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 バラバラになった、女性の腕や脚。
 それが、パーツごとにまとめられている。
 そして、そのどれにも、穴が開いていた。
 穴の位置によって、更に分類が細かくなっている。
 足の裏、手のひら、上腕部。
 脇腹に穴の開いた円筒形の胴体もあった。
 でも、下半身はない。
 女性器の代わりを、脇腹の穴が代用しているということか。
「こういうのって、加害性欲。穴ならなんでもいいって、マジ鬼畜」
「犯人は、模型で飽き足らず、生身の人間のパーツで、これを作っていた・・・」
 茫然とつぶやくあたし。
 ツシマを疑うわけではない。
 あいつにこんな大胆な犯罪を犯すだけの胆力があるとは思えない。
 だいたい、自宅住まいの高校生に、人体の解体なんてまず無理だ。
 ただ言えるのは、あのツシマにも鬼畜予備軍の資格は十分あるということである。
「よおし、明日、行ってみましょう」
 バンとテーブルに両手を突き、久保が立ち上がった。
「行くってどこへだよ?」
「源さんのところです。そろそろDNA鑑定の結果が出てる頃ですから」
 
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