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6章 再びダンジョンへ

第24話 もう一度

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 ダンジョンまでは一度行った事のあるちいが先導せんどうした。皆は何も話さなかった。緊張していた。ダンジョンに着いた時、皆の緊張は頂点に達した。ちいが全滅しかけた事を話したのも、影響していた。コングが先頭に立ち、ゆっくりダンジョンに入っていった。コウモリがたくさんいた。コングはマスターブレードを握りしめ、慎重しんちょうに入った。後ろにはピグモ族のフルームとバーバラがあたりを見て、コングに告げた。暗闇でも良く見えるようだった。後ろの皆はたいまつを持ち、後に続いた。バーバラが突然叫んだ。
「口の大きい魔物がいるよ。こっちに来る!」
コングは皆のたいまつの明かりで一生懸命に注意して見た。
ジルは早かった。魔法を唱え、大きな火の矢を放った。口の大きい魔物の姿があらわになった。ガマガエルのような姿だ。体が硬く、ジルの矢は効果がなかった。コングが剣を振り落とした。剣は光を放った。ドスンと鈍い音がした。魔物は口を大きく開けた。紫色の舌が伸びてこっちに向かった。
「食べる気だ!コング!舌を切って!」魔女が叫んだ。
コングが舌を切ろうと、剣を振るが、なかなか暗くて切れなかった。フルームとバーバラはそこらへんの石を食べ始めた。
「ムフー。まずい石」フルームが言った。
「ばか!早く矢を飛ばすんだよ」バーバラが強く言った。
コングの剣が魔物を切りつけた。しかし、魔物の体は硬かった。ダメージを与えられない。魔物は舌をベローンと伸ばし、フルームの体に巻きつけ、そのまま飲み込んだ。
「フルーム!」バーバラが叫んだ。
フルームは食べられてしまった。バーバラは石の矢を口から飛ばした。ガツンガツンとあたり、魔物は怯んでいる。魔女は火の魔法を放った。魔物にあたり、体が燃えている。
「フルームを返せ!」バーバラは石の矢を飛ばそうとした。その時、魔物の体の中から、石の矢が放たれ、魔物は苦しそうにした。魔物が弱っていると、口の中からフルームが出てきた。魔物の体の中で石を放ったようだ。
「こいつの体の中、くさ~い」フルームが嫌そうに言った。
「無事だったのね!」バーバラが嬉しそうに言った。
「みんな離れて。トドメをさすよ」魔女が魔法を唱えた。
「グガン!」大きな火の玉が放たれた。魔物にあたり、大爆発した。皆は爆風に耐えた。あたりは煙で何も見えなくなった。しばらくして、徐々に煙が落ち着いて、たいまつの明かりであたりが見えるようになった。魔物はひっくり返っていた。コングが確認すると魔物は息絶えていた。
「みんな大丈夫?」魔女が言った。
 ちいとキューはたいまつをかざし、無事である事を示した。
「やれやれ。強敵だったな」コングが言った。
皆は体制を整え、また歩き出した。ピチョンピチョンと水滴が落ちている。魔物のうめき声が時々聞こえる。不気味だった。コウモリのような黄色い羽の生えた生き物が襲ってきた。コングが4匹ほど、剣でぶった切った。しばらく歩くと、下に降りる階段があった。
「地下の階段だ」ジルが言った。
 「よし。降りるぞ」コングは降り始めた。皆も下の階へ降りた。たいまつの明かりで人が倒れているのが見えた。
「人が!」ちいがびっくりしていた。倒れている人は剣をもって息絶えていた。コングがポケットを探って、倒れている人の持ち物を確認した。
「剣で切られているな」コングが傷口を見て言った。
「不気味ね。行きましょう」魔女が言った。
皆がしばらく歩くと、後ろからうめき声がした。
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