。ねこじょんねめき

風枝ちよ

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第1章 夏

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チャイムが鳴る。

「今日は、ここまでにしよう」

今日「は」?ここ「まで」?
次回あるんですか?

「ありがとな、村瀬!」
「どういたしまして……?」

そういえば、先輩の名前しらない。



「ん、おかえり」

教室に帰ると、創太くんに言われた。

「ただいま」

返す。
ふと無言。

「えっとあの
「唯」

僕の言葉は、創太くんの無表情な声に遮られる。

「川島さんと付き合っとーと?」

川島さん……?
あの先輩、川島さんっていうのか。

「うん」
「それ、あんまおすすめせんけん」

おすすめしない?

「なんで?」
「いや、なんて言うか……」
「よくない噂あるとか?」
「そうじゃないっちゃけど、」

創太くんは何かを考える。
あの人、川島さんはいい人だと思うけど。

「とにかく、おすすめはできんかな」
「そうなの?」

困惑。
納得できてない僕の顔を見て、

「やっぱいいや。忘れて」

創太くんは無理な笑顔を作って、言う。
混乱が深くなる。
チャイム。

「唯、授業」

創太くんは、何かを隠しているみたいだった。
それが何なのかは、知らない。
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