ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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中学生と婚約解消

焦り…遥

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 俺は、勝手知ったる鞠山家の玄関を潜り、亜耶の部屋にまっしぐらに進む。
 そして。
「あ~や~!!」
 バン!!
 部屋の戸を思いっきり押し開けた。
 此方に背を向けてる亜耶に後ろから抱きつく。
 あ~久し振りの亜耶だ。
 この抱き心地……ん? 少し痩せたか?
 それと身長も伸びたか?
 亜耶の匂い(変態じゃないぞ)、あ~落ち着く。
 癒される~。
「ちょっと、何するんですか!」
 不機嫌な声で俺の腕を振りほどき此方を向く亜耶。頬を膨らませて怒ってる顔も可愛い~。
 って、どんな顔していても愛しい。
「亜耶。遊ぼ。」
 俺は、笑顔で亜耶にそう言いながら、亜耶の膨らんだ頬を突っつく。
「亜耶くらいの年の子は、もっと遊ばないとね。」
 だってさ、久し振りなんだよ。亜耶が行きたい場所に行って彼女のコロコロと変わる表情かおを見て癒されたいんだ。
 俺、亜耶に目茶苦茶構って…甘えて欲しいんだよ。
「だから……。」
 俺は、亜耶の腕を捕って戸に向かおうとしたのだが、振りほどかれた。
 俺は、拒絶された事ビックリして亜耶を見る。
 亜耶は、目を吊り上げて俺を睨んでくる。
 そんな顔しても全然恐くなくて、逆に愛しく思えてくる(俺に対しての感情だからこそ嬉しいんだ)。
「ちょっと待ってください。私、これでも受験生なんです! 明日から期末テストなんです。遊んでる暇なんてないんですってば。」
 って、亜耶が言い出す。
 受験生?
 って、亜耶もうそんな年になったんだ。
 月日が流れるのは早いなぁ~。
 何て思いながら。
「え~。受験なんかしなくても、俺の処に来ればいいじゃん。」
 ニコニコ笑顔でそう口にする。
 態々苦労する事無いと思うんだよね。
 俺働いてるし、何時でも亜耶を養えるぐらいの蓄えはあるしね。
「だ・か・ら、何でそうなるんですか!」
 怒声の亜耶。
 えっ。
「だって、亜耶は、俺の婚約者フィアンセ……。」
 と言いかけた時、亜耶の拳が顎に入った。
 その時に舌を思いっきり噛んだ。
 痛~い。
 顎を押さえながら、亜耶の様子を見てれば、何やら何処かへ出掛ける準備をし出す。
「ん? どこか出掛けるのか?」
 顎を押さえながら問いかけると。
「そうだよ。友逹と待ち合わせしていて、これから勉強会なの。」
 って、淡々と何処と無く嬉しそうに答える亜耶。
 只の友逹となのだろうか?
「それって、男居るのか?」
 気になって聞けば。
「居るよ。」
 何でもないように答えてくる。
 だからなのか、少し大人っぽい服装だなと思ってたんだよ。これは、何かあると思う俺の感は外れない。
 仮にも婚約者が居る身で、男と会うって……。
 呆然としてる俺の横をすり抜けるようにして行く亜耶。
 俺は慌てて亜耶を追い腕を捕らえて、引っ張り部屋に戻す。
「駄目だ! そんな所には行かせられない!! 勉強なら、俺が見てやるから行くな。」
 俺は、宥めるようにそう言う。
 だって行って欲しくないんだ。
 同年代の男(ほぼ毎日会ってる男)と俺(休みの日にしか会えない俺)では、敵うわけ無いだろ。
 だが俺の願いは、叶わず。
「いい加減にしてよ! 前から約束してたのを破るわけにはいかないでしょ。」
 約束なら仕方ないと思うけど……、それでも心配なんだ。同年代の男にもっていかれそうで……。
「じゃあ、俺も一緒に行く。」
 気付けば、そう口にしてた。
「大の大人が、中学生の勉強会に出るんですか?」
 亜耶の呆れた声。
「心配だから……。」
 小さく呟いた声は、亜耶に届いたかわからないが、本音が漏れた。

 気付けば、亜耶が部屋の壁を叩いていた。
 そんな事したら、手を痛めるだろうが……。
 そんな心配をしていたら、ガチャっと戸が開く音がした。
「どうした、亜耶。そろそろ出ないと間に合わないぞ。」
 との声にギクリと肩を震わし、恐る恐る振り返る。
 そこには、雅斗が戸からヒョッコリと顔を出していた。明かに亜耶が何処に行くのかを知ってるようだ。
「出たいんだけど、遥さんが邪魔してくる。」
 亜耶が困った顔をして、雅斗に告げる。
「何やってるの、遥? 亜耶を困らせて楽しいか?」
 呆れ顔の雅斗。
「だって、亜耶が…俺以外の男と、会うって言うから……。」
 俺の本心の言葉に。
「仕方ないだろう。クラスの仲間で集まっての勉強会なんだから…邪魔するなよ。」
 溜め息を付きながら言う雅斗に、首根っこを掴まれ後ろ向きのまま連れ出される。
 そのまま雅斗の部屋に移動する。
 何で、何時もこうなるんだ?
 ただ、亜耶に癒されたいと思っただけなのに……。
「遥。亜耶を好きな気持ちはわかるが、余り固執すると余計に嫌われるぞ。」
 雅斗の忠告。
 そんなこと、わかってるさ。
 俺には、余裕なんか無いんだよ。
 年が離れてるだけじゃなく、年を重ねる毎に美人になっていく亜耶が誰かに奪われるんじゃないかって、不安なんだよ。
「遥。お前、大人なんだからさ、少しは亜耶の事考えてやれよ。」
 雅斗の言葉は、最もなんだけど聞けないんだよ。
 その時。
 バタン!!
 っと一階から聞こえてきた。
 ヤバイ!
 亜耶が出て行ったんだ。
 俺は、慌てて雅斗の部屋を出る。
 階段を駆け降り、靴を履くと玄関を出た。どっちに行った?
 辺りを見渡せば、亜耶の走り去る後ろ姿が見えた。
 俺は、その後を追うように走り出した。
「遥!!」
 その後ろから、雅斗の声が聞こえたがそのまま走った。






    
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