32 / 230
ACT4 同棲
#9 リコ②
しおりを挟む
その夜。
「おいしいですねえ」
「ああ、ジャンクフードにしては、まあまあだな」
アリアとハルがしゃべっている。
「ジャンクフードは、余分だろ」
リコはエネルギーの補給に余念がない。
次に変身できるようにするためには、3人前は食べる必要がある。
なのに太らないのは、摂取したエネルギーを変身であっという間に消費してしまうからだ。
それにしても、と思う。
いつもはエアコンを入れても寒いのに、今夜に限ってむんむんするほど暑い。
ひとが3人も集まると、こういうものなのか。
3枚目のピザを食べ終え、ぐびぐびコーラを飲み干しながら、リコは感慨にふけっていた。
もっとも、ハルが人間だという保証はどこにもない。
それを言うなら、アリアもそうだ。
謎の組織や怪獣に命を狙われるなんて、断じて普通ではないからだ。
それでも蒸し暑いことには変わりがなく、リコはスウェットの上を脱いで、タンクトップ一枚の軽装だ。
下はトレーニング用のボクサーパンツ。
横にスリットが入っているから、動きやすい。
「では、明日は3人でお買い物ということで」
にこにこしながら、アリアが言う。
ダイエット中なのか、遠慮しているのか、アリアはフライドポテトとアップルパイしか食べていない。
ハルは意外と大食いで、リコほどではないにせよ、すでにLサイズのピザ2枚を片づけている。
ここは2階の食堂である。
10人掛けの長テーブルと、正面の壁にテレビがひとつ。
右手が厨房のカウンターで、左手の壁に窓がある。
もとは住み込み外国人労働者の社員食堂だったこの部屋を、リコは今まで使っていなかった。
ひとりで食事をするには広すぎるからだ。
だが、同居人がふたりも増えたとなると、きょうからはここを食堂にするほかなかった。
その意味では厨房のほうも使えるようにするべきなのだろうが、面倒なのでそれはアリアに頼むつもりでいる。
「それはわかったから、子どもはもう寝なさい」
ナプキンで口のあたりを拭きながら、母親のような口調でハルが言う。
「きょうは色々あって、アリアも疲れてるでしょ。寝れば何か思い出すかもしれないし」
「えー、でもまだ10時ですよぉ、アリア、テレビも見たいし、もっとリコさまとお話もしていたいですぅ」
ハルが眼鏡の奥からじろりとアリアを睨みつけた。
「いいから寝るんだ。私はリコに話がある」
ハルの語調が、母親のそれから刑事の命令調に変わる。
「はあい」
アリアが不承不承引っ込むと、ハルがリコのほうに身を乗り出した。
「さあ、話してもらおうか。リコ、おまえの秘密を」
「おいしいですねえ」
「ああ、ジャンクフードにしては、まあまあだな」
アリアとハルがしゃべっている。
「ジャンクフードは、余分だろ」
リコはエネルギーの補給に余念がない。
次に変身できるようにするためには、3人前は食べる必要がある。
なのに太らないのは、摂取したエネルギーを変身であっという間に消費してしまうからだ。
それにしても、と思う。
いつもはエアコンを入れても寒いのに、今夜に限ってむんむんするほど暑い。
ひとが3人も集まると、こういうものなのか。
3枚目のピザを食べ終え、ぐびぐびコーラを飲み干しながら、リコは感慨にふけっていた。
もっとも、ハルが人間だという保証はどこにもない。
それを言うなら、アリアもそうだ。
謎の組織や怪獣に命を狙われるなんて、断じて普通ではないからだ。
それでも蒸し暑いことには変わりがなく、リコはスウェットの上を脱いで、タンクトップ一枚の軽装だ。
下はトレーニング用のボクサーパンツ。
横にスリットが入っているから、動きやすい。
「では、明日は3人でお買い物ということで」
にこにこしながら、アリアが言う。
ダイエット中なのか、遠慮しているのか、アリアはフライドポテトとアップルパイしか食べていない。
ハルは意外と大食いで、リコほどではないにせよ、すでにLサイズのピザ2枚を片づけている。
ここは2階の食堂である。
10人掛けの長テーブルと、正面の壁にテレビがひとつ。
右手が厨房のカウンターで、左手の壁に窓がある。
もとは住み込み外国人労働者の社員食堂だったこの部屋を、リコは今まで使っていなかった。
ひとりで食事をするには広すぎるからだ。
だが、同居人がふたりも増えたとなると、きょうからはここを食堂にするほかなかった。
その意味では厨房のほうも使えるようにするべきなのだろうが、面倒なのでそれはアリアに頼むつもりでいる。
「それはわかったから、子どもはもう寝なさい」
ナプキンで口のあたりを拭きながら、母親のような口調でハルが言う。
「きょうは色々あって、アリアも疲れてるでしょ。寝れば何か思い出すかもしれないし」
「えー、でもまだ10時ですよぉ、アリア、テレビも見たいし、もっとリコさまとお話もしていたいですぅ」
ハルが眼鏡の奥からじろりとアリアを睨みつけた。
「いいから寝るんだ。私はリコに話がある」
ハルの語調が、母親のそれから刑事の命令調に変わる。
「はあい」
アリアが不承不承引っ込むと、ハルがリコのほうに身を乗り出した。
「さあ、話してもらおうか。リコ、おまえの秘密を」
0
あなたにおすすめの小説
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる