おもいでにかわるまで

名波美奈

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第二章

第四十三話

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ハーフタイム。コートチェンジを行い聖也達は顧問と話をしている。1点差の僅差とはいえ前半は聖也達が試合の流れを掴んでいるシーンはほとんどなく、敵を追い掛けてばかりだった。

それに両校共に激しい走り合いとなってしまった為に、見ている後輩達や観客の息まで上がってしまう始末で、特に追いかける側の聖也達の疲労の色はより濃いものだった。

「先輩達、後30分もつのかな?」

「大丈夫だよ絶対に。後半開始だ!頑張れ皆ー!」

2階から心配する声と大きな声援が届くと後半が開始した。そして前半とは違い開始直後はスローな試合運びとなり、それには誰しもが納得した。前半にあれだけ走れば体力も残っていないはずだから。そしてそのせいなのかなかなか点も入らない。

何かきっかけを作らなければ、と各々が考え出すとやっと相手がシュートを打った。それをキーパーがキャッチし、飛び出してフリーな状態の聖也にパス、そして聖也はドリブルしてからそのままジャンプをせずにシュートした。決まった!

わあっと久々に大歓声が起こる。

「ナーイッシュッ!」

さすが聖也だ。あそこで跳ばずにフェイントをしてシュートをするなんて、プロ顔負けだ。この場にいる全ての後輩達が魅了されていき、また、自分達が今の聖也の年齢になった時に、ここまでやれるのだろうかと疑問に思った。やはりかっこいい、自分達の自慢の先輩の正木聖也は。

後半開始早々同点で聖也達は俄然活気付いた。

「いけるいけるいける、いこうぜー!」

もちろん声援も一層力が入り、点を取れば取り返されるのこのシーソーゲームは、片時も目が離せない素晴らしい好ゲームになっていった。

そして待ったなしでゲームは進んでいき、後輩、観客、多くの人間が何度も何度も時計を見る。この時、後半開始から20分が経過していた。それから得点板は26ー26でまた同点だった。

ゴクッ。未だに読めない結末に、生唾を飲んだ者は自分のその音がリアルに大きくて驚き、もっと自分を緊張させる。

そして選手達は、中でも聖也は、ぜーぜーと両手を膝について息をしなければいけない程に消耗していた。相手のセンターをマークして止めるのは、相当体力がいるのだ。けれど聖也はこれが最終戦なのではと言わんばかりに全てを掛けて闘っていた。
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