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第9部 倒錯のイグニス
#259 シークレット・イベント当日⑦
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「あれ? 杏里? もう僕の出番なの?」
中身のはみ出たボロボロのソファから身を起こすと、寝ぼけまなこで重人が訊いてきた。
足元に散乱しているのは、コンビニ弁当の空き箱や菓子パンのビニール袋。
杏里がきのう差し入れた食料の成れの果てだ。
寝起きで眼鏡を外している重人は、いつも以上に幼く見える。
手探りで眼鏡を探し当て、鼻の上に乗せると、きょとんとした顔で杏里を見た。
「ううん、まだ。連絡はスマホでするから、それまでここで待機してるのよ。絶対に出ちゃだめだからね」
「もう、いい加減家に帰りたいよ。お風呂にも入りたいし、もっとまともなものが食べたいよ」
「いいから言う通りにするの。どうせあんたんとこは、日曜日で学校休みなんでしょ!」
駄々をこねる重人を一喝する杏里。
「そんなこと言ったって…」
なおも重人が抗議しようと口を開きかけた時だった。
-2年E組の笹原杏里さん。至急、職員室に来てください。ほかの生徒は、指示があるまで各教室で待機するように。繰り返します。2年E組の笹原杏里さん…-
「呼んでるよ」
重人に指摘されるまでもなかった。
放送部の女子の声である。
このタイミングで放送が入るということは、生徒たちの大部分が登校し終わったに違いない。
「なぜ職員室?」
最初はあの校庭の特設シアターからのスタートだと思っていたのに。
「じゃ、行くから」
片手を上げて重人に別れを告げると、杏里は空き家の部室を後にした。
正門からエントランスの舗道には、思った通り生徒たちの姿はすでにない。
いつもならぎりぎりになって駆け込んでくる者たちが後を絶たないのに、きょうに限って猫の子一匹いないのだ。
それだけ生徒たちがイベントに期待を寄せている証拠かもしれなかった。
「笹原です。入ります」
職員室に着き、外から声をかけると、
「入りたまえ」
校長の大山の声が返ってきた。
引き戸を開けて、おそるおそる中に踏みこんだ。
杏里を迎えるように、教師たちが立ち並んでいる。
ぞっとしたのは、全員、何かに憑かれたような眼をしていることだ。
今朝のバスの乗客たちの視線。
それと同じものを感じて、杏里は嫌な気分になった。
「よく来てくれた。待ってたよ」
大山が進み出て、大げさに杏里の肩を抱く。
「相変らず、素晴らしい…。その姿、君はまるで楽園を追われた堕天使だ」
身体を離し、露出度の多い杏里の衣装をしげしげと眺めやる。
「これは、いったい?」
小声でたずねると、大山がわが意を得たりとばかりにうなずいた。
「何事もフェアに行こうと思ってね。開会式の前に、君にはあらかじめ言っておいたほうがいいと思ったんだ」
「…なんですか?」
「決を採った結果、われわれ教師陣も、このイベントに全員一致で参戦することにした。皆、かなりのストレスを溜めていて、浄化が必要な者も多いのだ。そこで、教師が君をモノにした場合、報酬は、ボーナス200パーセントアップとして、参加者を募ってみたのだが…そしたら、全員出たいというのでね。まあ、君も、子ども相手ばかりではつまらないだろうと思ってな。この職員室を根城にする、教師チームを編成したというわけだ」
「我々って…長先生も、ですか?」
あきれて杏里は訊き返した。
女生徒を追い回して裸に剥き、陰部からクリトリスリングを外す。
そんなイベントに、希望者だけでなく、全員の教師が参加するなんて…。
それではもはや、学校あげての犯罪行為ではないか。
今更ながらに、そう思う。
「もちろんだよ」
ズボンの前を杏里の下腹にこすりつけながら、大山が喜色満面の顔で言った。
「私も存分に楽しませてもらおうと思っているよ」
大山のズボンの前は、中身の形がわかるほど、すでに硬く太くしこっていた。
中身のはみ出たボロボロのソファから身を起こすと、寝ぼけまなこで重人が訊いてきた。
足元に散乱しているのは、コンビニ弁当の空き箱や菓子パンのビニール袋。
杏里がきのう差し入れた食料の成れの果てだ。
寝起きで眼鏡を外している重人は、いつも以上に幼く見える。
手探りで眼鏡を探し当て、鼻の上に乗せると、きょとんとした顔で杏里を見た。
「ううん、まだ。連絡はスマホでするから、それまでここで待機してるのよ。絶対に出ちゃだめだからね」
「もう、いい加減家に帰りたいよ。お風呂にも入りたいし、もっとまともなものが食べたいよ」
「いいから言う通りにするの。どうせあんたんとこは、日曜日で学校休みなんでしょ!」
駄々をこねる重人を一喝する杏里。
「そんなこと言ったって…」
なおも重人が抗議しようと口を開きかけた時だった。
-2年E組の笹原杏里さん。至急、職員室に来てください。ほかの生徒は、指示があるまで各教室で待機するように。繰り返します。2年E組の笹原杏里さん…-
「呼んでるよ」
重人に指摘されるまでもなかった。
放送部の女子の声である。
このタイミングで放送が入るということは、生徒たちの大部分が登校し終わったに違いない。
「なぜ職員室?」
最初はあの校庭の特設シアターからのスタートだと思っていたのに。
「じゃ、行くから」
片手を上げて重人に別れを告げると、杏里は空き家の部室を後にした。
正門からエントランスの舗道には、思った通り生徒たちの姿はすでにない。
いつもならぎりぎりになって駆け込んでくる者たちが後を絶たないのに、きょうに限って猫の子一匹いないのだ。
それだけ生徒たちがイベントに期待を寄せている証拠かもしれなかった。
「笹原です。入ります」
職員室に着き、外から声をかけると、
「入りたまえ」
校長の大山の声が返ってきた。
引き戸を開けて、おそるおそる中に踏みこんだ。
杏里を迎えるように、教師たちが立ち並んでいる。
ぞっとしたのは、全員、何かに憑かれたような眼をしていることだ。
今朝のバスの乗客たちの視線。
それと同じものを感じて、杏里は嫌な気分になった。
「よく来てくれた。待ってたよ」
大山が進み出て、大げさに杏里の肩を抱く。
「相変らず、素晴らしい…。その姿、君はまるで楽園を追われた堕天使だ」
身体を離し、露出度の多い杏里の衣装をしげしげと眺めやる。
「これは、いったい?」
小声でたずねると、大山がわが意を得たりとばかりにうなずいた。
「何事もフェアに行こうと思ってね。開会式の前に、君にはあらかじめ言っておいたほうがいいと思ったんだ」
「…なんですか?」
「決を採った結果、われわれ教師陣も、このイベントに全員一致で参戦することにした。皆、かなりのストレスを溜めていて、浄化が必要な者も多いのだ。そこで、教師が君をモノにした場合、報酬は、ボーナス200パーセントアップとして、参加者を募ってみたのだが…そしたら、全員出たいというのでね。まあ、君も、子ども相手ばかりではつまらないだろうと思ってな。この職員室を根城にする、教師チームを編成したというわけだ」
「我々って…長先生も、ですか?」
あきれて杏里は訊き返した。
女生徒を追い回して裸に剥き、陰部からクリトリスリングを外す。
そんなイベントに、希望者だけでなく、全員の教師が参加するなんて…。
それではもはや、学校あげての犯罪行為ではないか。
今更ながらに、そう思う。
「もちろんだよ」
ズボンの前を杏里の下腹にこすりつけながら、大山が喜色満面の顔で言った。
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