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第2章 秋
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「最近、どうなん?」
4日後。十分休み。
創太くんに訊かれた。
「何が?」
「小野塚直緒とのやつ」
「けっこう順調だと思うよ」
「そーと?」
「ご飯一緒なだけだけど」
「へえ」
創太くんは少し考え込む。
何を考えているんだろ。
「今から、小野塚直緒と話すの禁止な」
「え?」
「禁止。話すのも、一緒におるのも」
「なんで?」
「えっと……なんかいな」
また、考える。
「やっぱ、押すだけやったらダメと思うっちゃん」
どゆこと。
「たまに引いて、相手の反応見る、みたいな?」
なんで疑問形。
確信もって。
「それも大事、なのかな?」
「大事に決まっとろ!」
そこでいきなり確信持たれても。不安なんだけど。
「じゃあ今日の昼、俺と食堂な」
「創太くんと?」
「唯が小野塚直緒やったとして、好きな人が別の人と飯食いよる。しかも、自分の言葉は無視される。どう思う?」
「嫌、かなぁ」
「一緒に食いよー人に対しては?」
「……嫉妬?」
「それ!」
ほ。
「嫉妬するってことは、好きってことやん!」
それで。
「それで、小野塚直緒が唯のこと好きってわかるやん!」
授業中に、理解していない生徒に説明する先生のように話す。
なるほど。
「よかろ?」
「いいよ」
創太くんの表情が、少し明るくなった気がした。
気のせいかもしれないけど。
僕がそう思いたいから、そう見えるのかもしれない。
でも。
希望。
4日後。十分休み。
創太くんに訊かれた。
「何が?」
「小野塚直緒とのやつ」
「けっこう順調だと思うよ」
「そーと?」
「ご飯一緒なだけだけど」
「へえ」
創太くんは少し考え込む。
何を考えているんだろ。
「今から、小野塚直緒と話すの禁止な」
「え?」
「禁止。話すのも、一緒におるのも」
「なんで?」
「えっと……なんかいな」
また、考える。
「やっぱ、押すだけやったらダメと思うっちゃん」
どゆこと。
「たまに引いて、相手の反応見る、みたいな?」
なんで疑問形。
確信もって。
「それも大事、なのかな?」
「大事に決まっとろ!」
そこでいきなり確信持たれても。不安なんだけど。
「じゃあ今日の昼、俺と食堂な」
「創太くんと?」
「唯が小野塚直緒やったとして、好きな人が別の人と飯食いよる。しかも、自分の言葉は無視される。どう思う?」
「嫌、かなぁ」
「一緒に食いよー人に対しては?」
「……嫉妬?」
「それ!」
ほ。
「嫉妬するってことは、好きってことやん!」
それで。
「それで、小野塚直緒が唯のこと好きってわかるやん!」
授業中に、理解していない生徒に説明する先生のように話す。
なるほど。
「よかろ?」
「いいよ」
創太くんの表情が、少し明るくなった気がした。
気のせいかもしれないけど。
僕がそう思いたいから、そう見えるのかもしれない。
でも。
希望。
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