。ねこじょんねめき

風枝ちよ

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第2章 秋

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「熱っ!!」「ゆっくり食べよ?」
「チュロスって爆発するらしいよ」「そうなの?!」
「黒板アート?」「絵うまい!」
「秋なのにかき氷あるの?」「でも暑いよね、今は」
「グンドゥーノ・ティタトゥンって何?」「わかんない」
「うちの学校文芸部とかあったんだ」「いつも何してんだろ」
「字、うまいね」「書道部だしね」
「ひだまり行「行かない」
「喉乾いた……」「ジュースあるらしいよ」
「ふう、休憩」「足ちょっと痛い……」

適当に入った模擬喫茶で座る。
ほとんど歩いてたから、疲れ気味。
店の名前は『3ー4 喫茶処 いこいの森』
老人ホーム名しばりとかあるのかな。

「ご注文は、お決まり、ですか」

顔を上げる。直緒くんとそっくり。そっくり?!
そういや双子いた気が。

「ここ、眞緒のクラスだったんだ」
「うん」
「ちゃんとできてる?」
「うん、マニュアル、ある、から」
「よかった」

直緒くんのお兄ちゃん感がすごい。頼られ感。

「眞緒くん、だよね?」

いきなり呼ばれ、びくっとする眞緒くん。

「う、うん」
「このグンドゥーノ・ティタトゥンってメニューあるけど何?」
「知ら、ない」
「知らないの?!」
「うん」

グンドゥーノ・ティタトゥンは謎のままでした。
ほんと何なんだろ。



不意に、爆音が聞こえた。
体育館。文化祭恒例らしい、軽音部のライブ。

「行ってみる?」

創太くんはダメって言ってたけど。

「いいね」

でも、行ってみたい。

「眞緒、ごめん。また後で」
「うん」

廊下には、体育館へ動く流れがもうできていた。
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