ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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高校生編と再婚約の条件

雰囲気作り…悠磨

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  今日は、中学の友人達と会う日。

  この間のデートのように亜耶の家に迎えに行く。


「亜耶。今日は、早く帰ってくるのよ。お兄ちゃん達とご飯食べる約束してるからね。」
  亜耶の母親の声が聞こえてきた。
  亜耶、ゆっくりできないんだ。
  ちょっと……イヤ、かなり残念だ。

「はーい。」
  素直に返事をする亜耶に嫌気がさす。
  これ、オレの我が儘だろうか?
  少しでも長く一緒にいたいと思うオレの想いに気付いて欲しいって思うのはいけないことなのだろうか?
「もし、遅くなるなら、お兄ちゃんに電話してね。」
  追い討ちをかけるように聞こえてくる声にどうしたら良いのかわからなくなる。
「わかった。行ってきます。」
  亜耶が、そう返事をしてるのを聞きながら密かにブラコン(?)って、思ってしまった。



  待ち合わせは、何時もの駅前広場。
  周りを見渡したが、まだ四人の姿はなかった。


「なぁ、亜耶のクラス。球技大会のメンバー決まった?」
  待ってる間オレは、何気に聞いてみた。
「うん。うちのクラス、その日のうちに決まったよ。龍哉……もう一人の委員の子が、放課後少しだけ残ってもらって、物の十分程度で決めた。」
  にこやかな顔で答える亜耶。
  十分で……。
「そいつ凄いな。」
  そう呟くように言う。
  十分の話し合いで、どうやって決めれるんだ?
  コツを教えてもらいたい。
「うん。クラスの中心的な存在だからね、彼は……。」
  笑顔でそいつの事を話す亜耶にオレは嫉妬した。
  こんな笑顔、他の奴に見せてるのかと思うと、悔しい。
「亜耶は、そいつの事好きなのか?」
  オレは、つい声に出してしまった。
「何言ってるの? 彼には、同じクラスに彼女居るよ。その彼女も、物凄く優しい娘だし、毎日イチャ付いてるんだから……。目のやり場に困るぐらいなんだから、ね。」
  亜耶が、苦笑混じりに言う。
  何だ、彼女居るんだ。
  心配してそんした。
  そして物凄く、ホッとしてる自分が居る。
「もしかして、妬いてる?」
  亜耶が上目使いで覗いてくる。
  ヤバイ、図星を刺された。
「……、えっ、まぁ、少しだけ……。」
  オレは、口にして、仕舞ったと思った。
「悠磨くんでも嫉妬するんだね」
  亜耶が、ニコニコして言うから。
「当たり前だろ。好きな娘に男の話を聞いて嫉妬しないわけ無いだろ!」
  目を逸らして、言う。
「悠磨くん。可愛い……。」
  亜耶が声を出して言ってるのが聞こえた。
  可愛いって……。
  なんだよそれ……。
  どうせなら言われるのなら、カッコいいの方が良いぜ、男なんだから、な。


「よっ。相変わらず、早いな二人共。」
  って声がかけられた。
「遅せーよ、お前ら」
  オレは声を掛けてきた四人にそう言い返した。
「悪い。」
  義之が、詫びれる様子も無く言う。
「ここじゃあ何だから、場所移動しよう。」
  順一が、声をかけてゾロゾロと予定の場所へ移動する。
  っても、近場のカラオケボックスだけど……。



  受け付けを済まし、部屋に入るとソフトドリンクと食べ物を注文する。
「取り合えず、悠磨が一番な。」
  って、義之が言う。
  思わぬ言い出しに。
「あー。何でオレが……。」
  苦言を程す。
  オレ歌、苦手なんだよなぁー。
「いいじゃん。ということで、はい。」
  順一が、マイクと曲の入ってるファイルを渡してくる。
  ハァー。
  パラパラ捲って、自分が歌える曲を見つけて、リモコンで操作して曲を入れる。

  すると直ぐにイントロが流れ出して、歌い出した。



  歌いながら、時々亜耶の方をチラッと見る。
  亜耶は、斎藤達と何やら話ながら、照れ臭そうな顔をしたり難しい顔をしたりと忙しそうだ。

  歌い終わったオレに。
「何、さっきから亜耶ちゃんの事ばかり見て。そんなに気になるのか?」
  悪友の二人がオレの首に腕を回し、ニヤニヤしながらオレを見てくる。
「……まぁ、な………。」
  歯切れの悪い返事するオレに二人が、顔を見合わせる。
「何? お前等まさか……。」
  真顔で聞いてくる。
「悠磨。あれから、進展したか?」
  あれからとは?
  疑問に思ってると。
「卒業旅行の後から」
  進展したのか?
  中々進まない距離感に困惑するが、それはオレたちのペースもあると思ってるから気にはしてなかった。
  「悠磨。何難しい顔してるんだよ。俺等に話てみろよ」
  オレの顔に出ていたのか二人が、心配そうに見てくる。

