしていた。顔じゅう傷だらけで、お世辞にもかっこいいとは言い難かったけど、今のライオネルはどこからどう見ても完璧だ。
そして俺は知っている。ライオネルがいいのは、外見だけじゃないことを。
強くてかっこよくて優しくて、俺をたくさん愛してくれて、こんないい男は、他にはいないだろう。
間違いない。俺の夫は世界一だ。
「本日は遠方よりお集まりいただき、ありがとうございます」
ライオネルは毅然とした態度で、皆に挨拶をする。
「ご存じの方もいらっしゃるのではないかと思いますが、私は齢三十まで生きられないと思っておりました」
ライオネルが実は呪いをかけられていたことは周知となっていた。それと同時に、その呪いから解かれたことも皆が知っていた。だからこそ、三十歳のライオネルの誕生日には、大きな意味があるということも。
「それが、このようにして無事に誕生日を迎えられたこと、大変嬉しく思っております。ここにいる皆さまに、感謝いたします」
皆がライオネルの言葉に拍手を送っている。
本当によかった。ライオネルの身体からアザが消えたけど、実は俺は今日の日を迎えるまで、不安になることもあった。
でもライオネルは呪いで定められた時を過ぎても生きている。その姿を目の当たりにして、目が潤んでしまうくらいだ。
ライオネルの挨拶でパーティーは始まった。
俺もライオネルと一緒に料理を楽しもうって思っていたのに、俺の隣の席に座る予定のライオネルは、次から次へと人に話しかけられ、全然席に戻って来ない。
ライオネルが主役のパーティーだから、人気者になるのはわかる。
でも、俺は不安になってきた。
周りの会話に耳をそば立ててみると「ライオネル様かっこいい」「ライオネル様とお近づきになりたい」って声が聞こえてくる。
なんで人の夫を狙うんだよ! って思ってたら、どうやらライオネルの側室狙いらしい。
この地方では、金持ち貴族は数人の妾を抱えることが当たり前らしい。そうすることで妾となった人の家族まで養うことができるし、妾を多く迎えることは、むしろ良いことをしているみたいな印象だ。
実際にライオネルの前の辺境伯は、妾を八人抱えていたとか。
あー! もう! みんなライオネルを狙うなよ!
ライオネルをかっこよくしなきゃよかった。ダサい髪型のままのほうが、モテずに済んでよかったんじゃないのか!?
どうしよう。ライオネルが慈善事業だと言って、没落寸前の貴族の娘を側室に迎えたら。
ライオネルのことだから、その娘に優しくするに違いない。夫の義務として、その娘を抱いたりするのかな。
こんな晴れの日なのに、怖くなってきた。
他の誰にもライオネルを渡したくない。やっぱりさっさとライオネルと番になるしかない。
俺がライオネルについて悶々と考えていると、「ノア様」とひどく懐かしい声で呼ばれた。
「ハリード! 父上まで!」
振り返るとそこには父上と、従者のハリードがいた。俺は席から立ち上がり、懐かしさのあまりに相好を崩す。
「ノア。久しぶりだな」
「はい、父上!」
つい元気に返事をしてしまったが、父上は「ノアは自然に笑えるようになったんだな」と俺を見て満足そうにウンウン頷いている。
そっか。俺、ライオネルと結婚する前は、全方位に敵がいるみたいな隙を作らないタイプの男だった。
「ライオネル様はとても素敵な御方のようですね」
ハリードはシワの多い顔を、さらにしわくちゃにして微笑む。
今の俺にはそれを否定することはできない。
ライオネルとは政略結婚だったのに。
「……うん。ライオネルは俺にすごく良くしてくれる」
「我々にもですよ。フォーフィールド家は、ライオネル様の送金のおかげですっかり建て直しができそうです」
「そうか。よかった。安心した……」
うちは田舎の貧乏貴族だったのに、それを救ってくれたのはライオネルだ。
俺、ライオネルと結婚して本当によかった。
「私もこうしてノア様に会えて、安心いたしました」
「安心?」
「実は辛い思いをなさっていないか、心配だったのです。ですがノア様の明るいご様子を見ていたら、私の取り越し苦労だったと思いました」
「なんだ、ハリード。実は俺もハリードのことを心配していたんだ」
「ノア様がですかっ?」
「資金難で、ハリードがクビになっていたらどうしようって思っていた。でも今日会えて安心したよ。クビになっていないようだな」
「はい。ノア様のおかげです」
俺はハリードと顔を合わせて笑う。
こんな日が来るとは思わなかったな。そうだよな。笑顔って取り繕うためのものじゃなかったんだ。
それからは俺もいろんな人に話しかけられ、対応に追われる身になった。
結局、パーティーのあいだはお互い忙しくて、ろくにライオネルと話はできなかった。
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