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第二十六話 めぐりあわせ
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ふうーっ。なんだかわからんが、恐ろしい爺さんだったな……と迅は部屋を退室し、先に出ていたマーナに声を掛ける。
「マーナさん、良かったですね。なんかとんとん拍子に話決まっちゃったし……ん? マーナさん、どうしましたか」
みるとマーナは狐につままれたかのようにぽやーっとしている。続けて話しかける迅にやっと我に返ったように話し出す。
「マーナさん? 」
「一体なんだったのでしょう。特に何も起こることなく話が進んじゃって、夢でも見てるみたいな」
確かに段取り悪すぎだよ。と思いつつ一連の流れを思い起こせばある答えが導き出された。
「機なんだと思いますよ。クリスさんが先に来てある程度の話をし、長老もおっしゃってましたが、転換期と。人族の求める新しいチカラって、レンカさんが言ってた、ヤな噂に繋がるんじゃないですか。全ての歯車が一つのことに対し噛み合いつつある。今がその機なんでしょう。時機とも機運ともいいますけど、めぐり合わせです。俺とマーナさんみたいに、ですね」
と最後はにやけ顔でマーナをみつめる迅に対し、ハッとしたかのように
「えっ! 」
「だんなさまぁ……は俺だったりして。ははっ」
「ヤーっ。やっぱり意地悪ですね。…………可笑しいですか? 」
照れてたかと思えば直後には、怒った風に迅の目を見据えて真剣に問い詰めるように聞き返す。そのマーナの姿に、からかうつもりが、逆に心を奪われるかの魅力にたじたじする。なんとか踏ん張り精いっぱいの言葉を紡ぎ出す。
「全然おかしくないです。俺もそれを夢に生きてますから! 」
「まぁ、そうなんですね……よかった」
笑顔とともに素直に言葉を受け取るマーナにさらなる好感を持つ迅。
この会話に区切りがついたようで、マーナが側を歩いていたクリスに声を掛ける。
「クリスさん、早速ですが集めていただけますか? 」
「承知致しました。では一刻のあと『鳳凰の間』で」
「わかりました。お願いします」
「では失礼します。迅さん、またあとで」
そう告げるとクリスは足早に去っていった。
「さっそく会議が始まるんですか? 」
「ええ。私も久しぶりですので顔合わせも含め、早い方がいいでしょう」
その都城の中をひたすら歩く。城の中でもあちらこちらで、大小問わず木がそびえ立つ。それは建物を支えているものもあれば、ただ自然に任せて育っているものもあった。迅は以前から思っていて口に出さないでいたが、先程のことで更に膨らんだ疑問を聞いてみる。
「エルフってどのくらいの寿命なんですか? 」
「寿命ですか。……そうですね。……迅さんあの木、いえ、この木でもいいんですが、これ寿命わかりますか? 」
と近くでそびえ立つ樹木を指し訊く
「えっと、木って寿命あんだっけかな……」
「それと同じようなものです。あるような無いような、朽ちるまで生きる。それしか答えようがないです」
どこか物寂し気にそう答えるマーナに、次の言葉が見当たらなかった。話をしているうちに一つの部屋の前に着く
「ここが鳳凰の間ですか? 」
「はい。以前は私の旅団の部屋だったところです」
「おーい」
通路先から走って向かってくるものがいた。
「ふふっ。さっそくだわね」
「おひさーっス。」
そのエルフは迅らの直前でスライディングするように床をすべらせやって来た。
「マルク。しばらくね。元気してた? 」
「もちっス。姉さまも相変わらずっスか……あっどうもチッス。マルクっス。姉さまお世話んなってます」
「お、お、こんにちは迅です。めちゃ元気ですね。ははっ」
圧倒されそうなほど元気なマルクと呼ばれたエルフ。この爽やかボーイはマーナを姉さまと慕うマーナの部下の隊員だったらしい。マーナが里を離れる時、そのマルクが旅団を引き継いだとのこと。いかにも若い感じなのだが、もしかしたら迅よりも、はるかに年上かもしれない。
ぞろぞろとエルフが集まってくる。中にはエルフとは思えない風貌な者も多くいる。集まるのは隊長クラスとそれより上のポジションのみということだ。ちょうどクリスも部屋に着くところでマーナが声を掛ける。
「随分集り早いんですね? 」
「こうなることは見越して声かけさせていただいて、近くで待機してもらってました」
さすがキレ者クリスさんって感じだな。
