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ACT7 アリア奪回
#11 ハル④
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窓ガラスの割れる音に、マンションの角を回って裏の路地に飛び出したハルは、見た。
地面にリコが倒れている。
そして、その胸が光輝に包まれている。
ダイヤモンドのきらめきを放つ乳房がせり上がり、そのなかで光の粒子が渦巻いているのだ。
ふと、頭上から鳥のごとき咆哮が聞えてきた。
窓から黒い影が躍り出たかと思うと、巨大な猿の形を取った。
両腕の先の鉤爪を振りかざし、まっすぐにリコめがけて落ちていく。
その瞬間、リコの叫びが空気をつんざいた。
「くらえ! 必殺、おっぱいビーム!」
おっぱい、ビーム?
あまりのネーミングセンスに、わが耳を疑った時である。
リコのダイヤモンドの乳房から、二筋の光の矢が放たれた。
まばゆいばかりのビームが垂直に立ち上がり、落下途中の怪人を貫いた。
「ギャアアアアッ!」
絶叫する大猿が、空中で光の粒子に包まれ、消えていく。
ポンッ。
何かが爆ぜるような音がして、消滅した。
『マジでっか』
ハルの前頭葉で、セラフィムがつぶやいた。
『なんちゅうすさまじい光子エネルギーや。ありゃ、誓ってこの星の技術やおまへんで』
『あれが、MILKYの必殺技か…。ふふ、ますますおもしろい。リコは、正真正銘の正義のヒーローというわけだ』
「大丈夫か?」
近寄ると、リコはすでに変身を解いていた。
今回は初めから準備していたのか、あのひも状水着を身につけている。
股間から切れ上がった二筋の紐が、Vの字型に伸び、かろうじて乳首の先だけを隠しているのだ。
「ハル…」
リコが目を開いた。
気のせいか、ずいぶん苦しそうだ。
「アリアを、アリアを頼む…」
かすれ声でそうつぶやくと、がっくりと首を折る。
どうやら、気を失ってしまったらしい。
そこに、パタパタと軽い足音を立てて、アリアが駆けてきた。
「あ、ハル! リコさまが、リコさまが、たいへんなんですぅ!」
長すぎる学ランの袖を振り回し、ハルの周りをぴょんぴょん飛び跳ねる。
「どうした? 何があったんだ?」
「あの、毛珍坊とかいう怪人が、リコさまに、ど、毒を…」
「毒?」
「怪人の爪に、毒が塗ってあったみたいなんですぅ!」
それでか。
それで、リコはこのありさまなのだ。
たぶん、神経毒の一種だろう。
手足の筋肉が麻痺する程度ならいいが、心臓や呼吸器系に毒素が回るとやっかいだ。
ハルは腰をかがめると、流れるような動作で、自分より大柄なリコを、軽々と抱き上げた。
「そのへんにリコのコートが落ちている。悪いがアリア、それを拾ってきてくれ。とりあえず、基地に運んで治療しよう。なあに、大丈夫だ。治療装置なら私が持っている」
「あいあいさあ!」
アリアが飛び上がって、敬礼した。
「ついでにタクシーも呼んできますから、ここで待っててくださいね!」
地面にリコが倒れている。
そして、その胸が光輝に包まれている。
ダイヤモンドのきらめきを放つ乳房がせり上がり、そのなかで光の粒子が渦巻いているのだ。
ふと、頭上から鳥のごとき咆哮が聞えてきた。
窓から黒い影が躍り出たかと思うと、巨大な猿の形を取った。
両腕の先の鉤爪を振りかざし、まっすぐにリコめがけて落ちていく。
その瞬間、リコの叫びが空気をつんざいた。
「くらえ! 必殺、おっぱいビーム!」
おっぱい、ビーム?
あまりのネーミングセンスに、わが耳を疑った時である。
リコのダイヤモンドの乳房から、二筋の光の矢が放たれた。
まばゆいばかりのビームが垂直に立ち上がり、落下途中の怪人を貫いた。
「ギャアアアアッ!」
絶叫する大猿が、空中で光の粒子に包まれ、消えていく。
ポンッ。
何かが爆ぜるような音がして、消滅した。
『マジでっか』
ハルの前頭葉で、セラフィムがつぶやいた。
『なんちゅうすさまじい光子エネルギーや。ありゃ、誓ってこの星の技術やおまへんで』
『あれが、MILKYの必殺技か…。ふふ、ますますおもしろい。リコは、正真正銘の正義のヒーローというわけだ』
「大丈夫か?」
近寄ると、リコはすでに変身を解いていた。
今回は初めから準備していたのか、あのひも状水着を身につけている。
股間から切れ上がった二筋の紐が、Vの字型に伸び、かろうじて乳首の先だけを隠しているのだ。
「ハル…」
リコが目を開いた。
気のせいか、ずいぶん苦しそうだ。
「アリアを、アリアを頼む…」
かすれ声でそうつぶやくと、がっくりと首を折る。
どうやら、気を失ってしまったらしい。
そこに、パタパタと軽い足音を立てて、アリアが駆けてきた。
「あ、ハル! リコさまが、リコさまが、たいへんなんですぅ!」
長すぎる学ランの袖を振り回し、ハルの周りをぴょんぴょん飛び跳ねる。
「どうした? 何があったんだ?」
「あの、毛珍坊とかいう怪人が、リコさまに、ど、毒を…」
「毒?」
「怪人の爪に、毒が塗ってあったみたいなんですぅ!」
それでか。
それで、リコはこのありさまなのだ。
たぶん、神経毒の一種だろう。
手足の筋肉が麻痺する程度ならいいが、心臓や呼吸器系に毒素が回るとやっかいだ。
ハルは腰をかがめると、流れるような動作で、自分より大柄なリコを、軽々と抱き上げた。
「そのへんにリコのコートが落ちている。悪いがアリア、それを拾ってきてくれ。とりあえず、基地に運んで治療しよう。なあに、大丈夫だ。治療装置なら私が持っている」
「あいあいさあ!」
アリアが飛び上がって、敬礼した。
「ついでにタクシーも呼んできますから、ここで待っててくださいね!」
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