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第6章 アンアン魔界行
#76 アンアン、地底軍艦に乗る⑧
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タタタタタッ。
スタカートを刻むような歯切れのよい音に合わせて、玉の両腕が振動した。
楽器ケースごと背後から玉を抱きしめた一ノ瀬が、シューティングゲームで狙いを定めるように、玉の向きを動かしていく。
サブマシンガンは、拳銃とマシンガンの中間に位置していて、殺傷力はあまり高くないし、どちらかというと射程も短いほうだ。
だが、さすがにこの近距離で、的があれほど多いとなると、外そうにも外しようがないといった感じである。
なにしろ、秒速30発の連射なのだ。
突進してくるオークの第一集団が、僕らの目の前で無数の銃弾を浴び、あっという間にミンチに姿を変えるのに、ものの10秒もかからなかった。
「うははは、こりゃすげえ!」
「次行きますよお! はい! はい! はい! はい!」
玉と一ノ瀬のコンビのこのテンションの高さはどうだ。
まるでお祭り騒ぎ。
「いいよーん、玉ちゃーん、いい感じー! ほれ! ほれ! ほれ! ほれ!」
まさしく夏祭りの縁日ではしゃぐ小学生のノリじゃないか。
第2弾、第3弾がぐちゃぐちゃの挽肉と化し、床に山盛りになって湯気を立て始めた頃、玉の弾丸が尽きた。
オークはあと、10匹ほど残っている。
「アンアン、阿修羅さま、交代よろしくですぅ!」
「あいよ」
一ノ瀬に引っ張られて後ろに下がった玉の代わりに、ハイレグアーマーのアンアンと、セーラー服の阿修羅が前線に飛び出した。
もともと知能が低いのか、あるいは餓鬼に操られているからそうなのか。
目の前で仲間が次々に細切れ肉に変えられていくというのに、オークたちにはひるんだ様子もない。
牙を剥き出して、われ先に「がああっ!」と吠えながら、武器を振り上げて無謀にもアンアンたちにつっかかる。
ここで刮目すべき第一の項目は、アンアンの足の長さだった。
オークは1匹1匹がけっこう大きくて、身長は2メートルを超えている。
なのにアンアンが繰り出すハイキックは、その顎を正確に捉えて打ち砕いてしまうのだ。
ひるんだところに、新兵器のあのアンアン・ナックルをはめたこぶしが、超音速で襲いかかるものだからたまらない。
オークの顔面が、そのたびに爆竹をつっこんだスイカみたいに爆発して、血と脳漿をまき散らす。
次に驚愕に値するのは、これも阿修羅の新兵器、SMプレイちっくな鞭である。
どういう仕組みなのか、
「や」
「た」
と阿修羅がそのウィップを振り回すだけで、オークの手足や首が切断されてポンポン面白いように跳ね飛ぶのだ。
だるま落としみたいに、その太った胴体を5段ぐらいにスライスされるやつもいる始末だった。
なんだか知らないけど、触れるものすべてをぶった切ってしまう、そんなぶっそうな鞭らしい。
「終了でーす」
死体の数を数えて、玉が宣言した。
「ちょうど頭が50個ありまーす。オークは全滅したもようでーす」
「なんでもいいけど、ちとグロいな」
眼前にてんこもりになったミンチの山を見上げて、苦虫を噛み潰したみたいな顔で、アンアンがつぶやいた。
「次はもう少し、綺麗に済ませたいもんだ」
「そうだね」
阿修羅は鞭を振って、こびりついた血と肉片を振り落としている。
「たぶん、今度は大丈夫じゃないかな。お次の相手は、ただのゴーレムだからさ」
スタカートを刻むような歯切れのよい音に合わせて、玉の両腕が振動した。
楽器ケースごと背後から玉を抱きしめた一ノ瀬が、シューティングゲームで狙いを定めるように、玉の向きを動かしていく。
サブマシンガンは、拳銃とマシンガンの中間に位置していて、殺傷力はあまり高くないし、どちらかというと射程も短いほうだ。
だが、さすがにこの近距離で、的があれほど多いとなると、外そうにも外しようがないといった感じである。
なにしろ、秒速30発の連射なのだ。
突進してくるオークの第一集団が、僕らの目の前で無数の銃弾を浴び、あっという間にミンチに姿を変えるのに、ものの10秒もかからなかった。
「うははは、こりゃすげえ!」
「次行きますよお! はい! はい! はい! はい!」
玉と一ノ瀬のコンビのこのテンションの高さはどうだ。
まるでお祭り騒ぎ。
「いいよーん、玉ちゃーん、いい感じー! ほれ! ほれ! ほれ! ほれ!」
まさしく夏祭りの縁日ではしゃぐ小学生のノリじゃないか。
第2弾、第3弾がぐちゃぐちゃの挽肉と化し、床に山盛りになって湯気を立て始めた頃、玉の弾丸が尽きた。
オークはあと、10匹ほど残っている。
「アンアン、阿修羅さま、交代よろしくですぅ!」
「あいよ」
一ノ瀬に引っ張られて後ろに下がった玉の代わりに、ハイレグアーマーのアンアンと、セーラー服の阿修羅が前線に飛び出した。
もともと知能が低いのか、あるいは餓鬼に操られているからそうなのか。
目の前で仲間が次々に細切れ肉に変えられていくというのに、オークたちにはひるんだ様子もない。
牙を剥き出して、われ先に「がああっ!」と吠えながら、武器を振り上げて無謀にもアンアンたちにつっかかる。
ここで刮目すべき第一の項目は、アンアンの足の長さだった。
オークは1匹1匹がけっこう大きくて、身長は2メートルを超えている。
なのにアンアンが繰り出すハイキックは、その顎を正確に捉えて打ち砕いてしまうのだ。
ひるんだところに、新兵器のあのアンアン・ナックルをはめたこぶしが、超音速で襲いかかるものだからたまらない。
オークの顔面が、そのたびに爆竹をつっこんだスイカみたいに爆発して、血と脳漿をまき散らす。
次に驚愕に値するのは、これも阿修羅の新兵器、SMプレイちっくな鞭である。
どういう仕組みなのか、
「や」
「た」
と阿修羅がそのウィップを振り回すだけで、オークの手足や首が切断されてポンポン面白いように跳ね飛ぶのだ。
だるま落としみたいに、その太った胴体を5段ぐらいにスライスされるやつもいる始末だった。
なんだか知らないけど、触れるものすべてをぶった切ってしまう、そんなぶっそうな鞭らしい。
「終了でーす」
死体の数を数えて、玉が宣言した。
「ちょうど頭が50個ありまーす。オークは全滅したもようでーす」
「なんでもいいけど、ちとグロいな」
眼前にてんこもりになったミンチの山を見上げて、苦虫を噛み潰したみたいな顔で、アンアンがつぶやいた。
「次はもう少し、綺麗に済ませたいもんだ」
「そうだね」
阿修羅は鞭を振って、こびりついた血と肉片を振り落としている。
「たぶん、今度は大丈夫じゃないかな。お次の相手は、ただのゴーレムだからさ」
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