「マーナさん、会議中は俺席外します。戦術のこと聞いてもわからないですし、あとで要所だけ教えてくれれば。それに人族の俺いない方が……ちょっとこの城探検してていいですか? 」
「ええっ! そうですか。皆に紹介もしておきたいのですが」
「んんん。いや、やっぱり部外者なんで。……本当いうとまだ自分のチカラコントロール出来てないんです。ないとは思いますけど、跳ねっかえり者が、さっきみたく腕試し……とかされたとき勝手に発動して取返しつかなくなると大変でしょ」
「さっき……って長老ですか? 」
「はい。……危うく長老とあの大樹バラバラにするとこだったんですよ」
「…………そうだったんですね。わかりました、大丈夫です。そんなことする者はいませんから」
とマーナに力強く手を引かれ会議に同席することとなる。
『マーナァーッ』『おかえりー』『旦那様ぁー』『待ってたよぉー』
びっくりするくらいの歓声に、部屋内を見渡す。ほぼ全員から歓迎の声と拍手に沸く。
なんじゃこれ。エルフって物静かな印象だったけどそんなことない。マーナさんの人柄もあるんだろうけど……さっき自信たっぷりに返事してたのはこうゆうことね。
続いて迅が紹介されるとまたまた場が沸く。
『うおーっほー大英雄ーっ』『よくきたよぉー』『旦那様ぁー』
なんなんだ俺まで……それにさっきから若干一人変な声あがってるし。
「初めまして、迅といいます。マーナさんの旦那さんに立候補中でっす。よろしくお願いします」
『『うおおおお』』『おめでとーっ』
ひとしきり落ち着くまで待つ。そしてマーナが口を開く
「ん。ん。はい。冗談もほどほどにして」
「顔あかいぞーっ」
「もうっ。はいお終い。じゃあ始めますよっ! 」
「はーい。」「うおっし」
ふっ。学校みたいだな……
懐かしきホームルームみたいな雰囲気に言葉が出ない。それもその時だけで、その後は粛々と戦術会議は滞りなく行われた。会議が終わると同時に迅に向かって数人のエルフが詰め寄り、握手やら何やらを求められるもマーナに制止された。
隊は二十一隊あり、それを三つの旅団体に分けてある。今回全ての旅団を統括するものが戦士長マーナということだ。以前マーナは弓旅団長を務めており団名を『天弓鳳凰』ほかにニンフの『精魔白蓮』、ダークエルフの『双極煉獄』とある。この三つの種族とフェアリー、ドリアード。
五つをあわせて『五家峰仙』というらしい。
「マーナさん、良かったですね。なんかとんとん拍子に話決まっちゃったし……ん? マーナさん、どうしましたか」
みるとマーナは狐につままれたかのようにぽやーっとしている。続けて話しかける迅にやっと我に返ったように話し出す。
「マーナさん? 」
「一体なんだったのでしょう。特に何も起こることなく話が進んじゃって、夢でも見てるみたいな」
確かに段取り悪すぎだよ。と思いつつ一連の流れを思い起こせばある答えが導き出された。
「機なんだと思いますよ。クリスさんが先に来てある程度の話をし、長老もおっしゃってましたが、転換期と。人族の求める新しいチカラって、レンカさんが言ってた、ヤな噂に繋がるんじゃないですか。全ての歯車が一つのことに対し噛み合いつつある。今がその機なんでしょう。時機とも機運ともいいますけど、めぐり合わせです。俺とマーナさんみたいに、ですね」
と最後はにやけ顔でマーナをみつめる迅に対し、ハッとしたかのように
「えっ! 」
「だんなさまぁ……は俺だったりして。ははっ」
「ヤーっ。やっぱり意地悪ですね。…………可笑しいですか? 」
照れてたかと思えば直後には、怒った風に迅の目を見据えて真剣に問い詰めるように聞き返す。そのマーナの姿に、からかうつもりが、逆に心を奪われるかの魅力にたじたじする。なんとか踏ん張り精いっぱいの言葉を紡ぎ出す。
「全然おかしくないです。俺もそれを夢に生きてますから! 」
「まぁ、そうなんですね……よかった」
笑顔とともに素直に言葉を受け取るマーナにさらなる好感を持つ迅。
この会話に区切りがついたようで、マーナが側を歩いていたクリスに声を掛ける。
「クリスさん、早速ですが集めていただけますか? 」
「承知致しました。では一刻のあと『鳳凰の間』で」
「わかりました。お願いします」
「では失礼します。迅さん、またあとで」
そう告げるとクリスは足早に去っていった。
「さっそく会議が始まるんですか? 」
「ええ。私も久しぶりですので顔合わせも含め、早い方がいいでしょう」
