ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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中学生と婚約解消

婚約解消…遥

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 俺は、あれから自分の会社を休み(有給が溜まってたのを使った)実家の事業に携わっていた。


「いらっしゃい、遥。」
 鞠山財閥に伺い、出迎えたのが雅斗だった。
「あれ? 今日は、雅斗が相手なのか?」
 不思議に思って口に出せば。
「あぁ、社長は急な予定が入ってな、俺がピンチヒッターだ。」
 おどけたように言う雅斗。
 社長に急な予定が入ったのに連絡がなかったのは、雅斗が代役できるからか……。納得してると。
「後、これ。出てくれるだろ?」
 雅斗が、うちポケットから封筒を取り出してそう言ってきた。
 見れば、結婚式の招待状だった。
 思わず封筒と雅斗を交互に見る。
「っえ~。許可が降りたのか?」
 思わず声を上げて言ってしまい、慌てて口許を押さえた。
「あぁ、クリスマス前にな。」
 嬉しそうな顔しやがって……。
「って言うか、普通こういうモノって、郵送じゃないか? なぜに手渡し?」
 俺が怪訝そうに言えば。
「イヤ、遥とは会社で会うんだしわざわざ郵送するの面倒だったから?」
 何で疑問で返ってくるんだよ。
「それでだな、遥にスピーチを頼みたいんだが……」
 うおっと……。
 なんか、聞きなれない言葉を聞こえてきたが……。
「スピーチ……俺がか?」
 確認の為に聞き返せば。
「そうだ。頼めるか?」
 困り顔の雅斗。
「本当に俺でいいのかよ?」
「あぁ、由華がどうしても遥がいいって聞かないんだよ」
 ハァ~、何で新郎の友人スピーチを沢口が決めてるんだよ。
 何だか、納得いかねぇ。
「まぁ、元々俺も遥に頼もうと思ってたし、会社の顔を潰さなくて澄むし、な。一番の適任者だろ?」
 勝ち誇ったような顔をして言う雅斗に。
「わかったよ。やればいいんだろ」
 渋々了承した。
「あぁ、後、亜耶、高校合格した。」
 事後報告のように伝えてくる雅斗。
 まぁ、亜耶なら余裕だろうな。
 お祝い、何にしようかなぁ~~。
 何て、呑気に考えていたら。
「亜耶からの伝言。"合格祝いは要らない、もう私に付きまとわないで!!"だって。」
 えっ……。
 何、突然の拒絶の言葉に愕然とする。
 本当に、亜耶がそう言ってたのか?
 雅斗の言葉が、信じられなくて呆然とするも。
「お前、何やったんだよ? 亜耶、お前に靡きかけてた矢先だったんだぞ」
 雅斗の声が遠くなる。
 今、雅斗何て言った?
 靡きかけてた……。
 嘘だろ。
「亜耶、今じゃ完全に拒否反応を見せてるんだぞ。亜耶の前でお前の名前を出せば、"遥さんの事なんて、聞きたくない!!"って怒鳴って直ぐに立ち去るんだよ」
 そんな事言われても、俺自信も身に覚えがない。
「それから、お前と亜耶の婚約の解消が決まったから」
 えっ……。
 雅斗を見れば、憐れみの顔をして俺を見ていた。
 何で……。
「ちょっ、雅斗。それって……」
 俺は慌てて雅斗に取り繕う様に聞けば。
「お爺様が、"認めん!!"と言い出した」
 何でだよ。
 俺は、亜耶しか求めてないのに……、何故こんなことに……。
「遥。親友のよしみで言うが、この間の見合い相手ちゃんと断れたのか?」
 雅斗の言葉に不安が募った。
 あのお嬢様、何かやらかしたのか?
「見合いの相手が、うちの社にアポ無しで突撃してきてな、親父に"高橋遥さんのお相手は、中学生のお宅のお嬢さんじゃ勤まりません。私みたいな清楚さを持ったものでなければならないのですわ。ですから、今すぐ婚約解消しなさい"って、頭ごなしに言ってきたんだよ。それを偶々そこを通ったお爺様が聞いてしまって、亜耶を侮辱したお嬢さんと亜耶が居るにも関わらずお見合いをした遥に怒りを爆発させて、亜耶と遥の婚約を解消する通達が親父と俺に来たんだよ」
 雅斗の話を聞いて、俺は怒りを露にした。
 何やってくれてるんだ、あのお嬢!!
 俺が望んで婚約してたのを見事に崩してくれたな。
 どうしてやろうか……。
 それよりも、御大の信頼を回復しないと亜耶と結婚できないじゃないか!!
 どうしたらいい?
 俺が、頭を抱え込むと。
「……まぁ、取り敢えず私情は以上で、仕事の話をしようか遥。」
 雅斗が、部屋の戸を開け中に促した。

 それにしても、何故亜耶が突然に拒否し出したんだ?

 俺は、その事が気になった。






  

  

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