超短くても怖い話【ホラーショートショート集】

戸影絵麻

文字の大きさ
463 / 605

#439話 妖怪探偵局⑤

しおりを挟む
「行くぜ」
 スロットル全開で飛び出すと、化け物たちに十分差をつけてから、あたしは急角度でスピンをかけた。
「うは! お、落ちるって!」
 一平が乳房をぎゅんづかみして叫んだ。
 バイクを止めると、下半身のない女の悪霊たちが、両腕を風車のように回転させてものすごい勢いで迫ってくるところだった。
 これがテケテケ?
 列車に飛び込んで自殺した女たちの悪霊ってか?
「どうすんだよ? こんなとこで止まっちゃってさ? 逃げないとやばいよ」
 一平はほとんど半泣きである。
「逃げてもらちが明かないさ。ああいうのは、元を絶たないと」
「だから、どうやって」
「あたしが悪役令嬢だってこと、忘れたか」
「い、いや、別に、忘れてないけど」
「悪役令嬢に、不可能の文字はない」
 あたしはやにわにセーラー服をたくし上げ、ブラに包まれた巨乳をあらわにした。
「な、何してんだよ? テケテケに色仕掛けは効かないぜ。だってあいつら、女なんだしさ」
「秘密兵器だよ」
 言うなりあたしはブラを引き下げた。
 ぼよんと飛び出すロケットおっぱい。
 両脚でバイクを支え、両手を下乳に添えて、乳首を敵に向けてやる。
「秘密兵器って…?」
 一平が訊いてきた。
 その言葉をかき消すように、私は叫んだ。
「これぞ、悪役令嬢の奥義。究極の必殺技」
 照準を定め、カチっと音がするまで奥歯のスイッチをかみしめた。
「くらえ! おっぱいビーム!」
 ふたつの乳首から、めくるめく光の奔流がほとばしる。
 ぎゃあ。
 絶叫しながら丸焼けになっていく悪霊たち。
「すげえ」
 すべてが終わった時、放心したように一平がつぶやいた。
「恐るべし、悪役令嬢…」
「ふん」
 ブラに元通り乳房を押し込みながら、私は鼻で笑ってやった。
「なんのこれしき。まだまだこんなの序の口さ」
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

処理中です...