私の愛した王子様

ギルド大会に出発

白いシーツが風に揺られなびいている

「カラメールさん」

キャサリンはカラメールに声をかけた

「どうしたキャサリン」

何時ものように仕事をこなしながらカラメールは返事した

「今日は塔の上で住み込みで働こうと思いまして」

幽閉塔の一階にはメイドや使用人が暮らす部屋が用意されている、

「どうして？」

メイドの仕事が終われば基本的には部屋に戻ってきて食事をして休憩時間に入る

「実は床掃除や部屋の掃除をしっかりとしたいと」

キャサリンはごもごもとごまかし告げる

「ふーん」

カラメールは指を三本立てた

「パンケーキ三枚な」

カラメールの言葉を受け

「分かりました用意します」

キャサリンはモップを持ち塔の最上階まで走る

「はぁはぁはぁ」

「遅かったのね」

マーガレットは部屋で荷物の整理をしている

「何とか話をつけてきました」

「そうなら行きましょうか」

マーガレットは指を鳴らす

マーガレットの分身とキャサリンの分身が魔法陣から出てくる

「この子たちに部屋にいてもらいましょう」

「留守は私たちが守りますわ」

「マーガレット様私はどうすれば？」

「貴方は手ぬぐいでも頭にかぶっとけば大丈夫よ」

「これを着て頂戴」

マーガレットは地味な服をキャサリンに渡す

「はい」

メイド服はどこにでもある作業着だが

この地味すぎる服を年頃な乙女が切るには

辛い

「仕方ないわね」

キャサリンの顔色を見てマーガレットはクローゼットから一着の服を取り出す

黄色を基調とした服をみてキャサリンは言った

「いいですねさっきの百倍ましです」

「マーガレット様はどの服を着るのですか？」

「私はこれを着るわ」

マーガレットの服は黒いローブに背中には赤い大きなリボンがついている

「このような服を持ってましたっけ？」

「昔魔法を勉強した時に作ったのよ」

「上手ですね」

「キャンディが王子からもらった髪飾りも私が使っていた物なのよ」

「え　じゃ」

「王子は私の物をキャンディにあげたのよ」

何も言えなかった

「さていきましょう」

「どうやって行くのですか？」

マーガレットはキャサリンの手を握る

「あれ」

ここはどこ？


キャサリンは周りを見渡す

多くの人がたくさんいる

「町？」

あちこちには暖簾が立ちギルド大会の文字がたくさんある

「瞬間移動？」

「ここにいたのね」

後ろから声がする

「マーガレット様」

マーガレットはキャサリンの唇に手を当てる

「ここではその名前はだめ」

「わかりました」

「受付はすませたから」

「向こうにいきましょう」

「はい」

キャサリンは歩くが

「いてて」

「痛いわね」

見知らぬ人とぶつかりしりもちをついた

「私の服が汚れてしましましたは」

女性は服に付いた汚れを気にする

「すみません」

キャサリンは謝った

「まったく田舎者はこれだから」

「さっさと田舎に帰りなさい」

女性はどこかに向かう

「大丈夫キャサリン」

マーガレットが手を刺し伸ばす

「ありがとうございます」

「助けてくださいよ」

「あの女は私の対戦相手よ」

「そうなんですか？」

「私のメイドに手を出した事を後悔させてあげる」