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第2章 蠅の王
#4 アンアンと体育③
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草原で獲物を見つけたライオンみたいに、アンアンが僕のところにやってきた。
衆人環視の場で、他を無視して、こう一直線にこっちへ来るのは、やめてほしいんだが。
「どうだ?」
砂時計の胴みたいにきゅっとくびれた腰に手を当て、アンアンが体育座りの僕の顔をのぞきこむ。
ちっちゃなブラにかろうじて包みこまれているGカップバストが、視界いっぱいに大写しになる。
「水泳なんて、ざっとこんなもんだ」
「ていうかおまえ」
僕は腰を上げると、アンアンの手を取り、プールサイドの端まで引っ張っていった。
「あれ、反則じゃないか。プールの中で巨大化しただろ? ありゃ、泳いだとは言わないぞ」
アンアンが体の大きさを自由に変えられるのは、この前のカロン戦で実証済みだ。
僕はそれを思い出したのだ。
「固いこと言うな。ほんとはワープしてもよかったのだが、さすがにタイムが1秒を切るのはどうかと思ってな」
「1秒も2秒も同じだろ」
僕は憮然として、アンアンの野生の猫みたいな顔を見返した。
ほんと、この娘、余計なことをしなければ、アイドル並みの可愛さなのに。
まあ、もともと魔界の王女さまだから、仕方ないといえばそうなんだが。
「とにかく、曲がりなりにもおまえは、『幼い頃に生き別れ、10年ぶりに返ってきた俺の双子の妹』ってことになってるんだ。あんまり目立つことはやめてほしい」
「そういわれても、あたしは生まれつき目立つようにできているからしようがない」
困ったように眉根を寄せるアンアン。
そりゃまあ、そのミラクルバディからして、目立ちすぎなんだけど。
「とにかくせめて普通のスク水持って来いよ。ビキニで体育の授業に出る女子なんて、おまえ以外いないと思う」
「そうなのか? しかし、あんな水着じゃあたしの胸と尻は入らないぞ。窮屈で仕方がない」
好奇心もあらわに僕らを注視している紺のスク水の女子たちを横目で見ながら、アンアンが言う。
「LLサイズでも探すんだな。もう、こっちが恥ずかしいよ」
「元気はあたしの身体に興味がないのか?」
アンアンが少し悲しそうな表情をした。
「これは、半分はおまえのためなんだが」
「TPOってもんがあるだろ? 体育の授業でそういうサービスはいらないんだよ」
そんなふうに、僕らがもめている時だった。
「きゃ、あれ、なに?」
「うひゃ、なんかやばいの出てきた」
プールサイドのほうで、一斉に悲鳴が上がった。
は?
やばいのって、まさか。
「やれやれ」
声のしたほうに目を向けて、呆れたようにアンアンがつぶやいた。
「もうお出ましかよ。今回もまた、伏線も何もないじゃんか」
衆人環視の場で、他を無視して、こう一直線にこっちへ来るのは、やめてほしいんだが。
「どうだ?」
砂時計の胴みたいにきゅっとくびれた腰に手を当て、アンアンが体育座りの僕の顔をのぞきこむ。
ちっちゃなブラにかろうじて包みこまれているGカップバストが、視界いっぱいに大写しになる。
「水泳なんて、ざっとこんなもんだ」
「ていうかおまえ」
僕は腰を上げると、アンアンの手を取り、プールサイドの端まで引っ張っていった。
「あれ、反則じゃないか。プールの中で巨大化しただろ? ありゃ、泳いだとは言わないぞ」
アンアンが体の大きさを自由に変えられるのは、この前のカロン戦で実証済みだ。
僕はそれを思い出したのだ。
「固いこと言うな。ほんとはワープしてもよかったのだが、さすがにタイムが1秒を切るのはどうかと思ってな」
「1秒も2秒も同じだろ」
僕は憮然として、アンアンの野生の猫みたいな顔を見返した。
ほんと、この娘、余計なことをしなければ、アイドル並みの可愛さなのに。
まあ、もともと魔界の王女さまだから、仕方ないといえばそうなんだが。
「とにかく、曲がりなりにもおまえは、『幼い頃に生き別れ、10年ぶりに返ってきた俺の双子の妹』ってことになってるんだ。あんまり目立つことはやめてほしい」
「そういわれても、あたしは生まれつき目立つようにできているからしようがない」
困ったように眉根を寄せるアンアン。
そりゃまあ、そのミラクルバディからして、目立ちすぎなんだけど。
「とにかくせめて普通のスク水持って来いよ。ビキニで体育の授業に出る女子なんて、おまえ以外いないと思う」
「そうなのか? しかし、あんな水着じゃあたしの胸と尻は入らないぞ。窮屈で仕方がない」
好奇心もあらわに僕らを注視している紺のスク水の女子たちを横目で見ながら、アンアンが言う。
「LLサイズでも探すんだな。もう、こっちが恥ずかしいよ」
「元気はあたしの身体に興味がないのか?」
アンアンが少し悲しそうな表情をした。
「これは、半分はおまえのためなんだが」
「TPOってもんがあるだろ? 体育の授業でそういうサービスはいらないんだよ」
そんなふうに、僕らがもめている時だった。
「きゃ、あれ、なに?」
「うひゃ、なんかやばいの出てきた」
プールサイドのほうで、一斉に悲鳴が上がった。
は?
やばいのって、まさか。
「やれやれ」
声のしたほうに目を向けて、呆れたようにアンアンがつぶやいた。
「もうお出ましかよ。今回もまた、伏線も何もないじゃんか」
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