トレジャーキッズ ~委ねしもの~

著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ

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【2‐4】天秤(2)

素直になれない似た者同士

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「ん……ふぁっ……」
 フィラノスの宿での早朝。ジェフリーと竜次とミティアの三人が宿のロビーで待ち合わせをするも、ミティアだけ妙に眠そうだ。疲れが取れていないように思える。
 ジェフリーは寝起きで機嫌が悪いはずなのに、缶のホットコーヒーをカイロのように手に持っていた。
「また無駄遣いしました?」
 同じく寝起きで機嫌が悪い竜次が睨む。
 ジェフリーはそんな竜次の目の前に同じ缶のコーヒーを突き出した。
「兄貴の……」
 ジェフリーからこんな気遣いをされるとは思わなかった。竜次は貰ってから、冷めた眼差しを向ける。ジェフリーはもう一つ缶のボトルを取り出し、今度はミティアに差し出した。ラベルにはシトラス紅茶と書いてある。
「ミティアはコーヒー、あんまり好きじゃなかったよな?」
「う、うん? 覚えててくれたんだ?」
 ミティアは両手で受け取って縮こまった。
「わーっ、あったかいね……」
 夜も冷え込むようになってきたが、朝方も寒く感じるようになった。次の季節の足音を感じているのかもしれない。
 寝起きの不機嫌さがミティアの癒しの表情で打ち消された。
「学びましたね、ジェフ?」
「俺はただコーヒーが飲みたかっただけ」
 こういうお金なら使ってもいいだろう。自分のお金だったらもっと褒めた。竜次はため息をつきながら、まぁいいかと流してしまった。これが甘いのだろうと思いつつ。
 外はもっと寒く、晴れてはいたが今日は風がある。まるで木枯らしのようだ。
 ミティアの膝が寒そうだ。道中、長袖とロングブーツには変えたのだが、スリットのせいで膝が見えている。
「いやぁ……もう寒いね」
 暖かい飲み物はすぐに飲み切ってしまった。それだけの寒さを身に感じている。
 歩きながら軽く話をする。主にジェフリーからの質問だった。
「そんな薬草で誰を助けるんだ?」
「それがただの薬草ではなかったみたいなのですよ。ジェフはお使いのプロだったのかもしれませんね」
 竜次とジェフリーの会話が微妙に食い違う。まず薬草の話をした。今から会いに行くケーシスが、その薬草の生息地を知りたがっている。話したのはそこまで。
 義理の末っ子、サテラについて容態や状況はまだ詳しく触れていない。前にミティアが助けてもらった程度の話なら、船の中で聞いているはずだがその情報までだ。
 ミティアと竜次は道を覚えている。ジェフリーはローズからもらった簡易地図と照らし合わせる。今度は自分の足で来るかもしれない。
 街外れの孤児院跡に近い場所だ。この街の闇が見え隠れする。整っていない家が目立ってきた。昨日アイラが買ったと言っていた住宅街、キッドが言っていたその先の高級住宅街。そのどちらでもない、貧民街だ。
 掃き溜めから鼻を突く臭気がするが、始末する者もいないし環境も整っているわけではない。見通しは悪いし、空気も悪いがミティアたちに言わせると、今日は風のお陰かマシだと言っている。
 同じような建物が並んでいるため、慣れないと混乱する。どれかわからないが、二人は覚えているみたいだ。
 ジェフリーの口数が減ってきた。どうも二人がよそよそしいと思っていたからだ。嫌な予感を今は押し込んだ。
 とあるアパートの前で足を止める。竜次とミティアは見上げていた。
「ここですね。この二階だったはず」
「ケーシスさーん」
 まるで遊びに来たような訊ね方だ。ジェフリーは緊張もなく冷静でいられた。扉の傷や壁の汚れ具合、二階という点くらいしか覚えられるものがない。部屋番号もわからないゆえに、メモを諦めた。ジェフリーは何とかなるだろうと適当に考えていた。
 ミティアが扉をノックすると、中身のない鉄板の音がした。薄そうな扉に家として心配になる。
 鍵の音がするわけでもなく、前触れもなく扉は開かれた。不用心なものだ。
 中から無精髭のケーシスが出て来た。金髪のウルフカットに眼鏡、緑色のネクタイに白いシャツ。もう長い間この格好なのか、ネクタイはくたびれている。
「……んだ? 朝っぱらから、ずいぶんだな」
 ケーシスも寝起きは悪そうだ。だが、ミティアを見て口元が緩む。
「よぉ」
「おはようございます、ケーシスさん」
「美人に目覚ましをされたな。こいつはツイてる」
「朝早くにごめんなさい。早い方がいいかなって……」
「俺の後妻になるのが?」
「へ?」
 寝惚けているにしてはキレのある冗談だ。首を傾げるミティアの前に、竜次が慌てて割って入る。
「お父様! そろそろ冗談に聞こえなくなって来ましたよ!?」
「冗談? サテラの母親になれるなら、これ以上いい話はないと思うぞ?」
「これ以上、血縁関係を複雑にしないでくださいっ!」
 朝から玄関口で親子喧嘩だ。話の流れにジェフリーは呆れている。ここまで来ると、危機感がない。まるで、朝の茶番だ。ついでに、話題について行けずに蚊帳の外。ジェフリーの気分は、もう帰りたい。
「帰っていいか」
「ジェフリー、ダメぇっ!」
 本気で帰りそうなジェフリーを、ミティアが必死になって腕を掴んだ。
 何となく、日が昇り切ってしまう前に要件を済ませたい。
 ジェフリーは渋りながら部屋の中へ入った。

 中には壱子、ベッドにはサテラだ。なぜか壁の隅で座らせている。少し起きていたい、そんな感じだろうか。寝たきりも体にはよくないだろう。
 ミティアはサテラに挨拶をした。
「おはよう、サテラ」
 サテラは笑みを浮かべながら眠たそうに見上げた。
「眠かったら無理しないで」
 反応が鈍いし、眠いのかと思ったが、虚ろで表情だけの返しだ。ミティアは疑問に思って振り返る。
 竜次もケーシスに視線を送っていた。そのケーシスはあまりいい表情をしていない。
 つまり、サテラの状態は悪いと示す。
「もうあんまりだ。今夜か明日か……」
 場に緊張が走った。時間がないと聞いて、ミティアが何かを言いかけて膝を崩した。
「あ、あれっ……」
「っとと……」
 ミティアは壱子に支えられ、何とか立ち上がろうとする。だが蹲ってしまった。しかも、体が言うことを利かない。
「や、やだ……こんな……はぁっ……」
「ミティアお嬢様、顔色が……」
「ご、ごめんなさい」
 壱子はミティアに胸を貸す形になった。竜次もミティアを支える。
「ミティアさん、ゆっくり深呼吸……」
 タイミング悪く、ここで立ち眩みを起こす。その様子にケーシスが質問をした。
「姉ちゃんも、そろそろ限界だろ?」
 ミティアは懸命に呼吸を整えながら首を振っている。
 黙って見ていたジェフリーは、ケーシスも竜次も、自分が知らないミティアの秘密を共有していると孤立を感じていた。
「何だよ、これ……」
 見知らぬ子どもを気遣う様子も見受けられる。ジェフリーは触り程度にしか事情を知らない。皆は何を隠しているのだろうか。なぜ何も教えてくれないのだろうか。
 理解のできない状況に、自然と怒りが込み上げる。ジェフリーは嫌悪感を顔に出してしまった。
 ケーシスはジェフリーに向かって言う。
「ジェフリー、お前は知らないのか?」
 ジェフリーはケーシスを睨みつけた。拳を握り、震わせている。
 竜次はケーシスを止めに入った。ここで言い合いをされては困る。
「お父様!!」
 その様子にジェフリーが不審を積もらせた。
 ミティアは苦しそうにしながら、必死で訴えた。
「言わないで、ケーシスさん。もう、大丈夫だから」
 明らかに大丈夫ではない。息苦しそうに屈んで深呼吸をしている。おまけに、ケーシスに向かって『言わないで』と言っていた。ジェフリーは知るのが怖かった。
「なぁ、貧血なんかじゃないだろ……」
 ミティアが顔を上げた頃、ケーシスがジェフリーに迫っていた。
「まだ時間があるだろうが、時期、この姉ちゃんもそこのサテラと同じようになる」
 ついにジェフリーに知られてしまった。ミティアはジェフリーの鋭い視線を受ける。
「どうして、俺には話してくれなかったんだ。いつも俺にだけ話さないよな……」
 自分のことは二の次、いつも苦しんでいるのはミティア自身だ。頼ってほしい。甘えてほしい。それなのに、いまだにその思いはうまく伝わってくれない。
 ケーシスは煽るように言う。
「それはお前がガキだからだろうな?」
「……ッ!!」
 知っていて当然のような反応も、子ども扱いもすべてが苛立つ。ジェフリーは俯き、肩まで震わせた。
 その様子を見て、ミティアは悲願する。
「ジェフリー、お願い。話を聞いて、わたしは……」
「さぞ気分がいいだろうな。ここに連れて来て、みんなで俺を騙して」
「そんなこと言わないで。ただ、わたしはケーシスさんとサテラを助けたくて」
「そんなに頼りないのか? ミティアは俺を信じてくれないのか?」
 言えないミティアに対し、ジェフリーの子どもじみた意地がぶつかる。こうなってしまうと、流れは最悪な方向へ転ぶしかない。
「そんなに悪いなら、連れ回すようなことはしなかった!!」
 ミティアは震駭した。恐れていた言葉を耳にしてしまったからだ。
「わたしは嫌われたくなかった。一緒にいられなくなるのが嫌だった!!」
 泣きながら言い返すミティア。それに対し、ジェフリーは表情に悔しさを滲ませる。そこへ、ケーシスが追い打ちをかけた。
「別に俺はかまわない。これで姉ちゃんとの関係が崩れるなら、お前はその程度の男だった。お前が姉ちゃんを見捨てるのなら、俺が面倒を見てやってもいい」
 再び竜次が止めに入る。どうしても衝突してしまうのが心苦しい。
「お父様!! いくら何でも無茶苦茶ですっ!!」
 ジェフリーは止めに入った竜次も気に食わなかった。嫌悪感を向けていた。
 竜次はジェフリーに嫌悪感を向けられても向き合った。
「ジェフ、変に考えないで」
「兄貴はどっちの味方なんだよ!!」
「えっ? どっちって……」
 ジェフリーの怒りは竜次にも飛び火した。竜次は融通の利かないところと優柔不断が出てしまった。
「俺は……俺は、誰を信じたらいいんだ!!」
 ジェフリーは大きく身を引いた。裏切りにも似た状況に、正確な判断ができなくなり、家を飛び出してしまった。
「お願い、行かないでっ!!」
 ミティアが止めに駆け出しそうになったのを、ケーシスが腕をつかんで止める。
「ケーシスさん?」
「美人が一人で歩くな。スラムでぶっ倒れたら飢えた野郎に食われちまうぞ」
 鉄の扉が乱暴な音を立てて閉まった。外は風がある。より大きく聞こえた。
 ミティアは顔を覆って泣き崩れる。
 これを見たケーシスは腕を組み、舌打ちをした。
「こんないい姉ちゃん泣かせるなんて、とんだクソガキだな」
「誰の息子ですかっ!? あれはお父様が悪いです!!」
「おめーもだろうが、親に向かって説教とはクソ生意気なモンだな……」
「えぇっ!? わ、私も悪かったのでしょうか? す、すみません……」
 流されるまま、竜次が首を垂れる。竜次は止めに入り、抑止をかけるつもりだった。だが、その抑止は中途半端だ。優柔不断が悪い方へと加速した。

 異様な空気の中で、今まで黙っていた壱子のため息が響いた。
「何ですか、この萌えない展開。誰も救われませんねぇ?」
 壱子が指摘をした、萌えないに関しては詳しくはわからない。だが、誰も救われないに対しては敏感になった。
「ジェフリーお坊ちゃん、サテラのことをご存じないような様子でしたが?」
 壱子の鋭い指摘は続く。これには竜次が理由を述べた。
「ジェフには、まだ詳しく話していません。薬草のことだけを優先しました。これはミティアさんとも相談して決めていたことです。話せばジェフは混乱したでしょう。ジェフはお父様とお母様の愛情を知りません。それなのに、いきなり子どもが増えたと言われて受け入れられますか?」
 家庭を複雑にしたのはケーシスだ。これは間違いない。ケーシスも人が悪い。なぜジェフリーには面と向かって接しないのだろうか。
 人命を優先したと言えば聞こえはいい。竜次は罪悪感にさいなまれた。やはりきちんと話すべきだっただろうか。いや、自分たちから話すのはおかしい。
 襲う虚無感。静かな部屋にはミティアのすすり泣く声だけが響く。
 虚ろだったサテラは、輝いた目をして笑っている。
「ははっ……あの人、お父様にそっくりですね。面白そうな人です」
 救われない状況の中で、サテラの笑顔が一同の良心を痛めた。
 サテラのお陰か、一同は落ち着きを取り戻した。ケーシスは頭を掻きむしる。何日も風呂に入っていないのか、フケが散っていた。
「……煽って悪かった。クソが。一番ガキなのは俺かもしれねぇな」
 ケーシスに釣られ、竜次も反省の言葉を呟いた。
「私も、もう少し強くジェフに言えばよかったかもしれません……」
 ミティアはしゃくりあげながら、肩を小刻みに震わせている。
「わたし、ジェフリーに嫌われちゃった……」
 ミティアをどう慰めればいいものか、竜次は困惑する。他にフォローできる人もこの場にいない。竜次はこういうときこそ自分は相手に寄り添ってあげるべきだと気づかされた。
「ジェフは本気でミティアさんを嫌いになんてなりませんよ。意地を張っているだけです。今までだって、文句は言っていましたが、途中で投げ出すことはなかったでしょう? 話せばわかってもらえますから……」
 失意と悲しみで、ミティアの心の中は軋む一方だった。
 サテラは子ども視点で、無邪気な質問をした。
「あのお兄さんはお父様に似ている人なのに、お父様ではダメな点に興味があります。お父様より優れた方なのですか?」
 ケーシスは怪訝な顔をしながら無精髭を撫でる。
「優れてはいねぇが、俺より人を殺してない」
 重い言葉にサテラが目を見開いた。
 サテラはケーシスの正体を知っていて、咎を受け入れている。ケーシスが技術に貢献しなかったら、サテラは生まれなかった。深く考えないようにしていたのに、複雑な気持ちが込み上げる。それでもサテラにとって、ケーシスは父親なのだ。
 ミティアは落ち着きを取り戻し、目を擦りながら立ち上がった。
「ごめんなさい。少し、外の空気が吸いたいです……」
 ここはスラムだ。外の空気が特別よいものではない。
 落ち込んだミティアに竜次が付き添う。
 鉄の扉の向こうは、冷え切った風が待っていた。狭い天を仰げば青空が見える。太陽は昇り切って一日の始まりを知らせていた。
 淀んだ街の空気が幾分かまともに思える。
 二人は見える範囲でジェフリーの姿を探す。見通しがいいため、姿がないのはすぐに把握した。
「きっと、ジェフはみんなの所に戻って愚痴っています。いつものことです」
 ちょっとだけ励ませたかもしれない。竜次はミティアの顔色をうかがう。
「ミティアさん、大丈夫ですよ……」
 竜次の言葉が届いているか怪しい。ミティアは考えごとをしているように、俯いている。
「わたしのせいで、みんなが苦しい思いをする。わたしなんて、やっぱり生きてちゃいけないんだ……」
 ミティアは突然暗い影を落とした。まるで別人のような横顔を見せる。
 竜次は強く名前を呼んだ。
「ミティアさんっ!」
「……っ?!」
 まるで正気に戻ったかのような反応に、竜次は違和感を覚え、質問をする。
「大丈夫ですか? ここはあまりいい空気ではないですが……」
「……」
 明らかにミティアの様子がおかしい。体調だけではない。精神面で何かを壊しかけている。この傷を自分が見過ごしたら、取り返しがつかないかもしれない。
「間違っても、『死にたい』と思わないで」
「あ…………」
 おそらくミティアは心の闇に耐えられなくなって、『死』を考えていた。竜次は核心を突いた。絶対に最悪の事態を回避させなければ。
 ミティアは柵に手をかけ、かぶりを振った。こんな自分じゃいけないと、言い聞かせているように見える。少なくともこうしている間は大丈夫だと、竜次は安心した。
「先生、わたしはどうするのが正解だったの?」
「正解、か……」
 難しい質問に、竜次も考え込んでいた。ただ、少し思うところを指摘した。
「正解はないです。でも、もしかしたら、ジェフはもっと頼って欲しかったのではないでしょうか。あの子は、私と違って親の愛情を知りません。だからきっと、愛し方もよくわからない。それでも、誰かに愛されていたいがために懸命で真っすぐで……」
 駄弁をしても仕方ないのだが、竜次なりの考えを述べる。
「本当に、夢中になったものを追い駆ける子どもみたいに真っすぐなんです。それが、ジェフのいいところかな。だから、わかってくれますよ。一時的にへそを曲げているだけですから……」
 その言葉に、ミティアは笑ってまた目を擦った。
「先生って、本当にジェフリーの保護者みたいですね」
「一緒に過ごす時間は短かったです。それでも、兄弟であることに変わりはありませんから、短いなりに私もあの子と向き合おうとはしました。あの子はこんなつまらない喧嘩で投げ出したりしません。信じてあげてください」
 知った口振りだが、ここで信じなかったら、何のための兄弟なのかわからない。ただ、竜次の中ではジェフリーの『逃げる』行為にずっと疑問を抱いていた。自分にとって都合の悪いことから逃げたくなるのは理解できる。だが、それにしては一方的に感情をぶちまけてしまう。不器用な人間の『壁』だ。
 そして竜次には、もう一つ、思うところがあった。ミティアの条件が亡くなった自分の大切な人と重なるのだ。自分の体は自分がわかっているはずだ。どんなに悪くても、大丈夫と言い張る。それなのに、心配をかけまいと振る舞う。すべては一緒の時間を少しでも長くともに過ごしたいからだ。自分は勝手に医者の道に走り、大切な人に寂しい思いをさせてしまった。
 竜次は自分と同じ道を歩んでほしくないと強く思った。
 ミティアの声が震える。
「ずっと一緒にいたくて、話したくなかった。ただ、それだけだったのに……」
 なかなか想いが重なったままではいてくれない。自分がこんなにも障壁まみれで、普通の女の子ではないのに、好きになってくれた。
 一緒に生きてほしいと言ってくれたジェフリーを裏切ってしまったかもしれない。
「ちゃんと話して謝りたい。わたし、やっぱりジェフリーが大好きなんです……」
 ミティアはジェフリーに謝りたいと悲願した。彼女を見て、竜次は行動を開始する。
「やれやれ、世話が焼けますね」
 竜次はカバンの中から薬草の袋と傷薬の瓶を取り出す。自分の手元に合ったストック分、全部だ。
「これを、お父様に渡してください」
「えっ、先生?」
「サキ君の試験までには戻ります。あの馬鹿な子を探さないと!!」
 ミティアに渡したあと、竜次は柵に手をかけ飛び降りた。
「せ、先生!?」
 ミティアは下を覗き込んだ。ここは二階、無茶が過ぎる。竜次はインドアなお医者さんと自称し、運動が得意ではないはず。そんな予感は的中し、着地に失敗して尻もちをついていた。スラムならではの土埃にまみれ、苦笑しながら服を叩いて立ち上がっている。
「あーあ、ショートカット失敗です。ジェフはこういうの、得意でしょうけどね。ちょっと、お兄ちゃんらしいことをして来ます!!」
 竜次は来た道を戻った。きっと宿に確認をしに行ったのだろう。その姿が見えなくなるまで、ミティアは見守っていた。

 私物も少ないアパートの一室。
 ケーシスはお湯を沸かして水を混ぜ、ぬるま湯の温度を確認をする。手には錠剤を持っていた。
 虚ろなサテラに対し、ケーシスは壁越しに詫びる。
「すまなかったな」
「あのお姉さんを、自分のお母様にできなかったことですか?」
 爆弾発言だ。ケーシスは口に含んでいたぬるま湯を壁に噴き出し、噎せ返した。
「……アホか」
 薬を飲む前で助かった。サテラがいつからこんなに茶目っ気のある子どもになったのかはわからない。もしかしたら、ミティアが関わったせいかもしれない。
 連れ出した当初は誰に対しても冷たく、無関心でケーシスにだけ絶対的な信頼を寄せていた。ところがミティアと触れ合ってから、人に優しくされるありがたみと命の尊さに気が付いたようだ。限られた時間の命の中で、自分は父親のケーシスに尽くして死ぬ。ただそれだけでいいと言っていた。そんなサテラが、もっと生きたいと願うようになったのだ。
 人間らしい感情。物心こそついているが、本当に子どもを育てているような感覚に、いつしかケーシスも本腰になっていた。
「自分は割と本気でした。『母親』を知りませんので」
「ガキじゃなくて熟女にしとけ」
 壁越しに聞こえる会話になっている。ケーシスは自分が自爆を招いていると気が付いた。
 もう一人、この場にいるのを忘れていた。
「はぁ……どうしましょう。憧れの作家、ケーシス様のシモの世話までできるのでしょうか。それはもう禁断の……」
「ない。お前はまだ、ギリギリ熟女じゃねぇだろ」
「ギリギリ熟女に満たないのであれば、ギリギリ熟女としても通りますね」
 油断すると壱子がだらしなくも下品な笑い声を立てる。それに応えるように、サテラの笑い声がする。
「明日もこんなくだらない話がしたいです……」
 サテラが急に笑うものだから、ケーシスが手早く薬を服用する。
「壱子、ちっとおつかいを頼まれてくれ」
「徹夜をして作った公式でもお役に立てますか?」
「まぁそんなところだ。金に糸目はつけねぇ。難しい機材があるから気を付けろよ」
