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第10部 姦禁のリリス
#77 板挟み①
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杏里は落ち着かなかった。
ワンボックスカーの3列シートの中央に、杏里は座っている。
もちろん、裸のままだ。
全裸には慣れているが、問題は、両隣のふたりだった。
右側には由羅、左側にはルナが腰かけているのだ。
後部座席は、富樫博士とふたりの老婆。
助手席に重人、そしてドライバーが御門塔子といった配置である。
由羅とルナに再会できたのはうれしかった。
特に、死んだと思っていた由羅の元気な姿を目の当たりにするのは、泣き出したいほどの感動だった。
生きている由羅を見た瞬間杏里が感じたのは、心の底がじんわり温かくなるような哀切の念だった。
杏里を救うために命を投げ出してくれた由羅ー。
その由羅に、私はどうしようもないほど惹かれている・・・。
が、その思いをあからさまに口にできないのは、もちろん、そばにルナがいるからだ。
由羅が行方をくらました後、杏里は必然的に新たなパートナーとなったルナに心惹かれた。
まだそれほど深くはないが、体の関係も、何度か持っている。
そしてルナのほうも、その思いに応えてくれたのだが・・・。
今になって思うのだ。
あれは、由羅がいなくなった後の心の隙間を埋めるための、杏里自身の心理的な防御作用に過ぎなかったのではないかと・・・。
現在、由羅と杏里は対照的な態度をとっている。
固く肩をすぼめて凍りついたようにうつむいたままのルナ。
それに比べ、シートにふんぞり返り、ブーツを履いた脚を高く組んだ由羅は、出会った頃のあのやんちゃで気まぐれな性格に戻っているように見える。
短い会話の中で杏里が知ったのは、死に瀕した由羅を、後ろの席の老博士が助けたらしいということだけだ。
どんな処方を受けたのかまでは知らないが、どうやらその過程で由羅は心身ともにかなり若返ってしまったらしい。
何を話そうか悩んでいると、その由羅がいきなり杏里を振り向いて、悪戯っぽく眉を吊り上げた。
「あ、そうそう。杏里、おまえ、どうせ裸でいるなら、そっちのハーフ女をちょっと慰めてやってくれないか? どうもそいつ、ヤチカに調教されて、身体が疼いて仕方ないらしいんだ。零を叩き潰すには、どうしたってそいつの力が要る。すっきりした気分で力を発揮できるように、ここで少し浄化の真似事をしてやってほしいんだ。どうせ、ばあさんの工房まではまだ時間がかかるんだし、その間に、いいだろう?」
「え? ここで?」
杏里は仰天して、ついルナの横顔に見入ってしまった。
ヤチカさんに、調教?
じゃあ、さっきからルナが大人しいのは、性欲を我慢してるからってこと?
「やめてよ」
と、ルナがキッと顔を上げ、杏里を通り越して由羅を睨みつけた。
「私、そんなんじゃない! 杏里の前で、私のこと、淫乱みたいに言わないで!」
「なにかっこつけんだよ」
由羅が鼻で嗤った。
「ここに来る前まで、ヤチカにやられてるとこ想像して、ひとりでオナってたくせに」
ワンボックスカーの3列シートの中央に、杏里は座っている。
もちろん、裸のままだ。
全裸には慣れているが、問題は、両隣のふたりだった。
右側には由羅、左側にはルナが腰かけているのだ。
後部座席は、富樫博士とふたりの老婆。
助手席に重人、そしてドライバーが御門塔子といった配置である。
由羅とルナに再会できたのはうれしかった。
特に、死んだと思っていた由羅の元気な姿を目の当たりにするのは、泣き出したいほどの感動だった。
生きている由羅を見た瞬間杏里が感じたのは、心の底がじんわり温かくなるような哀切の念だった。
杏里を救うために命を投げ出してくれた由羅ー。
その由羅に、私はどうしようもないほど惹かれている・・・。
が、その思いをあからさまに口にできないのは、もちろん、そばにルナがいるからだ。
由羅が行方をくらました後、杏里は必然的に新たなパートナーとなったルナに心惹かれた。
まだそれほど深くはないが、体の関係も、何度か持っている。
そしてルナのほうも、その思いに応えてくれたのだが・・・。
今になって思うのだ。
あれは、由羅がいなくなった後の心の隙間を埋めるための、杏里自身の心理的な防御作用に過ぎなかったのではないかと・・・。
現在、由羅と杏里は対照的な態度をとっている。
固く肩をすぼめて凍りついたようにうつむいたままのルナ。
それに比べ、シートにふんぞり返り、ブーツを履いた脚を高く組んだ由羅は、出会った頃のあのやんちゃで気まぐれな性格に戻っているように見える。
短い会話の中で杏里が知ったのは、死に瀕した由羅を、後ろの席の老博士が助けたらしいということだけだ。
どんな処方を受けたのかまでは知らないが、どうやらその過程で由羅は心身ともにかなり若返ってしまったらしい。
何を話そうか悩んでいると、その由羅がいきなり杏里を振り向いて、悪戯っぽく眉を吊り上げた。
「あ、そうそう。杏里、おまえ、どうせ裸でいるなら、そっちのハーフ女をちょっと慰めてやってくれないか? どうもそいつ、ヤチカに調教されて、身体が疼いて仕方ないらしいんだ。零を叩き潰すには、どうしたってそいつの力が要る。すっきりした気分で力を発揮できるように、ここで少し浄化の真似事をしてやってほしいんだ。どうせ、ばあさんの工房まではまだ時間がかかるんだし、その間に、いいだろう?」
「え? ここで?」
杏里は仰天して、ついルナの横顔に見入ってしまった。
ヤチカさんに、調教?
じゃあ、さっきからルナが大人しいのは、性欲を我慢してるからってこと?
「やめてよ」
と、ルナがキッと顔を上げ、杏里を通り越して由羅を睨みつけた。
「私、そんなんじゃない! 杏里の前で、私のこと、淫乱みたいに言わないで!」
「なにかっこつけんだよ」
由羅が鼻で嗤った。
「ここに来る前まで、ヤチカにやられてるとこ想像して、ひとりでオナってたくせに」
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