その告白は勘違いです

雨宮里玖

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7 一緒にいたいから

7-6

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 びっくりしたけど、写真を撮ってもらっている手前、俺はなんも言えねぇ。
 そのまま有馬に抱き寄せられたまま、写真を撮られ、俺たちの順番は終わり。

「有馬っ」

 有馬とふたり廊下を歩きながら、俺は有馬に詰め寄る。有馬はニヤけながらさっき撮ってもらったスマホの写真を眺めている。
 有馬の写りは完璧だ。でも、俺は有馬に肩を抱かれたせいで照れ顔になってる。

「最高の一枚になった」

 嬉しそうな有馬を「どこが!」と俺は睨みつける。

「後ろは七沢の七と同じ、七色の虹、完璧だ」
「俺が七沢だから虹がよかったの?」
「そうだよ」

 なに当然、みたいな顔してんだよ。そういうの恥ずいから!
 有馬はスマホを操作して俺の顔をアップにする。いやダメだってこれ、完全に恋してる顔だよ俺。

「七沢、可愛い」
「可愛くない! 俺は断じて可愛い生き物じゃない!」

 俺が有馬のスマホの画面を閉じようとしても、有馬がスマホを持つ手を上げて阻止する。

「可愛いよ。目の中に入れても痛くないくらいに可愛い」
「俺はお前の孫じゃないっ。ほら、そっちは削除しろって!」
「あはは」

 俺は真剣なのに、有馬は笑って俺の猛攻をひらりとかわす。

「有馬、てめぇ、おい待てよ!」

 そこからは有馬とじゃれ合い。
 楽しい。俺、こういうノリ、実は結構好きだ。


「おわっ!」

 追いかけている途中で有馬が急に止まるから、俺は有馬の背中に激突した。

「よっ、有馬!」

 聞き覚えのある軽快な声。有馬の背後から前をのぞくと、佐久間がいる。そして当然のように可愛い女子付き。あの子は佐久間の彼女か、彼女候補なのかな。

 佐久間は俺の存在に気がついて、なんか言いたげな顔をする。

 そういえば、俺の気持ちは佐久間にバレてるんだ。
 有馬は、あれから佐久間と話をしたのかな。そのあたりの事情を俺はよく知らない。

「なんか楽しそうだな。どう? あれは? 七沢に渡せたの?」

 佐久間は気軽に有馬に声をかけているけど、有馬は「おいっ」と佐久間に厳しい顔をする。

「あっ……ごめん、ごめん、有馬だもんな」

 佐久間は急に言葉を濁した。
 なに? 有馬だもんなって? 俺に何かくれんの? 有馬が?

「だったら、七沢、俺からプレゼントっ」

 佐久間は俺の手のひらに個包装になっている一口サイズのミルクチョコレートをのせた。

「バレー部でもらった。一個しかないから有馬と分けて」
「あ、ありがとう……」

 なんか急にお菓子をもらってしまった。普通に嬉しいけど。

「そうだ。有馬、俺、今日のテニス部の打ち上げに行けなくなったから。あとでグループにもメッセ送る」
「わかった」

 それからふたりはひと言だけ話をして別れた。


 再び有馬とふたりきりになったあと、俺は「なぁ、さっきの」と有馬を早速問い詰める。

「佐久間が言ってたことってなに?」
「えっ?」

 俺はなんの気なしに聞いているのに、有馬は過度にビクッと反応した。

「な、何でもない……」

 口では何でもないって言ってるけど、有馬は顔だけじゃなく耳まで真っ赤だ。
 それとなく手で顔を隠すようにしているけど、めっちゃ照れてる。

 その顔、絶対に何でもなくないだろ。
 やばい。
 あの有馬が、こんな顔するんだ。
 照れすぎだよ有馬。有馬を見てて、俺まで恥ずかしくなってきた。

 あー、もう!
 そんな顔されたら、これ以上、話を踏み込めないよ。
 有馬、俺に何しようとしてるんだよ!
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