リバース醜少女戦士 玉 

戸影絵麻

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#19 美醜審問会③

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 体育館は、ものものしい雰囲気に包まれていた。
 いつのまに、こんな準備をしたのだろう。
 午前中、体育の授業で使った時とは、様変わりしてしまっていた。
 集合時間よりかなり早く到着した玉は、渡り廊下の端からおそるおそる体育館の正面玄関を眺めている。
 まず、選挙の投票所みたいに、大きな立て看板が出ていた。
『文部科学省認定 美醜審問会』
 墨で書かれた流麗な文字が、春の午後の日差しを浴びて、禍々しく輝いている。
 更に異様なのは、建物の横に何台もの救急車が停まっていることだった。
 どうして、救急車が…。
 不吉な予感に、背筋が寒くなる。
 メルは、何を始める気なんだろう?
 
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