74 / 145
高校生編と再婚約の条件
水族館デート①…悠磨
しおりを挟むさて。
久し振りのデート。
何着るか……。
白のTシャツの上に空色のパーカー、黒のダメージジーンズにスニーカー。
うん。
こんな感じで良いか……。
服装が決まり、只今洗面所を独占中。
今日は、兄貴も妹も朝から出掛けてるから、何も言われることもなく準備できる。
う~ん。
何時も前髪を下ろしてるから、たまには上げるか……。
兄貴が使用してるワックスをほんの少しだけ拝借して、髪を整える。
よし、これで良いか。
オレは、自分で納得して腕時計を見る。
丁度良い時間だな。
一度、部屋に戻って、財布と携帯を手にして家を出た。
亜耶の家の前に着くとインターフォンを押すか、携帯に電話するか迷った。
……が、インターフォンを押した。
ピンポーン……。
家中に響く音。
……カチャ。
『はい。どちら様でしょう?』
亜耶の母親の声。
「渡辺です。亜耶さん居ますか?」
ちょっと緊張気味な声のオレに対して。
『あっ、悠磨君。ちょっと待っててね。』
優しい声で言う亜耶の母親。
暫くすると玄関が開いた。
「おっはよう、悠磨くん。」
亜耶が、飛びきりの笑顔でオレの前に現れる。
「おはよう。じゃあ、行こうか。」
オレも笑顔で亜耶に言う。
「うん。行ってきます。」
亜耶が、振り返り家のなかに向かって言った。
駅に向かうなか、何時もと同じように手を繋ぐ。
っても、指は絡めてないけど……。
連休だから、混んでるのが当たり前だ。
だから、はぐれないように手を繋いでいた。
中学の時と違う、亜耶。
少し、大人っぽい彼女。
急に雰囲気が変わった彼女にオレは、ドキドキと戸惑いが入り混じる。
服装のせいなのか?
「悠磨くん。どうかした?」
亜耶が、心配そうにオレの顔を覗き込んでくる。
「……ん。どうもしないよ。」
何て答えながら、他の男共の視線を集めてる亜耶に嫉妬してるなんて言えるわけない。
ハァ……。
なんだろうなぁ……。
隣に居るのに遠く感じるのは……。
「悠磨くん。ボーとして、どうしたの? らしくないよ」
亜耶は、不思議そうな顔をしてオレを見ている。
オレらしくないとは一体どういう事だ?
等疑問に思いながら。
「そうか……」
そんなに急いで大人にならないで……。
オレは、そう思うことでしか彼女に伝えられなかった。
水族館のある最寄り駅で下車。
駅から水族館まで十分程歩き。
周りは、家族連れやカップルでごった返していた。
チケットブースでは、列ができていた。
もう少し、大人だったら車でこれるのに……。
何て嘆いても、仕方ない。
今は、亜耶と一緒に居られるだけで充分。
この関係が、長く続くとは、思っていない。
いつ、壊れるか、ヒヤヒヤしてるんだ。
「悠磨くん。イルカショーやるって。見たいんだけど、良い?」
亜耶が、案内板を見つけて訪ねてくる。
その上目使いは、ヤバイからやめて……。
と思うものの。
「良いよ。亜耶が見たいと言うなら。時間まで他の水槽を見て回ろう。」
オレは、亜耶の手を引いてゆっくりと歩き出した。
悠々と泳ぐジンベイザメや磯巾着に隠れるようにして姿を見せるクマノミ。水蛸やクラゲ、ありとあらゆる水に関する生物を見て回る。
「ねぇ。悠磨くん。鯨の骨の標本だって。」
興味津々で亜耶がオレの顔を伺う。
見たいのだろうか?
オレの手を引っ張る亜耶。
いつもと違う亜耶の姿が見えるのは、とっても新鮮だった。
「見ていくか?」
オレが、声を掛けると嬉しそうに頷く亜耶。
ゆっくりと見てると亜耶が。
「凄いね。」
って、小声で呟くように言う亜耶。
「確かに……。」
オレも気付けば、そう呟いていた。
鯨の骨と一緒にイルカの骨も展示されてて、比較できるようになってた。
大きさもだけど、作りの違いが良くわかるようになっていた。
「亜耶。そろそろ時間。」
食いいるように見てる亜耶にそう声を掛けた。
「えっ……あっ、本当だ。」
我に返った亜耶の慌てようにちょっとビックリしながら。
「うん。じゃあ、行こうか。」
そう言って、亜耶の手を引いて展示室を出た。
0
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
フリーランスエンジニアの優しすぎる無償の愛
春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した茉莉は、雨の夜に思わず人生の終わりを願ってしまう。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。
【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい
扉の先は異世界(船)でした。~拾ったイケメンと過ごす異世界航海ライフ~
楠ノ木雫
恋愛
突然異世界の船を手に入れてしまった平凡な会社員、奈央。彼女に残されているのは自分の家とこの規格外な船のみ。
ガス水道電気完備、大きな大浴場に色々と便利な魔道具、甲板にあったよく分からない畑、そして何より優秀過ぎる船のスキル!
これなら何とかなるんじゃないか、と思っていた矢先に私の好みドンピシャなイケメンを拾い上げてしまった。目覚めたと思ったら、首を絞められる寸前となり絶体絶命!
何とも恐ろしい異世界ライフ(船)が今始まる!
※大幅に改稿しました。(旧題:異世界でイケメンを引き上げた!〜突然現れた扉の先には異世界(船)が! 船には私一人だけ、そして海のど真ん中! 果たして生き延びられるのか!)
それは、ホントに不可抗力で。
樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。
「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」
その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。
恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。
まさにいま、開始のゴングが鳴った。
まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる