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中学生と婚約解消
戸惑い…亜耶
しおりを挟む「おはようございまーす」
私は、スッキリした頭でリビングに居るであろう両親に挨拶したつもりだったが……。
「おはよ」
って、返ってきたのは両親の声でもなくお兄ちゃんの声でもなく、聞きなれた遥さんの声。
えっ?
な、何で居るの?
頭の中で?マークが点在する。
「昨日、添い寝してやっただろう」
って、真顔で言われてしまい、余計に混乱する私。
「おはよう。どうしたの? そんな所で突っ立ってないで、座ったらどう?」
背後からお母さんの声がし、振り返るって。
「な、何で朝から遥さんが居るの!」
って、叫んでた。
そんな私に呆れた顔をして、お母さんに。
「何言ってるのよ。二日続けて遥さんに背負って帰ってもらったのは、どなたですか?昨日は一昨日よりも遅くなったから、泊まってもらったのよ」
咎められてしまった。
うっ……。だって、眠かったんだもん、仕方ないじゃない。
「えっ、だって、添い寝って……」
動揺しすぎて、言葉が上手く出てこない。
「そんな事、遥さんはしてないわよ。あなたをベッドに寝かせるとお風呂に入って、何時もの部屋で寝てたからね」
ってお母さんが言う。
えっ、もしかして、騙された。
「も~、遥さ~ん!!」
私は、ソファーに座ってる遥さんのところに行き、背中をバシバシと叩き出した。
遥さんは、「痛い」って言いながらもクスクスと笑っていて、余計に怒れてくる。
「あはは……、ごめん……」
って、謝ってくれるけど許せなくって、叩き続けていたら。
「亜耶、その辺にしておきなさい。で、お礼は言ったの?」
お母さんの言葉に、まだお礼を言ってないことに気付き。
「遥さん。有難うございます」
って、頭を下げると。
「ん?気にする事無い。亜耶は、俺のフィアンセだからな。これぐらい造作もない」
そう言って、ニコニコしながら私の頭をポンポンと叩く。
その言葉に、一瞬固まった。
フィアンセ……。
そっか、遥さんは義務で私を……。
それはそれで、何か虚しい。
って、私一体どうしちゃったの?
今までそんなこと感じたこと無かったのに……。
「亜耶。何固まってるの?朝御飯食べるでしょ?」
お母さんの言葉に。
「えっ、あ、うん。食べる」
慌てて返事をした。
「遥さんも、亜耶と一緒に食べてくださいね」
ご機嫌で遥さんに声を掛けるお母さん。
「お言葉に甘えさせていただきます」
そう言って、ソファーから立ち上がった遥さんが、私の背を押してダイニングに誘ってくれる。
何時もと違う対応に、どうして良いか分からずに戸惑ってしまう。
遥さんが、こちらを見てくるから笑みを浮かべてみたのだけれど、上手くいかずぎこちない笑みを返していた。
この時から、遥さんに対してどう接すれば良いか分からなくなってしまったのだ。
ダイニングテーブルに行き何時もの定位置に座ると真向かいに遥さんが据わった。
お母さんが手際よく朝御飯を並べていく。
並び終えると。
「いただきます」
手を合わせて口にした。
何処と無く緊張してる私。
こんなに緊張するなんて……、何処か可笑しいのかな?
美味しい筈のご飯の味が、全然しない……。
「……や、亜耶」
呼ばれた気がして、顔を上げれば心配そうに顔を近付けて覗き込んでいる遥さん顔があり。
「わっ!」
思わず仰け反ってしまった。
「亜耶。さっきから呼んでるのに、中々返事しないから、心配した」
えっ……、あ。
「亜耶。昨日さ、勉強で解らないところがあるって言ってただろ?午前中なら勉強見てやれるから、ご飯食べたらやろうか」
突然の申し出に唖然としながらも、遥さんの言葉に頷く私が居た。
って、何時もならヘラヘラして抱きつく遥さんが、違う対応をして来るから、余計に困惑してるだけかも……。
気付けば、遥さんの顔をじっと見つめていた。
「亜耶?俺の顔に何かついてるのか?」
私は、慌てて首を横に振る。
「見られてると、食べにくいんだが……」
って、苦笑交じりで言ってくるから、慌てて視線逸らして。
「ごめんなさい」
と謝ってからご飯を食べ始めた。
朝食を食べ終えると、私の部屋に移動する。
「……で、何処がわからないんだ?」
早速聞いてきたので。
「この問題」
そう言って数学の教科書を広げ問題を指で指しながら、遥さんに聞く。
「懐かしいなぁ……。この問題は、前ページに載っている公式を利用して解けば良いんだ」
遥さんに言われて、前ページの公式をノートにメモして、それに当て嵌めるようにし、解いていく。
すると、難しいって思ってたのがあっけなく溶けた。
「やっと、解けた。ありがとう」
お礼を言うと。
「よかったな。後はよかったのか?」
遥さんが嬉しそうに言ってくるから、その顔に見とれてしまい。
「亜耶?」
不思議そうな顔をして私を見てくる遥さんに。
「後、後これも……」
解るのに敢えて聞いてたりして……。
それでも、丁寧に教えてくれる遥さんに何とも言えなくなる。
「亜耶。高校、何処に行くんだ?」
唐突に聞いてくる遥さん。
「ん?一様、推薦は貰えてて、公立の清陵学園を受けるつもりだよ」
問題集を解きながら答える。
「そっか。あそこは良いよ。進学するにも就職するにも最適な場所だ」
遥さんが、懐かしそうに言う。
そうだよね、遥さんもお兄ちゃんもそこの卒業生だものね。
「推薦が決まってるなら、面接の受け答えをしっかり練習しておくと良いぞ」
遥さんがアドバイスをくれる。
「例えば?」
「う~ん、そうだなぁ。受験した動機とか趣味、興味のある教科とか、入ってからやってみたいこととか……。自分なりの答えを見つけとくと良いぞ」
成る程……。
「まぁ、亜耶なら大丈夫だと思うが、な」
遥さんはそう言いながら、頭を撫でてきた。
どうしたんだろう?
やっぱり、何時もと違うよ。
ピピッ、ピピッ……。
何処からか、機械音がしてきた。
「ごめん、亜耶。タイムリミットだ」
遥さんが、残念そうに言う。
一体何のタイムリミット?
「この後、仕事なんだ。頑張れるように充電させてもらっても良いか?」
珍しい。遥さんが訪ねてくるなんて……。
「う…うん、いいよ」
私は、吃りながら返事を返す。
「ありがとう」
遥さんが、遠慮がちに後ろから抱き締めてきた。
フンワリと柔く抱き締めてくる。
何時もと違う抱き締められ方に、戸惑ってしまう。
一秒毎に、心臓が煩くなる。
どうしたんだ、私。
今まで、こんな事無かったのに……。
何処のセンサーが壊れてしまったのだろうか?
「じゃあ、受験頑張りなよ」
遥さんはそう言うと、ゆっくりと離れていった。
遥さん……。
私は、遥さんの後ろ姿を見送った。
この温もりが、無くなるなんて思わずに……。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
学園名は架空ですよ。
3
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