その都城の中をひたすら歩く。城の中でもあちらこちらで、大小問わず木がそびえ立つ。それは建物を支えているものもあれば、ただ自然に任せて育っているものもあった。迅は以前から思っていて口に出さないでいたが、先程のことで更に膨らんだ疑問を聞いてみる。
「エルフってどのくらいの寿命なんですか? 」
「寿命ですか。……そうですね。……迅さんあの木、いえ、この木でもいいんですが、これ寿命わかりますか? 」
と近くでそびえ立つ樹木を指し訊く
「えっと、木って寿命あんだっけかな……」
「それと同じようなものです。あるような無いような、朽ちるまで生きる。それしか答えようがないです」
どこか物寂し気にそう答えるマーナに、次の言葉が見当たらなかった。話をしているうちに一つの部屋の前に着く
「ここが鳳凰の間ですか? 」
「はい。以前は私の旅団の部屋だったところです」
「おーい」
通路先から走って向かってくるものがいた。
「ふふっ。さっそくだわね」
「おひさーっス。」
そのエルフは迅らの直前でスライディングするように床をすべらせやって来た。
「マルク。しばらくね。元気してた? 」
「もちっス。姉さまも相変わらずっスか……あっどうもチッス。マルクっス。姉さまお世話んなってます」
「お、お、こんにちは迅です。めちゃ元気ですね。ははっ」
圧倒されそうなほど元気なマルクと呼ばれたエルフ。この爽やかボーイはマーナを姉さまと慕うマーナの部下の隊員だったらしい。マーナが里を離れる時、そのマルクが旅団を引き継いだとのこと。いかにも若い感じなのだが、もしかしたら迅よりも、はるかに年上かもしれない。
ぞろぞろとエルフが集まってくる。中にはエルフとは思えない風貌な者も多くいる。集まるのは隊長クラスとそれより上のポジションのみということだ。ちょうどクリスも部屋に着くところでマーナが声を掛ける。
「随分集り早いんですね? 」
「こうなることは見越して声かけさせていただいて、近くで待機してもらってました」
さすがキレ者クリスさんって感じだな。
「マーナさん、会議中は俺席外します。戦術のこと聞いてもわからないですし、あとで要所だけ教えてくれれば。それに人族の俺いない方が……ちょっとこの城探検してていいですか? 」
「ええっ! そうですか。皆に紹介もしておきたいのですが」
「んんん。いや、やっぱり部外者なんで。……本当いうとまだ自分のチカラコントロール出来てないんです。ないとは思いますけど、跳ねっかえり者が、さっきみたく腕試し……とかされたとき勝手に発動して取返しつかなくなると大変でしょ」
「さっき……って長老ですか? 」
「はい。……危うく長老とあの大樹バラバラにするとこだったんですよ」
「…………そうだったんですね。わかりました、大丈夫です。そんなことする者はいませんから」
とマーナに力強く手を引かれ会議に同席することとなる。
『マーナァーッ』『おかえりー』『旦那様ぁー』『待ってたよぉー』
びっくりするくらいの歓声に、部屋内を見渡す。ほぼ全員から歓迎の声と拍手に沸く。
なんじゃこれ。エルフって物静かな印象だったけどそんなことない。マーナさんの人柄もあるんだろうけど……さっき自信たっぷりに返事してたのはこうゆうことね。
続いて迅が紹介されるとまたまた場が沸く。
『うおーっほー大英雄ーっ』『よくきたよぉー』『旦那様ぁー』
なんなんだ俺まで……それにさっきから若干一人変な声あがってるし。
「初めまして、迅といいます。マーナさんの旦那さんに立候補中でっす。よろしくお願いします」
『『うおおおお』』『おめでとーっ』
ひとしきり落ち着くまで待つ。そしてマーナが口を開く
「ん。ん。はい。冗談もほどほどにして」
「顔あかいぞーっ」
「もうっ。はいお終い。じゃあ始めますよっ! 」
「はーい。」「うおっし」
ふっ。学校みたいだな……
懐かしきホームルームみたいな雰囲気に言葉が出ない。それもその時だけで、その後は粛々と戦術会議は滞りなく行われた。会議が終わると同時に迅に向かって数人のエルフが詰め寄り、握手やら何やらを求められるもマーナに制止された。
隊は二十一隊あり、それを三つの旅団体に分けてある。今回全ての旅団を統括するものが戦士長マーナということだ。以前マーナは弓旅団長を務めており団名を『天弓鳳凰』ほかにニンフの『精魔白蓮』、ダークエルフの『双極煉獄』とある。この三つの種族とフェアリー、ドリアード。
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