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第9部 倒錯のイグニス
#149 ふみ③
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だが、杏里には、わずかな間、気絶して悪夢から逃れる自由さえ、残されていないようだった。
身体を引きちぎるような遠心力。
そして、襲い来る衝撃。
杏里はすでに、ふみの右腕の一部と化している。
その杏里の身体を、こん棒で床を殴りつけるように、ふみがマットに叩きつけたのだ。
身体の下で乳房が潰れ、傷口から鮮血が飛び散った。
開いた大きな花弁のような血の海が、うつぶせになった杏里の裸体の周囲に広がっていく。
だが、まだ下半身が斜めに宙に浮いたままなのは、ふみが膣に腕を突っ込んでいるからだ。
ふみの手は杏里の体内で、子宮を握り締めている。
これほどの衝撃にも腕が抜けないのは、どうやらそれが原因らしい。
膣から内臓を引きずり出されるのも、もう時間の問題だった。
杏里は奇妙なオブジェと化して、右頬をマットに押しつけ、下半身を逆海老の形に反らしている。
ふみの太い手首を飲み込んだ陰部は限界までふくらみ、血の混じった多量の愛液を滴らせていた。
杏里の体液を吸い、ふみはすっかり狂ってしまったかのようだ。
その様子は、人形を壊すことに熱中する幼児のそれに酷似していた。
右手を杏里の股間にめり込ませたまま、今度は口をこじ開け、左手を口腔内に突っ込んできた。
力任せに舌をつかまれるのがわかった。
舌と子宮を同時に鷲掴みにして、ふみが杏里の裸身を背中側にぎりぎりと折り曲げにかかった。
杏里の喉から、断続的にくぐもった声が漏れた。
苦痛からの呻きというより、それは敏感な個所を愛撫された時に女が上げる甘い嬌声に似ていた。
口と股間に両手を突っ込んだまま、ふみが杏里を抱え上げる。
頭上に高々と差し上げられて、杏里の背骨がみしみし音を立て始めた。
その奇怪な”儀式”を、600人のまなざしがじっと注視している。
しわぶきの音ひとつ起こらない静けさだ。
あまりの異常さに、誰もが思考を停止し、言葉を失ってしまっているのに違いない。
ふみが力を籠めるたび、杏里の後頭部と踵が近づいていく。
内容物を脂肪層ごと吸いつくされて萎びた乳房と、丸太のように太い腕を突っ込まれて裂けた血まみれの陰部が、観衆の前に見世物のようにさらけ出されている。
その杏里の無残な裸身を逆Uの字型になるまでへし折ると、獣のように咆哮し、ふみがコーナーポストにその身体を叩きつけた。
脇腹から鉄のポストに激突し、杏里の中で肋骨の籠が砕け散る。
その杏里の口と膣から、ゆっくりと両手を抜くふみ。
己の手になる芸術作品を鑑賞するように、一歩下がって鉄柱に突き刺さった杏里を眺めている。
右の脇腹を貫かれ、横倒しの姿勢で宙に浮いた杏里は、それでもまだ意識を保っていた。
その眼が見つめているのは、ふみではない。
己の血にまみれた鎖骨のあたりである。
血の気を失った杏里の顔に、わずかに驚きの表情が浮かんだようだった。
刻印が、出ていない。
今になってやっと、杏里はそのことに気づいたのだ。
身体を引きちぎるような遠心力。
そして、襲い来る衝撃。
杏里はすでに、ふみの右腕の一部と化している。
その杏里の身体を、こん棒で床を殴りつけるように、ふみがマットに叩きつけたのだ。
身体の下で乳房が潰れ、傷口から鮮血が飛び散った。
開いた大きな花弁のような血の海が、うつぶせになった杏里の裸体の周囲に広がっていく。
だが、まだ下半身が斜めに宙に浮いたままなのは、ふみが膣に腕を突っ込んでいるからだ。
ふみの手は杏里の体内で、子宮を握り締めている。
これほどの衝撃にも腕が抜けないのは、どうやらそれが原因らしい。
膣から内臓を引きずり出されるのも、もう時間の問題だった。
杏里は奇妙なオブジェと化して、右頬をマットに押しつけ、下半身を逆海老の形に反らしている。
ふみの太い手首を飲み込んだ陰部は限界までふくらみ、血の混じった多量の愛液を滴らせていた。
杏里の体液を吸い、ふみはすっかり狂ってしまったかのようだ。
その様子は、人形を壊すことに熱中する幼児のそれに酷似していた。
右手を杏里の股間にめり込ませたまま、今度は口をこじ開け、左手を口腔内に突っ込んできた。
力任せに舌をつかまれるのがわかった。
舌と子宮を同時に鷲掴みにして、ふみが杏里の裸身を背中側にぎりぎりと折り曲げにかかった。
杏里の喉から、断続的にくぐもった声が漏れた。
苦痛からの呻きというより、それは敏感な個所を愛撫された時に女が上げる甘い嬌声に似ていた。
口と股間に両手を突っ込んだまま、ふみが杏里を抱え上げる。
頭上に高々と差し上げられて、杏里の背骨がみしみし音を立て始めた。
その奇怪な”儀式”を、600人のまなざしがじっと注視している。
しわぶきの音ひとつ起こらない静けさだ。
あまりの異常さに、誰もが思考を停止し、言葉を失ってしまっているのに違いない。
ふみが力を籠めるたび、杏里の後頭部と踵が近づいていく。
内容物を脂肪層ごと吸いつくされて萎びた乳房と、丸太のように太い腕を突っ込まれて裂けた血まみれの陰部が、観衆の前に見世物のようにさらけ出されている。
その杏里の無残な裸身を逆Uの字型になるまでへし折ると、獣のように咆哮し、ふみがコーナーポストにその身体を叩きつけた。
脇腹から鉄のポストに激突し、杏里の中で肋骨の籠が砕け散る。
その杏里の口と膣から、ゆっくりと両手を抜くふみ。
己の手になる芸術作品を鑑賞するように、一歩下がって鉄柱に突き刺さった杏里を眺めている。
右の脇腹を貫かれ、横倒しの姿勢で宙に浮いた杏里は、それでもまだ意識を保っていた。
その眼が見つめているのは、ふみではない。
己の血にまみれた鎖骨のあたりである。
血の気を失った杏里の顔に、わずかに驚きの表情が浮かんだようだった。
刻印が、出ていない。
今になってやっと、杏里はそのことに気づいたのだ。
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