1 / 1
学校に呼び出された俺は。
しおりを挟む
或る日突然、俺は呼び出された。
時は平成。
冬休み。
場所は学校。
教室。
課外も終わり、遊ぼうと思っていた矢先のことだった。
俺を呼び出したのはクラスメイト。
控えめに言っても可愛い。
いや、果てしなく可愛い。
この世の全ての可愛さを足しても、その子には遠く及ばないだろう。
正直に言おう。
俺はそいつのことが好きだ。
だから、少し期待とかしてしまったのに…!
なんでだよ。
なんでいねーんだよ。
フツーいるだろ。
呼び出した本人がいないってどういうことだよ。
俺も教室に入った瞬間なんかおかしいな、と思った。
なんか想像してたのと違うな、と。
とりあえず入った。
ちょっと遅れてくるかな、とか思った。
待つこと15分。
来ない。
隠れてる可能性。
掃除箱の中。
いない。
教卓の裏。
いない。
カーテンの後ろ。
いない。
自分の背後。
いない。
ロッカーの中。
いない。
引き出しの中。
いない。
天井。
いない。
ポケットの中。
いない。
いない。
いない。
どこにもいない。
遅刻、かな?
遅れてるだけかな?
そうだよな?
そろそろ来るよな?
待つことさらに15分。
教室に入ってから30分が経過した。
俺を呼び出したクラスメイトはこない。
いや待てよ?
落ち着け、俺。
考えるんだ。
脳は使うためにあるんだよ。
疑問:俺は本当に呼び出されたのか?
ちょ待ち、考えたくない。
俺の妄想っていう可能性を考えなければいけないんだろうけど、辛くね?
クラスメイトに呼び出される妄想って、悲しくね?
どんだけ飢えてんだよ、っていう。
けど、この可能性は消していい、と思う。
消したい。
消えて。
はい、消えました。
疑問:これ夢じゃね?
疑問が昭和だわ。
ほっぺた抓る系のやつ。
うん、痛い。
フツーに痛い。
ヒリヒリしてきた。
次から手加減しよ。
疑問:教室ミスってね?
大丈夫、ここは俺の教室だ。
疑問:宇宙って最初どうやってできたんだろう?
疑問が宇宙。
とりあえず、俺はここにいて正解なのだろう。
そういうことにしておこう。
じゃあなんでこないんだ?
俺のことが嫌いなのかな?
どっかから隠れて見てんのかな?
辛いわ。
俺は自分の机に座る。
どうしようもない。
もうどうしようもない。
どっはーー…
肺が口から出そうなほど息を吐く。
もう来ねーな、これは。
来るはずがない。
来ない。
つらい。
呼び出されて浮かれてた1時間前の自分を呪い殺したくなる。
最初から、わかってたんだ。
あの子が俺を呼び出すなんて、ありえないってことが。
わかってた。
でも、そこから目を背けてた。
それを直視しなかった。
見たくなかったんだ。
見れば、夢が終わるから。
必死で目をそらしてた。
でも。
一度見てしまうと、目は離れない。
闇が俺を包む。
絶望。
心の支えを失った俺は、身体の支えをも失い、机に倒れこむ。
体重を机に預ける。
頬をべったりと机につける。
夕陽が教室に差し込み、オレンジ色に染めている。
机に反射して目に夕陽が飛び込む。
視線が机を彷徨う。
ふと、目が止まる。
吸いつけられたように。
釘で打たれたように。
目が、停止する。
そこには。
見慣れた。
あの子の。
筆跡で。
ただ一言。
すき
完
時は平成。
冬休み。
場所は学校。
教室。
課外も終わり、遊ぼうと思っていた矢先のことだった。
俺を呼び出したのはクラスメイト。
控えめに言っても可愛い。
いや、果てしなく可愛い。
この世の全ての可愛さを足しても、その子には遠く及ばないだろう。
正直に言おう。
俺はそいつのことが好きだ。
だから、少し期待とかしてしまったのに…!
なんでだよ。
なんでいねーんだよ。
フツーいるだろ。
呼び出した本人がいないってどういうことだよ。
俺も教室に入った瞬間なんかおかしいな、と思った。
なんか想像してたのと違うな、と。
とりあえず入った。
ちょっと遅れてくるかな、とか思った。
待つこと15分。
来ない。
隠れてる可能性。
掃除箱の中。
いない。
教卓の裏。
いない。
カーテンの後ろ。
いない。
自分の背後。
いない。
ロッカーの中。
いない。
引き出しの中。
いない。
天井。
いない。
ポケットの中。
いない。
いない。
いない。
どこにもいない。
遅刻、かな?
遅れてるだけかな?
そうだよな?
そろそろ来るよな?
待つことさらに15分。
教室に入ってから30分が経過した。
俺を呼び出したクラスメイトはこない。
いや待てよ?
落ち着け、俺。
考えるんだ。
脳は使うためにあるんだよ。
疑問:俺は本当に呼び出されたのか?
ちょ待ち、考えたくない。
俺の妄想っていう可能性を考えなければいけないんだろうけど、辛くね?
クラスメイトに呼び出される妄想って、悲しくね?
どんだけ飢えてんだよ、っていう。
けど、この可能性は消していい、と思う。
消したい。
消えて。
はい、消えました。
疑問:これ夢じゃね?
疑問が昭和だわ。
ほっぺた抓る系のやつ。
うん、痛い。
フツーに痛い。
ヒリヒリしてきた。
次から手加減しよ。
疑問:教室ミスってね?
大丈夫、ここは俺の教室だ。
疑問:宇宙って最初どうやってできたんだろう?
疑問が宇宙。
とりあえず、俺はここにいて正解なのだろう。
そういうことにしておこう。
じゃあなんでこないんだ?
俺のことが嫌いなのかな?
どっかから隠れて見てんのかな?
辛いわ。
俺は自分の机に座る。
どうしようもない。
もうどうしようもない。
どっはーー…
肺が口から出そうなほど息を吐く。
もう来ねーな、これは。
来るはずがない。
来ない。
つらい。
呼び出されて浮かれてた1時間前の自分を呪い殺したくなる。
最初から、わかってたんだ。
あの子が俺を呼び出すなんて、ありえないってことが。
わかってた。
でも、そこから目を背けてた。
それを直視しなかった。
見たくなかったんだ。
見れば、夢が終わるから。
必死で目をそらしてた。
でも。
一度見てしまうと、目は離れない。
闇が俺を包む。
絶望。
心の支えを失った俺は、身体の支えをも失い、机に倒れこむ。
体重を机に預ける。
頬をべったりと机につける。
夕陽が教室に差し込み、オレンジ色に染めている。
机に反射して目に夕陽が飛び込む。
視線が机を彷徨う。
ふと、目が止まる。
吸いつけられたように。
釘で打たれたように。
目が、停止する。
そこには。
見慣れた。
あの子の。
筆跡で。
ただ一言。
すき
完
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
やり直しの王太子、全力で逃げる
雨野千潤
恋愛
婚約者が男爵令嬢を酷く苛めたという理由で婚約破棄宣言の途中だった。
僕は、気が付けば十歳に戻っていた。
婚約前に全力で逃げるアルフレッドと全力で追いかけるグレン嬢。
果たしてその結末は…
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】
キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。
それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。
もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。
そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。
普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。
マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。
彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる