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#15 聖アユタヤ学園②
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学園の敷地の奥。
タージマハールそっくりの塔の中をエレベーターで最上階に上がると、そこが校長室だった。
豪華な調度類に囲まれた広い部屋である。
部屋の中央には、来客用のソファに向かい合うようにして、大きな肘掛け椅子が置かれている。
「失礼します」
ラビと游奈が45度、お辞儀をした。
「お連れしました。女子高生の、笹原杏里です」
「ごくろう」
椅子が回って、座っている人影がこっちを向いた。
その姿に、僕は危うく吹き出しそうになった。
座っているのは、おかっぱ頭の少女である。
半袖の体操服に、なぜかちょうちんブルマをはいている。
胸に、『まる子DX』と黒マジックで書いた名札まで縫いつけてある。
「3人とも、そこに座りたまえ」
外見に似合わぬ厳かな口調で、まる子校長が言った。
「女子高生が呼ばれたということは、やっぱりあれですか?」
秘書が運んできた紅茶に口をつけ、うさ耳のラビがたずねた。
「察しがいいな」
重々しく、校長がうなずいた。
「昨夜のことだ。当直の風紀委員隊が、校内で何者かに襲撃され、全滅した」
「風紀委員隊が?」
「全滅、ですか?」
ラビと游奈がそろって絶句する。
「ああ。これは、言うまでもなく、大東亜の仕業だろう。やつらは休戦協定を反故にする気なのだ」
「でも、それにしても、敵陣の中で、なんと大胆な…」
「そんなことができるのは、イデア広しといえども、大東亜の隠密くの一軍団しかおらぬだろう」
「くの一というと…あの、風魔一族の…?」
「そうだ。大東亜帝国学院校長、東条英代子飼いの隠密部隊、ねんごろ衆…」
何の話かよくわからない。
なんで学校に忍者がいるのだ?
そう突っ込みたかったが、考えてみれば、この世界にはすでにゾンビもいたのである。
忍者が存在しても、さして不思議ではないだろう。
「というわけで、わかったな」
まる子校長が、ずびずびとジョッキになみなみと注がれた脱脂粉乳を飲み干した。
うぷ。
ゲップをひとつして、命令口調でのたまった。
「リアルから急遽女子高生を召喚したのは、ほかでもない。おまえたちで新たなパーティを組んで、この学園内に潜んでいるねんごろ衆どもを見つけ出し、ひとり残らず根絶やしにしてほしいのだ。褒美ははずむぞ。やれるか?」
「もちろんです」
ゴーグル少女、游奈が言った。
「まる子さまのブルマにかけて」
ラビの耳がぴんと立つ。
「おまえは?」
校長が鋭い目で俺を睨んできた。
「は、はい。ま、まあ」
その迫力に圧倒されて、俺はいつのまにやらうなずいていた。
DXがついてるだけに、この校長、ただの小学生じゃなさそうだ。
そう思ったのである。
タージマハールそっくりの塔の中をエレベーターで最上階に上がると、そこが校長室だった。
豪華な調度類に囲まれた広い部屋である。
部屋の中央には、来客用のソファに向かい合うようにして、大きな肘掛け椅子が置かれている。
「失礼します」
ラビと游奈が45度、お辞儀をした。
「お連れしました。女子高生の、笹原杏里です」
「ごくろう」
椅子が回って、座っている人影がこっちを向いた。
その姿に、僕は危うく吹き出しそうになった。
座っているのは、おかっぱ頭の少女である。
半袖の体操服に、なぜかちょうちんブルマをはいている。
胸に、『まる子DX』と黒マジックで書いた名札まで縫いつけてある。
「3人とも、そこに座りたまえ」
外見に似合わぬ厳かな口調で、まる子校長が言った。
「女子高生が呼ばれたということは、やっぱりあれですか?」
秘書が運んできた紅茶に口をつけ、うさ耳のラビがたずねた。
「察しがいいな」
重々しく、校長がうなずいた。
「昨夜のことだ。当直の風紀委員隊が、校内で何者かに襲撃され、全滅した」
「風紀委員隊が?」
「全滅、ですか?」
ラビと游奈がそろって絶句する。
「ああ。これは、言うまでもなく、大東亜の仕業だろう。やつらは休戦協定を反故にする気なのだ」
「でも、それにしても、敵陣の中で、なんと大胆な…」
「そんなことができるのは、イデア広しといえども、大東亜の隠密くの一軍団しかおらぬだろう」
「くの一というと…あの、風魔一族の…?」
「そうだ。大東亜帝国学院校長、東条英代子飼いの隠密部隊、ねんごろ衆…」
何の話かよくわからない。
なんで学校に忍者がいるのだ?
そう突っ込みたかったが、考えてみれば、この世界にはすでにゾンビもいたのである。
忍者が存在しても、さして不思議ではないだろう。
「というわけで、わかったな」
まる子校長が、ずびずびとジョッキになみなみと注がれた脱脂粉乳を飲み干した。
うぷ。
ゲップをひとつして、命令口調でのたまった。
「リアルから急遽女子高生を召喚したのは、ほかでもない。おまえたちで新たなパーティを組んで、この学園内に潜んでいるねんごろ衆どもを見つけ出し、ひとり残らず根絶やしにしてほしいのだ。褒美ははずむぞ。やれるか?」
「もちろんです」
ゴーグル少女、游奈が言った。
「まる子さまのブルマにかけて」
ラビの耳がぴんと立つ。
「おまえは?」
校長が鋭い目で俺を睨んできた。
「は、はい。ま、まあ」
その迫力に圧倒されて、俺はいつのまにやらうなずいていた。
DXがついてるだけに、この校長、ただの小学生じゃなさそうだ。
そう思ったのである。
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