トレジャーキッズ ~救いしもの~

著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ

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【3‐3】救済

つながりたくて

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 ジェフリーたちは街に異常がないのを確認し、拠点に戻った。
 使い魔たちが暖炉の前を陣取った。寒いし冷え込むのはそうだが、動物はもっと温かいような気もしなくはない。特にショコラは冬毛になりつつあり、抜け毛に悩んでいる。ぶるぶると震えながら圭馬と温まっていた。
 竜次がキッドと寄り添って座ったまま肩を並べて寝ている。ローズの気遣いか、毛布が掛けられていた。二人とも疲れただろう。
 壱子はまたも遠慮をしている。ハーターに注意されていた。
「ベッドなら全然空いてるよ。休めばいいじゃないか」
「いえ、しかし」
 ハーターからの厚意は何となく受けたくないらしい。ここでも強情なので、ジェフリーがまたも口を挟んだ。
「いいから! コーディの面倒を見るのも兼ねて一緒に休んでくれ」
「坊ちゃんがおっしゃるのでしたら」
 あくまでも、ジェフリーの言うことは聞くようだ。
 声を張ってしまったせいか、ミティアがうっすらと目を開けた。
「ん……」
 ミティアは部屋を見渡し、ジェフリーを手で呼んだ。
「起こしたか? ごめん」
 手は握られるのを待って彷徨っていた。ミティアが目を覚ましたことでローズは心配になり、濡らしたタオルを持って来た。
「んン、麻酔が切れちゃったデス?」
 ミティアが目を覚ましたことにローズは驚いていた。そのミティアはジェフリーを見上げている。
「いなくなっちゃったから」
「あぁ、これを取ってきたんだよ」
 ジェフリーは細身の剣を見せる。眠たそうなミティアの目が一瞬だけ大きく見開かれた。自分の剣であることを認識していた。
「頑張ったんだな、ミティア」
「あ、ありがと。そっか、落としちゃったんだね」
 落したままだったのを思い出したようだ。ジェフリーの姿をずっと目で追っている。
 ジェフリーは借りたマントを洗ってから返そうと、いったん脱衣所の端に置いた。
「そちらも洗いましょうか?」
 ミエーナだ。ジェフリーは目が覚めてしまった。
「あぁ、自分で洗って返したいからこれはいい」
「まだ浸けていたものがあるので、おまとめをしておきます。手は付けないでおきますね」
 ポニーテールがぶんぶんと揺れる。控えめに目で訴えて来るミティアや、嫌な顔一つで表現されるキッドより何を考えているのかわかりやすいかもしれない。
「と、言うか、お前も休んでいいんだからな? 俺の家じゃないけど」
「お気遣いありがとうございます。でもホント、床でもいいので」
「御覧の通りソファーが都合よく埋まっていてベッドが空いてるんだから、こういうときは甘えていい」
 ジェフリーはもう一度『俺の家じゃないけど』と言いそうになってかぶりを振った。素直かと思っていたが、変な所が強情だ。最近はこういう女が流行っているのかと、玄関でまだハーターと軽く言い合っている壱子をチラリと見た。あとでもう一度言わなくてはいけないだろう。ジェフリーは大きくため息をついた。
 まずはミエーナの手を止めさせようとする。
「きつい言い方をするのは好きじゃないが、人の厚意はありがたく受け取っておいた方が世の中上手く渡り歩ける。敵を作りたいなら別の話だけど」
「わ、わかりました。ありがとうございます」
「言うだけじゃなくてさっさと寝てくれ。話を聞く前に倒れられたらそれこそ困る」
 いい加減イライラして来たのが感じられたのか、ミエーナは袖を戻して一礼し、パタパタと上の階へ上がって行った。多分まだ警戒されている。まずはこれでいいだろう。ジェフリーはわざと厄介払いをした。実際に、皆が休むのだから作業をされても困る。
 戻ると、ローズがミティアの顔を拭いていた。汗もかいて潮風に当たったのだからさぞ気持ちいいだろう。
 ミティアはジェフリーの姿を見付けると体を起こそうと足掻いた。
「ジェフリー、行かないで」
 しかめっ面のローズに抑え込まれている。
「行かないからちょっと待ってろ」
 傍にいてほしい思いでまだジェフリーを追っていたが、いったん宥めた。細やかで面倒なことが多いので困る。壱子に呆れた言葉を投げた。
「いい加減にしてくれ。これじゃあ、こっちがゆっくりできやしない」
「も、申し訳ございません……」
 壱子なりに何か思うことがあるのだろう。もしかしたら警戒をしているのか、プライドがあるのか。ジェフリーは面倒な女が多いとため息をついた。
 しぶしぶ上がって行った壱子を見送った。ハーターも両手をひらひらとさせ、お手上げ状態を意した。少ししつこい気もするが、壱子の方が強情なだけである。
 やっと落ち着いてミティアの相手ができそうだ。待ちかねた彼女はジェフリーに甘えたくて仕方がないらしい。それはきっと向かいで寝息を立てているキッドと竜次のせいだ。手をつないで寄り添って寝ているなんて、こんなに贅沢なことがあるだろうか。ミティアからしたら、羨ましくて仕方がない。
 ジェフリーは一応ミティアを注意した。
「体を起こせないんだから、横にいるしかできないぞ?」
 眠くて、でも甘えたくて仕方ないらしい。ミティアから甘えて来るのは珍しい。ジェフリーはソファーの脇に座るがそれは嫌なようだ。
 ローズはタオルを片付けながらジェフリーに提案をした。
「膝枕くらいならいいのではないデス?」
「は、はぁっ?!」
 ジェフリーは思わず変な声を上げて口を塞いだ。とりあえず向かいの二人の寝息は乱れていない。だが、暖炉の前のショコラが喉をゴロゴロ鳴らしてだらりと寝返った。寝相が悪い。休日の親父のような寝方をしている。誰も起こしていないか耳を澄ませていたら、ローズが勝手にミティアの体を動かしていた。
「ほい。早くするデス」
 その状態で痛くないように上半身を持っていた。ジェフリーは急かされて反射的に座ったものの、変な気を起こしそうなくらいミティアと近い。深めに腰掛け、ミティアの頭がポンと膝に乗っかる。小さくて整った綺麗な顔。美人だとは思っていたが無言で見上げて来る。これが目のやり場に困ってしまう。
 毛布を掛け直し、ローズはミティアが身に着けていたものを回収した。着け襟も外している。ミティアは部屋着だけだ。明らかに薄着でジェフリーは照れてしまった。
「ほい、ジェフ君」
 ローズがもう一枚毛布を渡す。ジェフリーは自分で掛けるつもりはなく、ミティアの胸元に掛けた。温かくしてあげたい気持ちからだった。
「あ、足がいいか?」
「ううん、大丈夫」
「と、いうか、いいのかこれ。俺の膝なんて硬くて頭が痛いだろう?」
「そんなこと、ないよ」
 やり取りを聞き、ローズがにやにやと笑う。彼女は椅子を持って来て、座って足を組んだ。このわかっていて笑って来るのが本当にいやらしい。
 ジェフリーはローズも厄介払いしようとする。
「博士も仮眠くらいしていいんじゃないか?」
 しないと思う。だが振ってみた。案の定、ローズは帽子掛けのフックに下がっている点滴を指さした。キッドにつないでいるものだ。経過観察は医者としてそうだろうが、もう一人の医者はすっかり眠ってしまっている。
 ジェフリーはこの際、ローズを眼中に入れないようにした。今はミティアとの時間を大切にしたい。
「どれだけ羨ましく思っていたんだ?」
「だって」
「さっさと寝ないか。痛いだろうに」
 ジェフリーは照れくさくなり、冷たくあしらうように言ってしまった。思わずハッとした。
 ミティアは目を潤ませて鼻をすすっている。ジェフリーはこれを見て、とてつもない罪悪感に襲われた。
「ご、ごめん。そういうつもりじゃ」
 せっかく意識をあらためたというのに崩してしまった。しかも傷付けたのはミティアだ。面倒だと思っていた時期があったが、こういうことはもっとデリケートになった方がいいと反省した。
「どうしたら許してくれる?」
 ミティアは明らかに許してくれなさそうだ。ご機嫌斜めというか、残念がっているというか、なかなか笑ってくれない。
 ジェフリーはミティアの手を握った。ゆっくりと息を吐きぬくもりを確かめる。
「連れ去られたらどうしようかと思った。今、ここにいてくれて、よかった」
 ミティアは握り返して、微かに笑う。
「わたしが頑張れたのは、この旅でジェフリーと一緒に歩めたからだよ。立ち向かうための勇気をもらえた。でも、わたしは兄さんに勝てなかった」
「勇気? 俺は何もしてないぞ?」
 ミティアに何をしただろうか。ジェフリーは考え込んだ。だが、なかなか答えがわからない。
「こんなに汚れたわたしを好きでいてくれるって言ってくれた。だから自分を受け入れることができたの。兄さんを倒そうと本気で思えた。それなのに、わたしは先生やサキが作ってくれたチャンスを生かせなかった。兄さんは生きていると思う。まだ、終わっていないと思うの」
 ミティアは珍しく自分の意思を優先した話をしている。ジェフリーは気持ちに寄り添うことを心掛けた。
「自分が覚悟を決めて立ち向かったのに倒せなかった。それは悔しいと思って当然だ。だけど、ただ負けたわけじゃない。兄貴やサキ、ミティアも今こうして生きている。怪我はしたかもしれないけど、な?」
 否定的ではなく、視点を変えた見方だ。不安だと思うだろう。ジェフリーは決してミティアは一人ではないと強調した。
「もし本当に生きているのなら、今度は俺も一緒に戦う。ミティアは一人じゃない」
 ミティアは目を見開き、涙を浮かべた。自分は馬鹿だと思った。言葉にはできない感謝と、救いと、愛情と。
「うん、うん。ありがとう」
 ミティアは瞼を閉じ、涙を零した。ジェフリーはその涙を指で擦り、ミティアの目元を覆った。
「泣くと傷に障るぞ?」
「これじゃあ泣きたくても、泣けないよ」
 ミティアは声を震わせながら笑う。温かくて大きな手に想いを委ねた。
 夜は静かに深くなり、嵐が忍び寄る。
 
 ジェフリーの目が覚めたのは昼間だった。起きたのは最後かと思ったが、膝の上のミティアがまだお休み中だった。座って熟睡することはできなかったが、それにしてはやけに頭が重く締め付けられるように痛い。首と肩を解して顔を上げる。すると、家の中だというのにサキが水の入ったバケツを持っていた。
 サキは足を止め、ジェフリーに目覚めの挨拶をした。
「わ、ジェフリーさんおはようございます」
 口の端を切ったらしく、少し赤いが腫れは大丈夫なようだ。口の中見えないところはやられているかもしれないが、水の入ったバケツを持てるくらいなのだから大丈夫だろう。いや、待て。バケツ? ジェフリーはサキの行動を目で追った。
 サキはお風呂場に消えてバケツの中を空にし、再びジェフリーの前を通り過ぎようとしている。
 ジェフリーはサキを呼び止めた。
「ちょっと待て。何をしているんだ?」
 サキは立ち止まり、乱れた前髪を直した。この様子だと、何往復もしているようだ。
「何って、三階が雨漏りしているんですよ」
「雨漏り?」
 吹き抜けになっている天井を見上げると、怒っているコーディの顔が覗いた。サキに向かって怒ろうとしていたのだろうが、ジェフリーと目が合って幾分か表情が和んだ。
「あぁ、ジェフリーお兄ちゃん、おはよう。外、大雨だよ。嵐みたい」
「そうなのか。珍しいな」
 ジェフリーは見上げたままで二階の窓を見ると、風でカーテンが靡いている。
 コーディはジェフリーの横にいるサキに言う。
「つーか、サキ! 早くバケツ持って来てよ!!」
「あぁ、ごめん。今、行くよ」
 コーディに急かされ、サキが階段を上がって行った。
 ジェフリーは目が覚めてすぐにサキと目が合ったせいで気が付かなかったが、向かいのソファーで手をつないで眠っていたはずの竜次とキッドがいない。立ち上がって探そうにも、ミティアに手を握られていた。これでは何もできない。
 ジェフリーは他の皆の姿も探した。注意しないと気が付かないが、家がガタガタと音を立てている。嵐というのは本当のようだ。
 姿を探している一人の声がした。
「おや、ジェフ、見せ付けてくれますね」
 わざとらしい言い方だ。竜次が風呂場から顔を見せた。腕を捲って髪の毛も誰かのバレッタでも借りたのだろうか、ヤシの木のように広がっていた。
 ジェフリーは首を傾げた。
「兄貴こそ、何をしているんだ?」
「何って、クレアの体を拭いてあげていたのですが」
 竜次は何もおかしいはないと平然としている。
 ジェフリーは真顔になった。キッドの体を拭いていた。騒がしい声もしないので、つまりもうそういう仲であると察した。
 ジェフリーの様子がおかしい。竜次は首を傾げた。
「どうしたんです? 寝起きでご機嫌斜めですか?」
 ご機嫌斜めと言うか、そういう仲だったら、真正面から愛をささやくなど。平気で言えるのだろうか。ジェフリーは考え込んでしまっていた。
 奥の風呂場からローズの声がした。
「ほーい、先生サン、パス!」
 竜次はバタバタと奥へ行った。会話だけが聞こえる。
「痛くないですか?」
「早くあっついお風呂に入りたい」
「今はこれくらいが限度です。頭と背中の腫れが引いたらですね」
「ローズさんも、わがままを聞いてくれてありがとう」
 先に風呂場から移動したのはローズだ。大きなバスタオルを持っている。ブラウスとキュロットだけのラフな格好をしていた。裸足の状態で、昨日応急処置をした足が顕わになっているが、ローズも傷を洗ったようだ。
 どたどたと出て来たはいいが、キッドを担いだ竜次が完全に見せ付けるようになっている。
 何だかジェフリーまでモヤモヤしそうだ。
「クレア、どうします? うつ伏せでよければ、ベッドに行きますが?」
「座って寝たから腰が痛いの。横になりたいな?」
「ずっと座っているとどうしても血行が悪くなりますからね。軽くマッサージしますよ?」
「ほ、ホントに? やった!!」
 背中や後頭部はまだ痛むようだ。だが、キッド自身は元気で受け答えもはっきりしている。キッドは竜次にマッサージをしてくれると言われ、機嫌よく首に手を回している。まだ目は開けてくれない。
 竜次はトントンと乾いた木の音を立て、階段を上がって行く。その姿を目で追っていたが、ジェフリーは違う視線に気が付いた。ため息をつきながら声にする。
「で、挨拶もなしにその目は何だ?」
 ジェフリーは見て見ぬふりをしていた。ミティアの緑色をした澄んだ大きな目がじっと見上げている。そして口を窄めていた。本当にヤキモキしているらしい。
 ジェフリーはため息をつき、観念するように言う。
「わかった。何が食いたい? 好きなの作ってやるよ」
 マッサージに匹敵するようなものが思いつかないので、料理を前面に出してみた。案の定ミティアの表情が明るくなった。
「あ、アップルパイ!」
「候補をいくつか聞いてもいいか? さすがにパイは難しいし、リンゴがない」
 ないものを求められても作れない。大概のものは何とかなるという精神だが、ジェフリーも自信がない。
 ミティアはいつもの元気な声で、思いつく限りを言う。
「じゃあ、ワッフル食べたい。あと、ミルクレープとプリンと杏仁豆腐と……」
 刺し傷のある人間がここまで贅沢を言えるなんて驚く。しかも甘いものばかりだ。ジェフリーは疲れているのだろうと解釈することにした。これならどれか叶えてあげられそうだ。ジェフリーはミティアの体を動かそうとする。
「頭、動かすぞ?」
 肉厚のクッションを頭に敷いて、ようやくジェフリーは解放された。ジェフリーは安心させるように笑って軽く手を振った。ミティアは食べ物に対する執着があり、機嫌がよくなるのは知っている。だが、しくじったら怖そうだ。
 ジェフリーは潮風でぼさぼさのまま眠りこけたせいで、ひどくくしゃくしゃの髪の毛だ。顔を洗って整える。
 さて、冷蔵庫にある材料で何が作れるだろうか。
 ジェフリーは冷蔵庫の中を見て、今あるものを確認して行く。ふと、大きなお皿が目に入った。三枚ほど薄っぺらなものが乗った状態でラップに包まっている。奇妙だと思い、お皿を取り出した。
 キャベツと多少の玉ねぎやスライスされた魚介類が見えたが、これらが混ぜられて焼き目が付いていた。
「何だ、これ?」
 ジェフリーがこの家で作った記憶がないものだ。千切って一口食べてから冷蔵庫を閉めた。だが、すぐにまた開けることになった。素朴な味と海鮮の出汁が効いておいしい。そして気が付いたら、背後にバケツを持ったサキが立っていた。
「悪い。邪魔した」
 気が付いたら大皿を冷蔵庫から取り出して通路を陣取っていた。
 サキは目をぱちくりしながら、まるで時間が停止したようにジェフリーをじっと見ている。
「それ、僕が作ったものなのですが」
 ジェフリーは口に含んだまま目を丸くし、反応した。大皿の焼き物とサキを交互に見て確認をする。「これをサキが?」とでも言いたそうな表情だ。
 サキは輝いた目でジェフリーを見つめた。
「ジェフリーさんが無言で食べるってことは、もしかしておいしいですか?! そうなんですよね!」
 ジェフリーは気まずくなった。起き抜けで摘まみ食いなど、まるで食いしん坊の誰かさんのようだ。似て来たのかも知れない。好いているからこそ。
 ここはサキの機嫌を損ねないようにしようと考えた。
「軽く食べられるから、手が汚れないし、こりゃあいい。作り方、あとで教えてくれ。正直、かなりおいしくて驚いた」
「も、もっと褒めてもいいんですよ!」
「もう少し改良を加えて、栄養価を高くしたいな」
 ジェフリーは自分の発言に疑問を持った。なぜ、栄養の心配をしているのだろうか。今まで気にしたこともなかったのに、おかしく思った。
 サキはそわそわと落ち着かない様子だ。
「ぼ、僕、魔法とか勉強以外であんまり褒められたことがないのでうれしいです!」
 ジェフリーは軽く流し、台所で材料を広げる。そこまでではないが、急に学びたくなるものが多くなった。これは誰の影響だろうかと、思いを燻ぶらせる。

 褒められて機嫌をよくしたサキだったが、コーディに遅いと煽られ続けている。
「あ、あのお姉さん大丈夫かな?」
 サキはバケツの水を流し、また三階へ上がる。二階ではうつ伏せに寝たキッドに竜次が指圧をしている。自分も竜次から指圧を受けてみたい。今はキッドの邪魔をしたくはないので、サキは黙っていた。
 三階ではモップを持ったミエーナと、梯子を上っているハーター。コーディは飛びながらハーターの手伝いをしている。壱子は器用なことに屋根の骨組みに登り、蝙蝠のようにぶら下がっては穴の位置を確認している。大きな穴ではないが、天気が悪すぎて大きくなってしまいそうなので修復を試みている。屋根の直し方はハーターくらいしかわかっていない。
「内側からでは限度があるね。やはり、外から屋根に上らないと難しいか」
 内側から雨漏りの解消は難しい。それは壱子も確認した。
「ネズミらしきものの痕跡がございますよ」
「な、何だって? どこにそんな跡があるんだい? ぼくは全然見えないんだけど?!」
 薄暗い屋根裏では限界だ。かといって、このまま放っておけば、男性陣の寝床がなくなってしまう。家が壊れてしまわないか心配だ。
 ハーターはサキを見下ろしながら話を振る。
「ねーねー、大魔導士クン。空を飛ぶ魔法でビュンと屋根に行って、直せないの?」
 やっぱりこうなるのかと予感はしていた。サキは深くため息をつきながら圭馬とショコラを探す。かなり高度な魔法だ。習得していないだけ。必要なかっただけ。
 圭馬もショコラも二階の窓から外を眺めていたので呼んだ。カタカタと窓が音を立てている。その窓の外で、。何かが飛んでいるのを眺めているのが楽しいようだ。
「あ、今のかつらじゃない? あんなのが降ってきたら、軽くホラーだよね」
「魚でも降って来んかのぉん」
 暢気なものだ。悪天候で外にも出られず、楽しみがないから外を眺めることしかできない。屋根からの雨漏りと、外の轟音。
 このせいで、ゆっくりとこれからの話でもしようと言う雰囲気ではない。
「あの、ちょっといいですか?」
 サキはのんびりしている二匹の使い魔を呼び寄せる。だが、先にショコラが逃げ出した。
「わしゃ水濡れは嫌いなのぉん」
 言われるとは思っていた。圭馬も露骨に嫌そうな態度を取っている。
「一時的な障壁を張るのとは違うんだもんなぁ。持続的にバリア張って雨風を凌ぎたい。屋根も修理したい。そして飛びたい。欲張りコースじゃないか」
 圭馬は窓の外を眺めながら、状況は把握していたらしい。嫌そうな態度を取りながらだが、圭馬は付き合ってくれるようだ。
「茶番だけど、これから何かに生かせるといいねってことで準備はオッケーなの? 手ぶらみたいだけど、工具くらいは持ったら?」
 圭馬が手を貸してくれるだけありがたい。だが、日常生活で生かせるちょっとした魔法では済まされないようだ。
 ハーターに工具を借りた。さすがに成功するとも限らないリスクを誰かに背負わせるわけにはいかない。ここでひと仕事、頑張ってみようとサキは玄関で武者震いをする。
 圭馬はサキを見上げながら確認をする。
「じゃあいいかい? 失敗したらずぶ濡れだからね」
「僕が失敗するはずがない。魔法に関しては、ですけど」
 サキはポーチの中の魔石を探る。軽い音しかしない。ジェフリーにあげてしまったのもあるが、自分でも昨日消費してしまったのだった。また補充をしないとまずそうだ。今はあるだけで凌ぐしかない。
「キミって水嫌いだったっけ?」
「苦手ではありますが、雨とか水たまりなんかは平気ですよ」
 圭馬は、サキが水を苦手にしているのを覚えていてくれたようだ。サキは竜次のようにちょっとした浅瀬でも騒ぐほどではないと主張した。近くに竜次がいたら、怒られてしまいそうだ。
 圭馬はちょっとしたアドバイスをする。
「合成魔法いいんだけど、魔法障壁自体にディレイをずっと掛け続けるんだよ。そうすると、ずーっとバリアが続いた状態になる。通常の魔法障壁は一時的なものだから効力は強いけど一瞬でしょ?」
「た、確かにその理屈なら雨とか風みたいなものは凌いでいられますね」
「火山での熱波みたいな強いものは、障壁を張り続けないと無理だろうけどね。これ極めたら、水の中でも生きていけるよ。海底や、トゲトゲのある床を歩くのも夢じゃないね。氷の世界でも寒さを凌げるかも?」
 環境に左右されない移動が可能とは言われた。半ば現実的ではないが、よく考えたらかなり便利な魔法だ。せっかくなのでモノにしたい。
 サキはぶつぶつと小言を言いながらイメージを思い描いている。
 圭馬は今一度確認をする。
「飛ぶのはどうだい? うまくやれそう?」
 サキの表情は明るい。昨日、いい経験をしたおかげで、イメージは思い描けた。
「昨日いい先生に抱っこされたから、大丈夫だと思う。フローとハイジャンプを組み合わせたらいいんじゃないかな」
 圭馬が耳をパタパタとさせる。この反応はいいサインだ。
「キミ簡単に言っているけど、四つ同時に魔法を使うことになるんだよ? 雨風をしのぐ魔法が二つ。空を飛ぶための魔法が二つ。わかってるのかい?」
「飛ぶ方にもディレイを掛けるから正確には五つですね。ちょっと考えることが多いですが、戦うよりはずっと安全だと思います」
 サキはさらりと言う。場所は玄関。離れて聞き耳だけ立てているジェフリーには、まったく理解ができない。
 ほんのりと甘くおいしそうな匂い漂った。
 サキは早く片付けてしまいたいと思った。
「よし、行くぞっ」
 意を決し、左の人差し指を突き立てる。一度の五個、四種類の魔法を、意識を乱さずにずっと効力を持続なんてどう考えても一般人のスペックを越えている。だがサキは、平然と涼しい顔をして玄関から出て行った。
 それを見たジェフリーは呆れながら言う。
「あいつ、やっぱり頭の容量がおかしい」
 テーブルにワッフルと、挟むおかずを並べている。サキの知識と魔法に関する出来は、どこをどうしたらこうなるのか説明がつかない。手伝っていたローズはジェフリーの顔を指摘した。
「ジェフ君、顔」
「あ、あぁ」
 思わず怪訝な顔をしてしまったが、素直にすごいとは思う。思うのだが、やっぱりおかしい。
 ローズも仲間に優秀過ぎる人がいるのには驚いた。
「アレね。驚くけど、サキ君があのデキだったら、お姉ちゃんに突然変異級のノイズが潜在するのは何となく説明がつくかもデス。どんな頭か気になるネ」
「博士って遺伝子とか潜在能力なんか、詳しいのか」
「そういった凝ったものはケーシスの得意分野なのデスヨ?」
「…………」
 ジェフリーは嫌なことを考えそうになった。これ以上を話さず台所に引っ込んだ。どうしても自分のセーノルズ家のとしての立場が気になってしまう。
 
 
 外は本当に嵐だった。雨も横殴りで見える範囲のお店も閉まっている。だが、すでに息をするように障壁を張っているサキは、髪の毛一つ靡かない。ただ、足場は悪い。滑るし、吹き溜まりには濡れた葉っぱやごみが溜まっているので踏めば当然だが転びはするだろう。肩に乗った圭馬が周囲を見てため息をついている。
「思いのほかすごい天気だねぇ?」
「あんまり道中で嵐ってなかったような気がするなぁ」
 雨なら何回か遭遇した。一番印象に残っている雨は、もちろんジェフリーと喧嘩をしたときだ。だが、悪い思い出ではなかった。
 それはそうと、サキは失敗したと思った。ハーターかローズに家の構造くらい聞いて来ればよかった。この家のどこからなら上がれるだろうかと回り込む。何を警戒しているかと言うと、変な所を踏んで壊さないかを警戒していた。サキの体重なら問題なさそうな気がするが、嵐で脆くなっていないか心配だ。
「よっと……」
 納屋の上にハイジャンプして乗ってみる。高所恐怖症ではないが高さがある。ある程度、街を見下ろせた。街中は静かで人もほとんど歩いていない。
 圭馬が鼻先で上を指した。
「ここから一気に上がっちゃった方がいいみたいだね」
 これから魔法を三つ同時に施行する。サキは意識を集中した。どれ一つでも疎かにしたら怪我をする。これ以上変な怪我を増やしたくないし、今日も絶対に安眠したい。工具箱を持っている関係で杖は出せない。つまりは媒体がないので保険がなく、無条件で自分の体力が削られていく。ここで魔石を使っても魔石は一時的な保険にしかならないので消費が激しくもったいない。
「よし、飛びますよ!」
 勢いづいて納屋の屋根を蹴った。だが、足を滑らせてしまった。そして尻もちを着いた。何とか踏ん張れたが、かなり格好悪い。そして、一瞬だけ集中力が切れたせいで冷たい。
 圭馬にしっかりと馬鹿にされていた。
「うわー、ダサ」
「うっ……」
「でも障壁を解いていないから、今のは精神的なダメージだけで済んだね? 大したものだよ。ボクが認めただけ主なだけはあるね」
 いつもの憎まれ口かと思ったら、さり気なく褒めていた。圭馬がサキを褒めるなど珍しい。
 サキは気を取り直してもう一度挑戦した。今度は足元に気を付けて指を弾く。
 幻想的なファンタジーなら背中に羽が生えるものだろうが、そんなことはない。むしろ浮く目的を主軸にしているので、踵に浮力が加わる。手っ取り早く空が飛べる魔法があるとしたら、飛空船を作ろうなどとならない。つまりは、世の中そんなにうまくできていない。そんなにご都合主義でもない。
 サキは雨風を凌ぎながら、浮力に身を任せた。少し飛び過ぎたが、ゆっくりと屋根に降りる。理屈をこねて合成魔法を施行したが、成功した。
「どの辺だっけ? おっとと」
 当然だが屋根の上は滑る。危うく工具箱を落としそうになった。ここで落したら、それこそ大きな穴を開けてしまう。屋根に打ち付ける雨の流れ方を観察すると、偏りでもあるのか、変な流れ方をしているのを発見した。
「圭馬さん、あとでお風呂に入れてあげますので、手伝ってもらってもいいですか?」
 人の腕が通るかくらいの凹みを発見した。ここでサキが圭馬を頼る。足元が危ないからだ。圭馬は嫌そうにしながらも肩から降りて水たまりに顔を突っ込んだ。
 どうやら当たりだったようだ皆の話声と、バケツを交換するコーディが見える。
「ふーむ、今日はパンケーキかワッフルかな?」
 ちゃっかり中でいい匂いがしているのを見逃さない。そしてハーターと壱子、ショコラが加わってネズミの駆除が始まっていた。今度は内側から屋根が壊れないか心配だ。
 誰も外で作業をしているサキと圭馬の心配をしていないようにも思える。
「屋根の修理、ボクたちに投げっぱなの? 何か、むかつくじゃん」
 尻尾まで水を含んだ圭馬が顔を引っこ抜いた。濡れネズミならぬ、濡れウサギだ。サキがベニヤの板を何枚か取り出している。
「キミ、こういうの得意?」
「魔法と勉強以外はそんなに器用じゃないのは、僕自身がよく知っています」
「しょーがないなぁ。ちょうだい。手伝ってあげるよ」
「あ、ありがとうございます」
 圭馬が板を咥えてベストな位置に固定する。最近の圭馬は優しいので接しやすい。そんなに得意ではないと言っていたが、圭馬の助けもあって、不格好だが塞ぐことが出来た。片付けながらサキが質問する。
「最近の圭馬さん、やけに優しいですね?」
「へっ? ボクはもともと心優しいじゃないか。何を言っているんだい?」
 この返しは予想できたが、やっぱり素直に応じてくれない。悪いことではないのでここでこれ以上はやめておこう。サキは追及をしなかった。
 屋根から降りる方が難しかった。またも納屋で足を滑らせる。多少のきつい環境でも普通に行動できるスキルを身に付けたと考えたら、屋根の修理は意外とよかったのかもしれない。
 これから行動できる範囲と条件が広がりそうだ。

 これから?

 サキは玄関で水を払いながら整えて、ふと『あれ?』と思う。
 自分の中では終わったものだと思っていた。まだ、天空都市と言う大きな目的が残っていて安心する自分がどこかにいた。
 いつかはこれからなんて考えなくていいようになる。
 自然なのに、この関係や仲間ともいつか別れのときが来るのだ。そうなったら、自分には何が残るだろうか。
 サキはぼんやりと考えながら、玄関の扉を開き、中へ入った。
 コーディとミエーナが出迎えた。偉そうなコーディはともかくとして、控えめにミエーナも頭を下げた。少しは仲良くなれたのだろうか。いがみ合っている様子はない。
「お疲れ。やるじゃん」
「サキさん、お疲れ様です!」
 サキは出迎えを意外に思いながら軽く頭を下げる。
 足元で圭馬が急かした。
「ねぇ、早く洗ってくれる? 寒いんだけど」
 サキはずぶ濡れの圭馬を抱え、いったん奥へ引っ込んだ。落ち着いてから食卓に参加したいところだ。

 二階では微笑ましく、実に和やかな空気が流れていた。
 キッドは竜次に指圧を受けていた。ただのマッサージくらいにしか思っていなかったが、本格的な施術だ。だが、長時間だったので、キッドも気を遣う。
「ん、もういいわよ? 竜次さん、疲れちゃうじゃない」
「疲れませんよ。それより少しは浮腫みがよくなりましたか?」
 キッドは気持ちよさそうにため息をついた。自力で起き上がるのはつらそうだが、何か変化があったようだ。
 上半身を起こして変化に気付いた。
「あ、あれ?」
 血行がよくなってほぐされたのは主に足だ。だが、キッドは目を擦っている。
「どうしました? もしかして痛かったですか?」
「違うの。右目が開けられるから」
 キッドの言葉に竜次が本を跳ね退ける。慌てて座っていたベッドを降りてキッドの顔を覗き込んだ。彼女が右目を開けてくれている。
「み、見えます?」
「あ、うん。霞むけどちょっとだけ見えるわ。やっぱりローズさんが言うように、眼球が圧迫されてるのかな?」
「ぐすっ……」
 竜次が鼻をすすっている。おまけに涙目だ。見えてはいないが音で察しはつくのか、キッドは苦笑いをしている。
「そんな、泣くことないのに」
「こんな小さな変化でもうれしくて、すみません」
「昨日の今日ですぐにはよくならないってば。でも、マッサージのおかげかもしれないわね。体ポカポカして気持ちいいもの」
