61 / 76
7 一緒にいたいから
7-6
しおりを挟む
びっくりしたけど、写真を撮ってもらっている手前、俺はなんも言えねぇ。
そのまま有馬に抱き寄せられたまま、写真を撮られ、俺たちの順番は終わり。
「有馬っ」
有馬とふたり廊下を歩きながら、俺は有馬に詰め寄る。有馬はニヤけながらさっき撮ってもらったスマホの写真を眺めている。
有馬の写りは完璧だ。でも、俺は有馬に肩を抱かれたせいで照れ顔になってる。
「最高の一枚になった」
嬉しそうな有馬を「どこが!」と俺は睨みつける。
「後ろは七沢の七と同じ、七色の虹、完璧だ」
「俺が七沢だから虹がよかったの?」
「そうだよ」
なに当然、みたいな顔してんだよ。そういうの恥ずいから!
有馬はスマホを操作して俺の顔をアップにする。いやダメだってこれ、完全に恋してる顔だよ俺。
「七沢、可愛い」
「可愛くない! 俺は断じて可愛い生き物じゃない!」
俺が有馬のスマホの画面を閉じようとしても、有馬がスマホを持つ手を上げて阻止する。
「可愛いよ。目の中に入れても痛くないくらいに可愛い」
「俺はお前の孫じゃないっ。ほら、そっちは削除しろって!」
「あはは」
俺は真剣なのに、有馬は笑って俺の猛攻をひらりとかわす。
「有馬、てめぇ、おい待てよ!」
そこからは有馬とじゃれ合い。
楽しい。俺、こういうノリ、実は結構好きだ。
「おわっ!」
追いかけている途中で有馬が急に止まるから、俺は有馬の背中に激突した。
「よっ、有馬!」
聞き覚えのある軽快な声。有馬の背後から前をのぞくと、佐久間がいる。そして当然のように可愛い女子付き。あの子は佐久間の彼女か、彼女候補なのかな。
佐久間は俺の存在に気がついて、なんか言いたげな顔をする。
そういえば、俺の気持ちは佐久間にバレてるんだ。
有馬は、あれから佐久間と話をしたのかな。そのあたりの事情を俺はよく知らない。
「なんか楽しそうだな。どう? あれは? 七沢に渡せたの?」
佐久間は気軽に有馬に声をかけているけど、有馬は「おいっ」と佐久間に厳しい顔をする。
「あっ……ごめん、ごめん、有馬だもんな」
佐久間は急に言葉を濁した。
なに? 有馬だもんなって? 俺に何かくれんの? 有馬が?
「だったら、七沢、俺からプレゼントっ」
佐久間は俺の手のひらに個包装になっている一口サイズのミルクチョコレートをのせた。
「バレー部でもらった。一個しかないから有馬と分けて」
「あ、ありがとう……」
なんか急にお菓子をもらってしまった。普通に嬉しいけど。
「そうだ。有馬、俺、今日のテニス部の打ち上げに行けなくなったから。あとでグループにもメッセ送る」
「わかった」
それからふたりはひと言だけ話をして別れた。
再び有馬とふたりきりになったあと、俺は「なぁ、さっきの」と有馬を早速問い詰める。
「佐久間が言ってたことってなに?」
「えっ?」
俺はなんの気なしに聞いているのに、有馬は過度にビクッと反応した。
「な、何でもない……」
口では何でもないって言ってるけど、有馬は顔だけじゃなく耳まで真っ赤だ。
それとなく手で顔を隠すようにしているけど、めっちゃ照れてる。
その顔、絶対に何でもなくないだろ。
やばい。
あの有馬が、こんな顔するんだ。
照れすぎだよ有馬。有馬を見てて、俺まで恥ずかしくなってきた。
あー、もう!
そんな顔されたら、これ以上、話を踏み込めないよ。
有馬、俺に何しようとしてるんだよ!
そのまま有馬に抱き寄せられたまま、写真を撮られ、俺たちの順番は終わり。
「有馬っ」
有馬とふたり廊下を歩きながら、俺は有馬に詰め寄る。有馬はニヤけながらさっき撮ってもらったスマホの写真を眺めている。
有馬の写りは完璧だ。でも、俺は有馬に肩を抱かれたせいで照れ顔になってる。
「最高の一枚になった」
嬉しそうな有馬を「どこが!」と俺は睨みつける。
「後ろは七沢の七と同じ、七色の虹、完璧だ」
「俺が七沢だから虹がよかったの?」
「そうだよ」
なに当然、みたいな顔してんだよ。そういうの恥ずいから!