そこに。
「義くんの歌、聴きたい。」
「私も、順くんの歌が聴きたい。」
  水口と斎藤が、オレ達に向かって声を掛けてきた。
「わかったよ。俺、先でいいか?」
  順一が言う。
「おう、俺、後でもいい。」
  義之がそう答えてた。

  二人共彼女には、逆らえないらしい。


「悠磨くんは亜耶の事好き?」
  突然、水口が聞いてきた。
「何だよ。藪から棒に。」
  オレは、焦ってぶっきらぼうに答えてた。
「ねぇ、どっち?」
「……好きだよ。」
  言い寄られて、口からするりと出る言葉。
「にしては、何もしてないんだね。」
  斎藤が詰め寄ってくる。
  ハッ?
  エッ……。何?
  してないって?
「亜耶とキスしたいって思わないの?」
  えっ。
  え、えーー。
  何の話をしてたんだよ。
  そんな話してたのかよ。
  オレは、驚いて口許を手で押さえ、顔を背ける。
「悠磨くん、答えて!」
  強く追求され。
「そりゃあ、したいと思うけど……。タイミングとかがわからなくて……。」
  何で、こんな話になってるんだ?
「やっぱりか……。」
  水口が、呆れたように言う。
  やっぱりって?
「タイミングって大事だと思うけど、その前に悠磨くんが亜耶と甘い雰囲気にもっていくのも大事だと思うな。」
  何て、斎藤が言う。
  甘い雰囲気って、何だよ。
  否、何のレクチャーだよ。
「亜耶も、待ってるみたいだし……。」
  水口が、意味深な言葉を言う。
  亜耶が待ってるって……。
  本当に、そう思ってるのか?
  オレは、チラリと目線を亜耶に向ける。
「おーい、るう。俺の歌聴いてた?」
  順一が、斎藤に向かって聞いてる。
「うん、聴いてたよ。順くん、上手だよ。」
  斎藤が、ニッコリと笑いながら、寄り添うと頬にチュッてリップ音をさせる。
「……」
  へっ……。
  順一が一瞬目を剥き、驚いた顔をしたかと思えば、笑顔になって斎藤の頭をポンポンと軽く叩いてる。
  その仕草に、斎藤も嬉しそうに順一を見ていた。

  何で、二人の世界に入り込んでるんだ?
  オレは、思わず目を逸らした。が、逸らした場所が悪かった。
  そこでは、義之と水口がイチャついていた。
  ハァー。
  何だよこれ。
  二人……イヤ、四人で、何がしたいんだよ。

  そんな四人を無視して、亜耶を見る。
  亜耶が、目をこれでもかと大きく開いて、口をあんぐりと開けていた。
  うん、やっぱり、そうなるよな。
  目のやり場に困って俯く亜耶。

  あたふたしてる亜耶って、始めて見る姿かも……。


「亜耶。一旦外に出ようか?」
  そう声を掛けると、亜耶が頷いた。
  オレは、亜耶の手を引いて外に出た。


「あの四人は、何がしたかったんだ?」
  呟くと。
「さぁ。何だろうね?」
  亜耶も戸惑いながら返してきた。
  頬が、ほんのり赤いのは気のせいか?
  暫しの沈黙の後。
「そろそろ戻るか……。」
「うん。」
  オレは、亜耶の肩を抱いて部屋に戻った。


「お前ら二人、何処に行ってたんだよ?」
  義之達が、何もなかったように振る舞う。
「お前らのせいだろ!」
  あんなの見せられたら、居場所なくなるっての。
「お前ら、いくらなんでもピュアすぎるだろ。」
  順一が呆れたように言う。
「仕方ないだろ。オレら……まだ、そこまでの関係じゃねぇから……。」
  尻込みがちになったが、まぁ本当の事だし……。
  亜耶とイチャつきたいとは思うけど……なかなか出来ねぇんだよな。
  オレの言葉に四人の声が。

「「「「悠磨くんのヘタレ!」」」」
  オレの耳に届く。
「どうせ、オレはヘタレです。」
  不貞腐れてるオレの横で、クスクス笑ってる亜耶。
「あのさぁ、亜耶も当事者だよね。」
  オレは、ジと目で亜耶に視線を向ける。
「ごめん。でもさ。恋愛って、人それぞれの歩みがあるんじゃない。私達はゆっくりで良いと思うけど……、ダメかな?」
  そんな上目使いされて、聞かれたら。
「……う、うん」
  ってしか言えないだろうが……。
「悠磨。将来亜耶に尻に敷かれるな。」
  義之が、オレの首に腕を回して言う。
「うるせぇよ!」
  オレは、そう言って、その場を誤魔化した。








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