ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

文字の大きさ
42 / 145
中学生と婚約解消

商談の前に…遥

しおりを挟む




 ホテルを出て、沿道沿いを歩く。
 その横には、ゆかり嬢がガッチリと腕を掴んでる。後ろから姉が付いて来る。
  
 俺は、自分の腕を強引に奪おうとしながら、社長の携帯に電話を掛ける。

  truuuuutruuuuu……。

 何度かのコールオンの後に。
『やあ、遥くん。君が社用こっちに電話してくるなんて、珍しいね。仕事絡みかな?』
 って、呑気な声が返ってくる。
 朝に顔を会わせてるからなぁ。
 っていうか、ゆかり嬢こいつ本当邪魔。どっか行って欲しいぜ。
 後ろを振り向けば、姉がおろおろしてるし……。
「えぇ、ちょっと頼みたいことがありまして」
 俺は言葉を濁しながらそう言えば。
『ビジネスの頼み? うちとしては、利益が出るなら請け負うよ。それに遥くんの頼み何て滅多にないしね。』
 あぁ、もう。この人は食えないわ。
『取り敢えず、本社うちに来て。それから話し合おうじゃないか。今日は、急な予定が入らない限り、居るからさ遥くんがいい時間に来てくれればいいよ。受け付けにはそう伝えておくから』
 穏やかな口調で告げられれば、行くしかないだろう。
「有り難うございます。では、後程伺わせていただきます」
 俺は、電話を切り自分の腕を取り戻すと後ろを振り向く。
 心配そうな姉の顔。
「遥、社長さんは何て?」
「ん? これから会える用に計らってくれたよ。商談も、利益が出るものなら乗ってくれるってさ。向こうが飛び付くような、利益が出る企画ものある?」
 姉の顔を伺いながら、聞けば。
「在るにはあるんだけど、頓挫してる企画があるの。ただ、他社に話すほどまでいってないの」
 ふ~ん、そんなのあるんだ。
 だったら、それ俺がやればいいよね。
「それ、俺にやらせてくれない?」
 そう口にすれば。
「遥が?」
 姉が驚いた顔をする。
「あんた、本業はどうするのよ」
「ん? あぁ、有給が貯まってるから、纏めて使ってしまおうかと思って……」
 有給は、亜耶の行事関係以外で使ったことがないから(しかも、大体が半休)。
 消化しきれてないんだよね。
「わかった」
 姉が苦笑しながらそう言う。
「兎に角、その案件内用見せて。そこから案を練り直し社長に持ちかけるから……」
 俺がそう告げると。
「遥がそういうのなら、一旦会社に戻らないとね」
 姉のやる気に火が就いたみたいだ。
  
 その間、俺たちのやり取りを只ボー然と見てるゆかり嬢。
 このやり取りについていけないのは、ちょっと不味くないか?
 一様、社長令嬢なんだよな。
 そもそもこのお嬢さん、仕事してるのだろうか?
 疑問が湧くが、今はそれどころではない。
 会社に戻ってやることをせねば……。

 俺たちは、ゆかり嬢をその場に残し姉の車が有る駐車場に向かった。


 この場を亜耶が目撃してるとは、思っても見なかった。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました

22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。 華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。 そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!? 「……なぜ私なんですか?」 「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」 ーーそんなこと言われても困ります! 目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。 しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!? 「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」 逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

フリーランスエンジニアの優しすぎる無償の愛

春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した茉莉は、雨の夜に思わず人生の終わりを願ってしまう。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。 【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】 ☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆ ※ベリーズカフェでも掲載中 ※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

扉の先は異世界(船)でした。~拾ったイケメンと過ごす異世界航海ライフ~

楠ノ木雫
恋愛
 突然異世界の船を手に入れてしまった平凡な会社員、奈央。彼女に残されているのは自分の家とこの規格外な船のみ。  ガス水道電気完備、大きな大浴場に色々と便利な魔道具、甲板にあったよく分からない畑、そして何より優秀過ぎる船のスキル!  これなら何とかなるんじゃないか、と思っていた矢先に私の好みドンピシャなイケメンを拾い上げてしまった。目覚めたと思ったら、首を絞められる寸前となり絶体絶命!  何とも恐ろしい異世界ライフ(船)が今始まる!  ※大幅に改稿しました。(旧題:異世界でイケメンを引き上げた!〜突然現れた扉の先には異世界(船)が! 船には私一人だけ、そして海のど真ん中! 果たして生き延びられるのか!)

それは、ホントに不可抗力で。

樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。 「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」 その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。 恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。 まさにいま、開始のゴングが鳴った。 まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。

処理中です...