有馬はスマホを操作して俺の顔をアップにする。いやダメだってこれ、完全に恋してる顔だよ俺。
「七沢、可愛い」
「可愛くない! 俺は断じて可愛い生き物じゃない!」
俺が有馬のスマホの画面を閉じようとしても、有馬がスマホを持つ手を上げて阻止する。
「可愛いよ。目の中に入れても痛くないくらいに可愛い」
「俺はお前の孫じゃないっ。ほら、そっちは削除しろって!」
「あはは」
俺は真剣なのに、有馬は笑って俺の猛攻をひらりとかわす。
「有馬、てめぇ、おい待てよ!」
そこからは有馬とじゃれ合い。
楽しい。俺、こういうノリ、実は結構好きだ。
「おわっ!」
追いかけている途中で有馬が急に止まるから、俺は有馬の背中に激突した。
「よっ、有馬!」
聞き覚えのある軽快な声。有馬の背後から前をのぞくと、佐久間がいる。そして当然のように可愛い女子付き。あの子は佐久間の彼女か、彼女候補なのかな。
佐久間は俺の存在に気がついて、なんか言いたげな顔をする。
そういえば、俺の気持ちは佐久間にバレてるんだ。
有馬は、あれから佐久間と話をしたのかな。そのあたりの事情を俺はよく知らない。
「なんか楽しそうだな。どう? あれは? 七沢に渡せたの?」
佐久間は気軽に有馬に声をかけているけど、有馬は「おいっ」と佐久間に厳しい顔をする。
「あっ……ごめん、ごめん、有馬だもんな」
佐久間は急に言葉を濁した。
なに? 有馬だもんなって? 俺に何かくれんの? 有馬が?
「だったら、七沢、俺からプレゼントっ」
佐久間は俺の手のひらに個包装になっている一口サイズのミルクチョコレートをのせた。
「バレー部でもらった。一個しかないから有馬と分けて」
「あ、ありがとう……」
なんか急にお菓子をもらってしまった。普通に嬉しいけど。
「そうだ。有馬、俺、今日のテニス部の打ち上げに行けなくなったから。あとでグループにもメッセ送る」
「わかった」
それからふたりはひと言だけ話をして別れた。
再び有馬とふたりきりになったあと、俺は「なぁ、さっきの」と有馬を早速問い詰める。
「佐久間が言ってたことってなに?」
「えっ?」
俺はなんの気なしに聞いているのに、有馬は過度にビクッと反応した。
「な、何でもない……」
口では何でもないって言ってるけど、有馬は顔だけじゃなく耳まで真っ赤だ。
それとなく手で顔を隠すようにしているけど、めっちゃ照れてる。
その顔、絶対に何でもなくないだろ。
やばい。
あの有馬が、こんな顔するんだ。
照れすぎだよ有馬。有馬を見てて、俺まで恥ずかしくなってきた。
あー、もう!
そんな顔されたら、これ以上、話を踏み込めないよ。
有馬、俺に何しようとしてるんだよ!
678
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
彼氏の優先順位[本編完結]
セイ
BL
一目惚れした彼に告白されて晴れて恋人になったというのに彼と彼の幼馴染との距離が気になりすぎる!恋人の僕より一緒にいるんじゃない?は…!!もしかして恋人になったのは夢だった?と悩みまくる受けのお話。
メインの青衣×青空の話、幼馴染の茜の話、友人倉橋の数話ずつの短編構成です。それぞれの恋愛をお楽しみください。
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
美澄の顔には抗えない。
米奏よぞら
BL
スパダリ美形攻め×流され面食い受け
高校時代に一目惚れした相手と勢いで付き合ったはいいものの、徐々に相手の熱が冷めていっていることに限界を感じた主人公のお話です。
※なろう、カクヨムでも掲載中です。
付き合って一年マンネリ化してたから振られたと思っていたがどうやら違うようなので猛烈に引き止めた話
雨宮里玖
BL
恋人の神尾が突然連絡を経って二週間。神尾のことが諦められない樋口は神尾との思い出のカフェに行く。そこで神尾と一緒にいた山本から「神尾はお前と別れたって言ってたぞ」と言われ——。
樋口(27)サラリーマン。
神尾裕二(27)サラリーマン。
佐上果穂(26)社長令嬢。会社幹部。
山本(27)樋口と神尾の大学時代の同級生。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる