91 / 463
第9部 倒錯のイグニス
#90 漆黒の毒爪②
しおりを挟む
百足丸亮介。
おかしな名前だ、と思う。
それが本名なのか、偽名なのかは、井沢にもわからない。
”採用”の際、特に調べることもしなかった。
しょせん、優越種に人間社会の戸籍など意味をなさないからだ。
正直、この男の能力からして、これ以上ぴったりの名前はないだろうというのが、井沢が抱いた感想である。
今、その百足丸は、拘束を解かれ、床に仰向けになったヤチカの傍らにしゃがみこんでいる。
井沢がヤチカの拘束を解いたのは、快楽中枢を活性化するチャクラを毒爪に直撃されたヤチカが、あまりにも激しく暴れ出したからだった。
が、百足丸はそれでも攻めの手を緩めようとしない。
人差し指の爪の1本は、横からヤチカの乳首をふたついっぺんに串刺しにし、もう1本はありえないほど勃起したクリトリスの中心部に深々と突き刺さっている。
ヤチカは全身を汗で濡らし、はあはあ荒い息を吐き続けていた。
時折ブリッジでもするかのように尻を高く持ち上げては、ペニスの挿入をねだって自ら激しく腰をグラインドさせる。
ヤチカの乳首とクリトリスには、井沢が装着したリングが固くはまっている。
磁気で神経を刺激する特別製のリングで、真布が杏里につけさせるべく、曙中学の校長、大山に送ったのと同じものだ。
そのリングの効果と百足丸の”鍼”で、ヤチカはすでに獣以下の存在になり果てていた。
油で揚げられる海老のように跳ね、のたうち回り、開き切った膣口から淫汁をまき散らすヤチカの痴態を、ソファに腰を埋めて見るともなく眺めながら、井沢はある種の感慨にふけっていた。
女は、変われば変わるものだ。
つくづくそう思う。
最初会った時のあの知的な雰囲気は、今のヤチカにはどこにもない。
繊細でエロチックな少女画で極めてコアなファンを持つ若い女流画家も、今ではひたすら男の性器を求める雌犬以下の存在になり下がってしまっている。
「どうする? まだ続けるか?」
そんな感慨にふけっていると、間延びした声で百足丸が言った。
「なんならフィニッシュとして、おっさんと俺のチンポを同時にぶっこんでやるって手もあるが、どうする?」
「いや、そのへんでいいだろう。あとは放っておけ。そのほうが、本人も深く反省するはずだ」
井沢は煙草に火をつけ、深々と煙を吸い込んだ。
百足丸の鍼で乳首と陰核を貫かれたヤチカは、さながら電子回路が不具合を起こしたロボットだった。
後頭部と踵を支点にして突然米つきバッタのように飛び跳ねたかと思うと、四肢で狂ったように床を叩く。
そのヤチカから、百足丸がおもむろに爪を抜いた。
「まあな。これだけ性感帯を刺激されて、チンポの1本も入れてもらえないというのは、盛りのついた女としてはさぞかし苦しいことだろうよ」
「元のように椅子に縛りつけておくんだ。オナニーもできないように」
「そこまでするってか。おうおう、可哀相に」
作業が終わると、のっそりと百足丸がソファに戻ってきた。
背が高いくせにひどい猫背で、髪も伸び放題に長いため、その姿は何日経ってもホームレスの時と大差ない。
「シアターの映像は見たか」
煙草を相手に勧めながら、井沢はたずねた。
「あの、女子中学生の、レスリングの練習風景か?」
うまそうに煙を吸い込んで、百足丸が言う。
「やられ役の娘がいただろう。あれがおまえのターゲットだ。あの顔を忘れるな」
「忘れるわけないだろ」
百足丸の無表情な顔に、初めて笑みらしきものが浮かんだ。
「あんなかわい子ちゃん、忘れようたって、忘れられないさ」
「だろうな」
井沢の口角が、酷薄な笑みの形に吊り上がる。
アイドル以上の美フェイスで、グラドルをしのぐ肉体の持ち主。
笹原杏里こそは、種の救済のために人類がつくりだした究極の美少女なのだ。
「とにかく、あの娘のエキス、おまえの鍼で、すべて搾り取ってやれ。手加減は要らない。いいな。わかったな」
ヤチカの代わりに狂態の限りを見せる杏里の裸身を想像し、ソファに腰をうずめたまま、井沢は激しく勃起していた。
おかしな名前だ、と思う。
それが本名なのか、偽名なのかは、井沢にもわからない。
”採用”の際、特に調べることもしなかった。
しょせん、優越種に人間社会の戸籍など意味をなさないからだ。
正直、この男の能力からして、これ以上ぴったりの名前はないだろうというのが、井沢が抱いた感想である。
今、その百足丸は、拘束を解かれ、床に仰向けになったヤチカの傍らにしゃがみこんでいる。
井沢がヤチカの拘束を解いたのは、快楽中枢を活性化するチャクラを毒爪に直撃されたヤチカが、あまりにも激しく暴れ出したからだった。
が、百足丸はそれでも攻めの手を緩めようとしない。
人差し指の爪の1本は、横からヤチカの乳首をふたついっぺんに串刺しにし、もう1本はありえないほど勃起したクリトリスの中心部に深々と突き刺さっている。
ヤチカは全身を汗で濡らし、はあはあ荒い息を吐き続けていた。
時折ブリッジでもするかのように尻を高く持ち上げては、ペニスの挿入をねだって自ら激しく腰をグラインドさせる。
ヤチカの乳首とクリトリスには、井沢が装着したリングが固くはまっている。
磁気で神経を刺激する特別製のリングで、真布が杏里につけさせるべく、曙中学の校長、大山に送ったのと同じものだ。
そのリングの効果と百足丸の”鍼”で、ヤチカはすでに獣以下の存在になり果てていた。
油で揚げられる海老のように跳ね、のたうち回り、開き切った膣口から淫汁をまき散らすヤチカの痴態を、ソファに腰を埋めて見るともなく眺めながら、井沢はある種の感慨にふけっていた。
女は、変われば変わるものだ。
つくづくそう思う。
最初会った時のあの知的な雰囲気は、今のヤチカにはどこにもない。
繊細でエロチックな少女画で極めてコアなファンを持つ若い女流画家も、今ではひたすら男の性器を求める雌犬以下の存在になり下がってしまっている。
「どうする? まだ続けるか?」
そんな感慨にふけっていると、間延びした声で百足丸が言った。
「なんならフィニッシュとして、おっさんと俺のチンポを同時にぶっこんでやるって手もあるが、どうする?」
「いや、そのへんでいいだろう。あとは放っておけ。そのほうが、本人も深く反省するはずだ」
井沢は煙草に火をつけ、深々と煙を吸い込んだ。
百足丸の鍼で乳首と陰核を貫かれたヤチカは、さながら電子回路が不具合を起こしたロボットだった。
後頭部と踵を支点にして突然米つきバッタのように飛び跳ねたかと思うと、四肢で狂ったように床を叩く。
そのヤチカから、百足丸がおもむろに爪を抜いた。
「まあな。これだけ性感帯を刺激されて、チンポの1本も入れてもらえないというのは、盛りのついた女としてはさぞかし苦しいことだろうよ」
「元のように椅子に縛りつけておくんだ。オナニーもできないように」
「そこまでするってか。おうおう、可哀相に」
作業が終わると、のっそりと百足丸がソファに戻ってきた。
背が高いくせにひどい猫背で、髪も伸び放題に長いため、その姿は何日経ってもホームレスの時と大差ない。
「シアターの映像は見たか」
煙草を相手に勧めながら、井沢はたずねた。
「あの、女子中学生の、レスリングの練習風景か?」
うまそうに煙を吸い込んで、百足丸が言う。
「やられ役の娘がいただろう。あれがおまえのターゲットだ。あの顔を忘れるな」
「忘れるわけないだろ」
百足丸の無表情な顔に、初めて笑みらしきものが浮かんだ。
「あんなかわい子ちゃん、忘れようたって、忘れられないさ」
「だろうな」
井沢の口角が、酷薄な笑みの形に吊り上がる。
アイドル以上の美フェイスで、グラドルをしのぐ肉体の持ち主。
笹原杏里こそは、種の救済のために人類がつくりだした究極の美少女なのだ。
「とにかく、あの娘のエキス、おまえの鍼で、すべて搾り取ってやれ。手加減は要らない。いいな。わかったな」
ヤチカの代わりに狂態の限りを見せる杏里の裸身を想像し、ソファに腰をうずめたまま、井沢は激しく勃起していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる