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9章 最後の戦い

第39話 決着

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 ちいは目を開けた。自分の部屋だった。
プロペラ飛行機の音がしていた。
ちいは恐ろしい状況でフラフラしていた。そのまま階段を降り、ボーとして外に出ようとした。放心状態だった。
「ちい?どうしたの?」ママの声。
ちいはフラフラ~と裸足で外に出た。
家の前には大きなトラックが通っていた。
「あ、あぶない!」外にいた人が叫んだ。
キ、キ~ トラックが急ブレーキをした。
間に合わず、ちいは5メートル近く、ぶつかった衝撃で飛ばされた。
「ちい!」ママとパパが叫んで駆け寄った。


 ちいが気づくと、またミンクーの世界にいた。とても頭痛がする。
キューががれきの下から出てきた。
「ちい!無事だったんだね!あれ、なんだか姿が・・」
「キュー。え?姿が何?」
「みんな、無事かい?」魔女が言った。
コング、ジル、サリー、ポルサ、フルーム、バーバラ、皆は負傷していたが、無事だった。
辺りは爆撃で焼け野原になっていた。
ガガン
その時、バロンががれきの下から出てきた。
「くそ!やりやがったな」
バロンは左手がとれ、ボロボロだった。
「皆は離れていろ!一騎打ちだ!」
コングはマスターブレードを握りしめ、バロンに突進した。
魔女はコングの力を強化するよう、ギリルの呪文を使った。コングの体が赤く光った。
ジルは最後の矢を、魔法を唱え、放った。
バロンの目にヒットした。
「うおー!」バロンの右目に矢が刺さった。
コングは剣を振りかざした。
バロンは右手一本で背中に納めていた剣を振りかざした。
コングは切りつけた。激しい戦闘。
カキーン カキーンと剣と剣がぶつかり合い、皆は負傷して、ボロボロだったので祈りながら戦いを見守った。
バロンは剣からイナズマを出した。
とっさによけるコング。
ジルも矢がなくなり、西の魔女も魔力は底をつきた。バーバラ、フルームも負傷し、サリーもやられていた。キューは元気だった。
「僕も・・戦いたい!」キューは葛藤した。魔物のボスは怖い。でも母さんの顔を醜くし、町の人を病気にした。王国をめちゃくちゃにした魔物が憎かった。
「くそ!僕だって!僕だって!」
バロンは力がコングより勝っていて、しだいにコングは追い詰められていた。
カキーン カキーン キンキン
ついにコングは切りつけられた。腹を切られ、腕も切られた。
「く、くそ!」コングも応戦したが、不利だった。
「は、は、は、とどめだ!」
「やめろ!」キューは突進した。
風の魔法を最大でバロンにぶつけた。
ヒュルルーン
バロンの剣は飛んで行った。
「しめた!でかした。キュー!」
コングは体制を整え、バロンを切りつけた。
「ぐおー!」
バロンは紫色の血を噴きながら、逃げようとした。
「こっちがとどめをさすぞ!」コングが振りかざした。
バロンは右手から光線を放った。コングの体を貫通した。
「ぐ、ぐふ」コングがバタッと倒れた。
「コ、コングー!」皆はもうだめだと泣き崩れた。
キューはコングの剣を拾い、バロンに向かった。
「うおー!」キューはありったけの力でバロンの首を剣で切った。
バロンの首が血しぶきをあげ、飛んで行った。
バロンは崩れ落ちた。
「キュー!」皆が駆け寄った。
「ぼ、僕は・・倒した・・」
「そうだ。お前が倒したんだ。キュー」コングが腹を押さえ、ねぎらった。
「ミンクーを至急、持って来て。早く!」魔女が叫んだ。
「あ、魔物たちが黒の国へ飛んで帰っていく」
他の魔物たちがぞろぞろと帰っていった。
 「大丈夫かね?あまりお役に立てなかった」
マックスウェル伯爵が言った。
「皆さん、お城へ行きましょう。お城で休みましょう」キューが言った。
「キュー・・」ちいが駆け寄った。
「ちいたん・・その・・体が透明だよ」
キューが言った。
「え?本当だ。わたし、元の世界で車にひかれて・・」
「二人とも、まずは皆を手当しなきゃ。手伝って」サリーが言った。

ピエール王国はミンクーたちが大勢回復の手助けをし、町の人は皆、元気になっていった。キューの母の顔ものろいが解け、元に戻った。町の人たちもウイルスがしだいに消息していった。

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