 壱子が立ち上がってケーシスからメモを受け取る。本当におつかいのメモだ。
「承知いたしました。かなりございますね」
 壱子が華麗な身のこなしで窓から出て行った。玄関からではないのは、外の空気を吸いに行った二人を気遣ってなのだろうが、行儀が悪い。
 サテラはケーシスを見上げる。体はほとんど動かせない。
「お父様……?」
「うした? 寝るか?」
「いえ、今日は起きていたいです」
 ケーシスは窓を閉めて寝かしつけようとする。だが、サテラは起きていたいと望んだ。
 サテラは眠るのを怖がっている。
「眠ったら、次は目覚めない気がして……」
「ばかたれ、そんなこたぁあるか」
 本人は苦しんでいない。もし苦しいのなら、眠っている間に楽にさせてやろうと思った。そんな劇薬、ケーシスなら容易く手に入れられる。
 生に執着が出るなんて、想像しなかった。限りある時間くらい、息子として過ごさせてやればいいと思っていたのに、ケーシスも助けようと躍起になっている。
 妻のシルビナを助けてやれず、絶望した淵にルッシェナの甘い言葉に誘われ、人としての道理を外れた。こんな自分がまた誰かを助けたいと思うなんて、巡り合わせとは酷なものだ。
 ケーシスは人の気配を感じて背筋を伸ばした。
「ケーシスさん」
 静かな扉の閉め方がミティアらしい。気が付かなかった。彼女の手には竜次が持たせた袋と傷薬の瓶。背後を見るも、竜次の姿はない。ジェフリーを探しに出たのだろう。
「これ、先生が……」
 ケーシスは受け取って目を凝らす。
「あー……使えるかわからねぇが、成分くらいは調べるか」
 ケーシスは作業をしようにも、ミティアの見上げる視線が気になった。
「何だ? 俺と本気で楽しいことでもしたいのか?」
「ケーシスさんは悪い人じゃないから、そんなことしません」
 こう言われては逆に手が出しづらい。ケーシスは鼻で笑った。ケーシスが言った『楽しいこと』とはオトナの遊びだ。もちろん本気ではない。だが、ミティアには通用しないようだ。反応を楽しみしていたのに、するりと抜けてしまう。意外だった。
「姉ちゃん、本当はわかっていて言ってるだろ?」
「ふふっ……サテラの話し相手をしていいですか?」
 ケーシスは初めて見るミティアの表情だ。人を子馬鹿にしているような笑い方だが、決して嫌な気はしない。それどころか、彼女の魅力が増した。人間の汚いところを知って、弄んでいるようにも思える。ただでさえ、美人でスタイルも悪くないし性格だっていい。芯も強いし、ちゃんと自分の意見を持っている。
 ただ、時折不器用で、自分をよく見せようという意地も見え隠れしている。まるで、自分の魅せ方を知っているようにも思えた。
 ケーシスは棚に手を伸ばした。
「何もねぇけど、食うか?」
 食べ物と聞いてミティアは目を輝かせる。ケーシスが手にしているのは板チョコだ。
「わぁ、ありがとうケーシスさんっ!! いただきます!!」
 朝が早かったため、ジェフリーからもらった紅茶しか口にしていない。ご飯が出て来たわけでもないのに、ミティアはパキパキとおいしそうに頬張った。
 ミティアがケーシスから板チョコをご馳走してもらったのはこれで二度目だ。あまりに美味しそうに食べるので与えてしまうが、実はケーシスが定期的に自分で食べているため、ストックはしている。
 この幸せに頬張る表情に、何人が魅了されただろうか。

 一方、宿の食堂では、味気ない食卓を囲んでいた。女性三人とサキという異例の組み合わせだ。
 ホカホカの湯気が立っているお茶漬けを目の前にして、サキはうとうとと眠りそうになっていた。
「もう、どうしたのよ。まさか、あいつのいびきでよく眠れてない、とか!?」
 キッドに頬をつつかれ、ハッと目を覚ましている。もう何度、これを繰り返しただろうか。
 キッドの指摘は大当たり。サキはあまり寝つけなかった。起きたままでいれば、それもよかったであろう。だが、中途半端に睡眠をとってしまい、眠りも浅かった。
 横目で見ていたローズが指摘を入れる。
「食べないと冷めてしまうデス……」
 ローズは小難しい本を読みながらサキと同じお茶漬けを食べていた。付箋が上からたくさん飛び出している。どうも難しい本のようだ。
 コーディは深いため息をついた。
「ローズ、行儀悪いよ?」
「人の命がかかっているデス。ちょっとでもネ……」
 ローズは注意されても手を緩める様子はない。小難しい本は一般の人には理解ができない薬学の本だ。時折匙を置いて、胸ポケットからペンを取り出しては何かを書き込んでいる。まだ食事に参加するだけいいが、行儀が悪い。
 圭馬がここぞとばかりに毒舌を繰り出す。
「ちょっとメンツが揃わないだけで、こんなにメシマズになるなんてお粗末だなぁ。ホントにまとまりがない旅の御一行だよ」
 圭馬はキッドの手元にあるサラダをもらっては、むしゃむしゃと食べている。この場に不在の誰かに変わって、一番おいしそうに食べているかもしれない。ショコラはサキを気にかけていた。
 主人であることはもちろんだが、試験前なのにコンディションが最悪だ。当然、結果に響くだろう。
「食べたら仮眠を取るのはどうですかぁ?」
「ん……そうですね」
 勉強もしたいが、それどころではなさそうだ。自信がない。それ以前に眠い。

 まとまりがない一行。バラバラな食事をしているとバタバタと足音がした。
 この品のない足音は聞き覚えがあったが、予感は的中した。
「いたぁっ!!」
 声と足音の主は腰から大きなカバンを下げ、長い金髪をリボンで結った男性、竜次だ。
 探して走っていたようだ。人も少なかったため、食堂で少し目立ってしまった。
 竜次は目立ってしまった自覚を持ちながら、肩身も狭く、控えめになって席まで赴いた。サキの隣に腰かけ、呼吸を整える頃には、コーディがお水を入れたグラスを差し出していた。
「ありがとう、コーディちゃん」
「なんか、お兄ちゃん先生泥だらけじゃない?」
「へっ? 服ならちゃんと叩いたのに……」
「違うよ、顔……」
 コーディは呆れ顔だ。
 キッドが紙のおしぼりで竜次の頬を拭く。灰色と緑色をした埃が拭われた。苔か土か、よくわからない汚れだ。
「ほら、せっかくのかっこいい顔が台無しですよ」
「はぁ、面目ないです」
 せっかくなのに、空回り状態。いつもそうだ。
 竜次が一人であることと、慌てていた様子からサキが気にかける。
「えっと、やっぱりジェフリーさん、逃げちゃいました?」
「えええええ、サキ君、超絶鋭い!!」
 サキは反応を見て目頭を摘まんだ。何度か揉み解してため息をつく。それから目を覚ますように、ふやけたお茶漬けを口に入れた。一口食べてから、サキは言う。
「昨日、お風呂に入ってて相談されました。向き合える自信がない。逃げてしまうかもしれないって。僕はちゃんと話をするべきだって言いましたけどね」
 サキの言葉を聞いて、キッドがテーブルを拳で叩いた。ガチャンと食器が鳴る。
「またあいつが問題起こしてるの!? ホント、あり得ない。今度こそ本気でぶん殴ってやる……」
 キッドが立ち上がって拳を震わせる。
「それで、ミティアは大丈夫なんですか?」
 キッドは竜次に対し、ミティアの心配も添えた。竜次は皆の顔色もうかがう。
「残念ながらミティアさんがその場で倒れてしまい、ジェフにも気付かれてしまいました。ミティアさんの嫌な予感は的中してしまい、へそを曲げてどこかへ飛び出してしまいました」
 コーディもこの流れに呆れ気味である。ミティアの体調が芳しくない話が行っている自体はいいが、このままでは体調どころか関係が悪化のままだ。
「ミティアさんはお父様の所にいます。何かあればお父様が処置をしてくれるので安心です。とにかく、今はジェフを探さないと……」
 竜次の言葉に、ローズは本を閉じて立ち上がる。
「ワタシ、薬品を買いつつ、ケーシスの所に行くデス。ジェフ君を探すのは、お任せしますネ」
 いつも分担をまとめるジェフリーが不在だ。だが、竜次は深く頷いた。
「お父様のこと、お願いします……」
「先生サンは同じお医者サンでも、ワタシとは似て非なるものデス。メンタルケア……しっかり面倒見てあげてくださいネ?」
 ローズはお茶漬けを飲み干し、一足先に出て行った。
 竜次は使い魔の二人を拾い上げ、キッドとコーディに視線をおくる。竜次も出発をするつもりだ。
 サキも身を乗り出した。ジェフリーを探すのなら自分も参加したい。
「あ、僕も……」
 だが、キッドに両肩を押さえられ、座ったままになった。
「姉さん……?」
「あんたは自分に集中しなさい。夕方、見に行ってあげるから、頑張りなさいよ」
