ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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高校生編と再婚約の条件

お兄さんと対峙…悠磨

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  沈黙が重苦しい。
  何でこんな事になってるんだ?


  もも先生が校内放送をかけ、五分後に泉が保健室に現れた。
「君が、小林泉さん?」
  お兄さんの確認の言葉に泉が頷いた。
  泉は、不思議そうな顔をしてお兄さんを見る。
  呼び出された理由もわかっていないだろう。
  それに亜耶のお兄さんとは初対面なのに自分だけ名前を知られてるって、理不尽に思うよな。

  だがお兄さんも名乗るつもり無さそうだしなぁ。

「……で、亜耶を突き落とした理由を教えてくれないか?」
  と冷たく低い声が静かな保健室に響く。
  お兄さんの言葉に泉の顔が強張る。
  何で、知ってるのかと顔に出ている。
  まぁ今の言葉で、誰の関係者かわかったよな。
  何も話そうとしない彼女に更にお兄さんが。
「何の理由も無しに亜耶を突き落としたのか? だったら、親御さんを呼んで話を付けるだけだな。まぁ、元々体調を崩してたのにイベントに穴を開けるわけにいかないと自己責任の強い亜耶にも問題があるが……。」
  ベッドに眠ってる亜耶に一瞬だけ目をやり、泉を睨み付ける。
  あぁ、これあの人だったらどす黒いオーラが見えるんだろうなぁー。
  って言うか、亜耶のお兄さんも大概シスコンだよなぁ。
    何て呑気に思ってたら。
「彼女が、悠磨くんを蔑ろにするから……。」
  泉が顔を青くしながら、小声で言う。
  ん?
  オレが原因なのか?
「悠磨くんが原因って事は、君が悠磨くんの事を慕ってるって事でいいのかな?」
  お兄さん冷静な言葉に泉が顔を赤らめて頷いた。
  ちょっと待って。
  こんな時に何言ってるんだ二人は……。
「鞠山さんに婚約者が居るって聞いて、"悠磨くんが居るのに何故"って思ったら、怒りが込み上げて気付いたら押してたんです。」
  泉が顔を上げて言う。
  さっきの事を思い出したのか、怒ってるように見える。
  感情のまま行動したってことか?
  その前に何で、婚約者の話が出たんだ?
  オレにはそこがわからないが、概ね透が口を滑らしたんだろうが……。
「ふーん。で、亜耶にまだ何か言われたんだろ? あの子は、賢い子だから。」
  その言葉に彼女は悔しそうな顔をする。
  お兄さんも泉を煽って真意を見極めるつもりなんだ。
「その顔は、図星か。じゃあ、亜耶の婚約に至ったわけと悠磨くんと付き合いだした理由を話そうか。その前にもも先生。亜耶の事もう暫く見てもらってもいいですか? もうすぐ主治医が来ると思うので、来たら診察してもらってください。」
  もも先生にお兄さんが言う。
「わかったわ、雅斗くん。でもその"もも先生"って言い方やめてくれる。」
  苦笑して言うもも先生。
「それでも、"もも先生"ですよね。」
  言い返すともも先生は、口を尖らせた。
「もういい。あなたと議論すると疲れる。さっさと行って。理事長室使っていいわよ。」
  もも先生が、片手を額にも片方を追い出すように振る。
  一養護教諭が、何の権限で理事長室を使っていいと言えるんだ?
  新な疑問が生まれた。
「ありがとうございます」
  お兄さんがそう言うと保健室を出る。
「二人供付いて来い」
  有無を言わせぬオーラに戸惑いながら、付いて行くことになった。






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