あばたとえくぼの異界怪奇事件帳

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「あのさ、久保、いくら相手がツシマだからって、さすがにこれってセクハラじゃね？」
　眩暈を堪えて制止に入ったけど、ツシマは相手がクラス一の美少女エクボだからか不思議と嫌がる素振りもない。
「やっぱり手？　それとも床？」
「道具定期」
「どんな？」
「いろいろ」
「ちょっと見せて」
　スマホを取り出すツシマ。
　おいおい、なんつー会話だよ。
「へー、そっかあ、最近はそんなのあるんだあ」
　ツシマのスマホをのぞきこんで、久保が感心したような声を出した。
「松島君は穴なら何でもいい派なの？」
「･･･すこ」
「そっかそっか。最近増えてるんだね、そういう系。うん、教えてくれてありがと～」
　バイバイと手を振る久保。
　すごすごと去る松島対馬。
「あいつが犯人なのか？」
　少年の姿が視界から消えるのを待って訊くと、
「物事、そんなに単純ではないと思いますよォ」
　ふわああ～と可愛いあくびをして、久保が言った。