「で、でも……!!」
 使い魔も竜次の腕の中だ。返してくれとも言えず、サキは首を垂れている。
 竜次は深々と頭を下げた。
「本当は気持ちよく見送りたかったのですが、私にも責任があります。こんなときにばたついて申し訳ない……」
「僕こそすみません。やっぱりタイミングが悪かったですね……」
 サキの特例状には期日があった。せっかくその気になってくれたのに、タイミング悪かったかもしれない。だが、サキに責任はない。
 タイミングが悪かったと言えばそうかもしれない。だが、ジェフリーが自分勝手な行動をするのはまた違う理由だ。
 サキ以外は出かけるようだ。その流れで、コーディがサキに用事があることを思い出した。
「サキお兄ちゃん、これあげるよ」
 コーディはチョッキのポケットから結びのついたお守りを取り出して渡した。サキがまじまじとお守りを見つめる。
 綺麗な刺繍の模様が入っている紅白のお守りだ。
「えっ!?」
 お守りを見て、一番驚いていたのは竜次だった。なぜなら、沙蘭のシンボルフラワーである、桜の刺繍が入っているからだ。
「これ、姫子が書いた、直筆のお札が入っているお守りでは? 私ですら持っていないのに!!」
「たまたま行ったら最後の一個だった幸運のお守り。数か月前にたまたま沙蘭に立ち寄ったらもらえたの。効果なんて期待してなかったけど、こういう出会いがあったんだから、私にはこれ以上いい縁はないと思う」
 サキはお守りを握る。するとお守りの中で折り畳まれた和紙の音がした。
 肉親である竜次ですら持っていない貴重なものを、コーディが持っていたなんて。
 コーディはお守りという形で応援を示した。サキはこの厚意を素直に受け取った。
「ありがとう、コーディちゃん。必ずお返しします」
「それは巡りの効力があるから、次にいい縁があってほしい人にあげるといいんだって聞いたことがあるよ」
「本当にいいんですか?」
「出した物引っ込めるとかないでしょ。同い年として応援したいから、頑張ってね」
 コーディは淡々と応援の言葉を述べる。
 この二人は同い年だったのを、あらためて認識する。
 竜次とキッドがまるで寄り添うように仲良く並ぶ。
「いつもサキ君には助けられているのです。たまには私たちで解決しませんとね!!」
「そうね。あんたは自分のことに専念しなさい」
 サキは食堂に一人、残された。騒がしかったせいもあり、すっかり眠気などどこかへ行ってしまった。

「友だちを放っておくわけ、ないじゃないですか。ここはフィラノス。僕の庭です」
 サキは片付けを済ませいったん部屋に戻った。このまま試験を受けてもいいくらいには準備を整えている。もちろん身支度も。お守りはポケットに入れた。
 必要な書類はまとめてある。どうせ使い慣れた筆記用具以外は、試験が終わるまで没収されてしまう。
 サキは一人きりの部屋で忘れ物がないかを確認する。その過程で、ジェフリーが寝ていたベッドに目を向けた。文句の一つも言いたくなる。
「欠けていい仲間はいないって言ったのは、ジェフリーさんなのにね」
 ジェフリーはいびきもそうだが寝相もひどい。軽く換気のために窓を開け、それぞれの布団を整えた。
 連泊するのだが、忘れ物がないかもチェックを兼ねている。

 カラン

 金属の落ちる音がし、サキは床を這った。
 ジェフリーが寝ていたベッドから何か落ちた。短いリボンのついた髪留めが落ちている。摘まんで見覚えがあるものだと認識した。
「ミティアさんも考え過ぎだよなぁ。こんなもの持っているんだから、嫌いになんてなるはずがないですよ」
 ミティアが誕生日以前に身に着けていた髪留めだ。リボンから彼女のポプリの香りがする。持ち主だったジェフリーの寝相が悪くて、ポケットから零れたのだろう。
 サキは窓を閉め、財布などの貴重品をもう一度確認して部屋を出た。
 フロントに鍵を預ける。

 外に出ると、澄んだ青空に太陽。
 懐中時計で時間を確認し、サキは詠唱をしながら人差し指を八の字にぐるぐると描いた。
「皆さんから逃げられても、僕からは逃げられませんよ、ジェフリーさん……」
 サキは整った石畳を踏む。放たれた光はとある方向を導いていた。
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