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中学生と婚約解消
やってしまった…遥
しおりを挟む三人と合流して、早一時間。
亜耶と話すことなく、両手には紙袋の山が……。
沢口が、亜耶の隣を独占していて、近付くことさえ出来ずに居る。
「なぁ、雅斗。これって一種の拷問だと思うぞ」
隣で同じく両手に荷物を持つ雅斗に愚痴る。
「仕方ないだろ。由華、亜耶のこと気に入ってるから、離さないだろうよ」
っと、苦笑混じり言葉を返す親友に"お前の彼女だろうが何とかしろ"と言いたくなったが、グッと堪えた。
「だがな、俺もソロソロ限界なんだが……」
何がとは和えて口にして言わない。
手が、じゃないぞ。亜耶不足解消がしたくて仕方ないんだよ。
昨日も会っただろうって、思うなかれあんなの会った うちに入らん。会話らしい会話もなくて会ったって言うなら、誰に会っても会っただろうが……。
心の中で一人葛藤しつつ、苦笑を浮かべる。
「そうか……。由華、ソロソロ時間だし、行くぞ」
雅斗が俺の苛立ちを感じたのか、そう沢口に声をかけた。
「えっ、もうそんな時間?わかった」
沢口がそう言葉を返すと、二人は示し合わせたように動き出す。
だが、一向に亜耶を放す気がない沢口に、余計に苛立ちが募る。
アイツ、態とやってるだろ!!
「遥、そう由華を睨むなよ」
雅斗がすかさず声をかけてくる。
「睨まずに要られるかよ!」
苛立たし気にそう答える自分。
そんな時。
「お義姉さん、ありがとう」
と聞き捨てならぬ言葉が、亜耶の口から出てきた。
「ちょっと待て。沢口が"姉"ってどういうことだ?」
俺は、雅斗に視線を向ける。
「来年の春に結婚するんだよ。だから、文字通りの"義姉"になるんだよ」
雅斗の説明に驚愕するしかない。
「はーー!」
本当に、コイツで良いのか?
疑い込めて。
「それ、聞いてないぞ。雅斗」
詰め寄ってみた。
よく、あの父親を説得できたもんだ。
「それに、未だ亜耶に触れてない!」
って、無情にも訴えてみた。
それも沢口を睨み付けながら。
「今日は、あたしが"義妹"とデートしたかっただけです。雅くんと高橋先輩は、荷物運びに呼んだだけです」
睨み返してきやがった。
コイツ、絶対態とだ。
俺をからかって遊んでやがる。
「遥。流石にこの荷物でレストランもないだろうから、一旦置きに行くぞ」
雅斗が声をかけてきた。
確かにこの荷物じゃなぁ。
「置きにって……」
疑問を持つ俺に。
「今日、車で来てるから、駐車場まで頼む。後、由華と亜耶はここで待ってて」
簡潔的に言い、亜耶と沢口にも言い渡す。
「はーい」
亜耶は、素直に返事を返し沢口は頷くだけだった。
「ほら、行くぞ」
雅斗に促されて歩き出す。
「雅斗。あの二人彼処に置いといて、大丈夫なのか?」
俺は、心配になった。
一人は、中学生の美少女で、もう一人はユルフワの大人女子。
ナンパされるのがわかってて置いてきてるようなものだが……。
「大丈夫だろ。由華が何とかするだろうし、由華がダメならSPも控えてる」
冷静な口調で言う雅斗だが、俺にとっては問題有りすぎだ。
「だがなぁ……」
「そんなに心配なら、早く戻れば良いだけのこと」
そう言うが早いか、何時しか足早になってる雅斗に苦笑する。
落ち着いてるようで、やはり気になってたんだろう。
人のこと言えないじゃん。
俺も、雅斗に合わせるように歩いた。
駐車場に止めてある車に荷物を詰め込むと、走り出していた。
心配だったから。
何も起きてなければ良いのだが……。
二人の所に戻れば案の定、男等に絡まれていた。
ったく、早めに戻ってきてよかった。
「亜耶ー!」
俺は、ありったけの声を出した。
牽制の意味も込めて。
奴等が怯んだ隙に沢口の前に立つ。
「俺の連れに何か用か?」
っと、自然とドスの効いた声がでた。
「いや、彼女たちが困ってそうだったから……」
と笑ってごまかそうとしてるのが見え見えだ。
「この期に及んで、言い訳とは見苦しいですね。さっさと認めてしまいなさい。彼女たちをナンパしてたんだと。さもないと……」
怒りに任せ、両指をパキパキと鳴らし、威嚇する。
「遥、そこまでにしておきなよ。お前、武道全般師範代の域だろ?手を出すな」
雅斗の言葉に冷静さを取り戻す。
そのやり取りの間に男どもが逃げ出した。
チッ、せっかくの獲物が……。
何て思いながら、振り返り。
「亜耶、大丈夫か?」
ガバリと亜耶を抱き締めた。
うん、コレコレ。
この抱き心地、これに勝るものはない(決して太ってるわけじゃないぞ寧ろ痩せすぎ。俺にとっての癒しだからな)。
「うん、私は平気だよ。由華さんが立ち塞がってくれてたから、何もされなかったし……」
反抗もせずされるままで答える亜耶。
俺は、ギュウギュウと抱き締める。
沢口も、たまには役に立つものだな。
何て、感謝してると。
「遥さん、ソロソロ放してもらえませんか? 苦しいです」
腕の中から、か細い声が聞こえてくる。
ん? と下を見れば、苦しそうな顔をして此方を見てくる亜耶。
あっ、強く抱き閉めすぎた。
俺は、名残惜しいがゆっくりと手を離す。
亜耶が、改まって俺を見てくる。
えっ、俺何かしただろうか?
不安に思ってると。
「遥さん。昨日はありがとうございました。それから、このプレゼント嬉しかったです」
照れ臭そうな顔をして言う亜耶。
改めて、お礼を言われるとこっちも嬉しいな。
「亜耶に似合うだろうなって買ったヤツだからな。付けてもらえて、嬉しいよ」
いや~、想像してた以上に似合ってるから、俺自身も照れ臭い。
「遥、亜耶。行くぞ」
って、雅斗の声に。
「あぁ」
と返事を返す。
もっと、亜耶と話していたいのだが……。
どこの店を予約したのか知らない俺は、遅れていくこともできないので、二人の後を追う。沢口は、さっきの余韻なのか雅斗に支えられて歩いている。
俺の後ろにちょこまかと歩く、亜耶が居る。はぐれたら大変だからと一度立ち止まリ、振り返って亜耶に手を差しのべる。
「どうしたんですか?」
不思議そうな顔をして言う亜耶。
理由、何か良い理由は?
「手を繋ごうか?人通りも多いし、まようといけないから……」
ちゃんとした理由になってただろうか……。
不安になりながらも、亜耶を見つめていると、俺の手に自分の手を重ねてきた。
そんな動きを見て嬉しくなって、自然と笑みが溢れた。
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