 命を捨てた経験のある竜次にとって、こんなに時間の充実を感じたことはない。ましてや自分のした事が報われたなど、うれしくて仕方がない。何も残せない、何も残らない自分が人に良い影響をもたらせるのが信じられない。
 感傷に浸って天井を仰いだ。その竜次の視界を黒いものが覆った。妙にカビ臭くて温かい。そして微かに動いている。
「ん、これは?」
 竜次が疑問に思っていると、ハーターの陽気な声が聞こえた。
「猫ちゃん、ナイスだ!!」
 どたどたと騒がしく三階からハーターが下りて来た。
 すっかり和やかな雰囲気を台無しにされてしまった。竜次は視界を覆っていたものを摘まみ上げる。まるまると太ったネズミだ。
「えぇっ?」
 困惑の声を上げる。すでに息絶えようとしていて、ピクピクとしか動かない。
 ハーターは、上を見上げながら竜次からネズミを受け取る。
「雨漏りはこの子のせいだったのかも? ずいぶんと派手にやらかしてくれたね」
 ハーターがビニールの袋に受けた。そのビニールにもう一塊が落ちた。頭上では、骨組みの柱の上でショコラが尻尾を振っている。
「ホールインワンなのぉん」
 その近くで壱子が目を凝らしている。
「見える範囲では以上だと思われます。お邪魔している身でこのようなことを申し訳ありません」
 ショコラを回収して壱子も二階へ下りて来た。やはり身のこなし方が、尋常ではない。運動神経うんぬんよりも、動き方が人間離れしすぎている。
 竜次は一部始終を微笑ましく思った。天候が嵐のせいもあるのだが、ゆっくりと過ごす時間は貴重なものだ。
「壱子様、お疲れ様です。別に気を遣わなくてもいいのですよ? 私の家ではありませんけれど」
 壱子がくすりと笑う。彼女は、竜次はジェフリーよりは目上に見ているらしい。口答えはしないで素直に頭を下げた。
 その様子をハーターが見て、目をぱちぱちとさせる。どこかで格差が生じているのは間違いないが、分け隔てなくとはいかないようで。特にハーターは立場上では商売敵。
 仲間を羨ましがる一方で、一定の距離を置く壱子に違和感を覚えながらネズミの入った袋を縛った。

 キッドと竜次は二階でゆっくりしているが、一同は一階の暖炉の前に集合した。テーブルにはワッフルと大皿のおかずがバイキング形式になっている。
 ジェフリーは小回りの利きそうなコーディに皿を二枚渡した。
「コーディ、兄貴たちにも適当に持って行ってくれると助かる」
「いいけど、残しておいてよ!?」
「まだ奥で焼いてるから心配するなって」
 大皿に五枚ほど取って、適当におかずを挟み込んだ。ソーセージやスクランブルエッグ、サラダもあるのでコーディは適当に挟んで持って行く。
 サキはこの大判のワッフルで思い出すことがあった。
「こんな大判のワッフル、どこかで見たような? ジェフリーさん、これってもしかして?」
 ジェフリーはアイサインで正解を訴えた。これならミティアも満足するだろうし、受けはいいと思っていた。
 だが、ミエーナが覗き込みながらも手を付けない。ジェフリーは注意をした。
「いいから食え。まずかったら食わなくていい」
 ずっと遠慮をされても困る。それは壱子に対してもそうだった。追加で威圧すると、小さめの物を取ってはくれた。やれやれだ。
 ローズが焼きたてのワッフルを補充する。遠慮する者もいるが和やかな食事だ。
 ジェフリーは皆が食事をしているのを確認し、ミティアのもとに足を運んだ。
「ミティアは何が食べたいんだ?」
「……全種類」
「傷口からワッフルが出て来るぞ?」
「えへへ。だって、ジェフリーが作ってくれたんだもの。たくさん食べたいよ?」
 食欲旺盛なのはいいことかもしれない。だが、この笑顔を見ると、どうしても甘やかしたくなる。
 ミティアは顎を上げて、口先を向ける。
「食べさせて?」
 甘え方が小動物以上だ。恋人、いや、それ以上かもしれない。あまりに急な接近はジェフリーの悪癖をぶり返らせる。
「手は動かせるくせに」
 言ってからハッとする。すでに遅く、ミティアはふくれっ面でじっと見上げていた。少しの気遣いがないだけで、こんなに心が痛むなんて力不足を痛感する。
 ミティアが竜次やキッドに妬くのも納得する。簡単に直せるものではないのだと、少しはわかってくれてもいいようなものだが。

 肉体的なものではなくても、つながりはつながりだ。
 消さないために。濃くするために。細やかに、一つ、また一つ、積み重ねるもの。
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