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#20 あずみ、得意のパンチラで怪異を圧倒する②
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「ここじゃない?」
スマホの画面から目を上げて、あずみが言った。
大型書店と家電量販店に挟まれた縦に細長い雑居ビルの入口の前である。
彼女の視線をたどって見上げると、なるほど、2階の窓に『サンセット興業』の切り文字が貼ってあった。
先頭に立って、あずみが狭い階段を登っていく。
デニムのスカートに包まれた豊かな尻が目と鼻の先で優雅に動く。
丈が短すぎるので時折白い布がのぞくのだが、あずみはいっこうに気にする気配もない。
2階に上がると、左手が『サンセット興業』の入口だった。
すりガラスの窓に百円ショップにでも売ってそうな白いプレートが貼られ、そこに社名が書いてある。
「ごめんくださあい」
ノブを回すと、あずみがドアを押し、中に半身を入れた。
「ちょっといいですかあ」
僕の手首をつかむと、有無を言わせず、どんどん中に入っていく。
正面に受け付けらしきカウンターがあり、その向こうにいくつかの事務机。
左手の衝立の奥が応接室らしい。
社員は数人で、めいめいが机の上の電話を取って、しきりに何かわめきたてている。
芸能事務所というより、詐欺グループのアジトみたいな雰囲気である。
「ん~?キミは何かなあ? 今はオーディション、受けつけてないんだけどねえ」
カウンターに立ったあずみを目に留めて、派手なアロハシャツを着た胡散臭そうな男が席を立ってきた。
ポマードで撫でつけた頭。
肌艶の悪い馬面。
今どき珍しいミラーグラスをかけ、汚らしい顎髭を生やしている。
「いや、あーっと、でも、キミならオーディション、要らないかなあ。いやあ、お見事! グラドルなら今すぐデビューできるけど、どう? うちで働かない? えっと、待ってね。ボク、ここの社長で早川浩二っていうんだけど、名刺、名刺と」
近くに来ると、がらりと男の態度が変わった。
ミラーグラスを狭い額に上げ、まじまじとあずみの上半身を見つめている。
「お見事って、何がですか?」
あずみが不審そうに相手を見返した。
「私、まだ、何もしてないんですけど」
「何がって、そのボインちゃんだよ。アグネス・ラムもびっくりだ」
「ボイン?」
あずみの太めの眉が吊り上がる。
「ボインって、なんですか? それに、誰です? その、アグネスなんとかってのは」
「うははははっ。こりゃジェネレーションギャップってやつだったね。そっかあ、ボインは死語なのかあ」
おっさんが耳障りな声でガハガハ笑う。
若作りしているが、会話の中身からして、けっこうな歳なのかもしれない。
「どうでもいいですけど、私、オーデイション受けに来たのでも、就活に来たのでもありません。人を探しているんです」
カウンターの上に身を乗り出して、あずみが言った。
「う、うはあ…」
男が喉の奥で変な声を漏らしたのは、前かがみになったあずみの胸の谷間がモロ見えになったからに違いない。
スマホの画面から目を上げて、あずみが言った。
大型書店と家電量販店に挟まれた縦に細長い雑居ビルの入口の前である。
彼女の視線をたどって見上げると、なるほど、2階の窓に『サンセット興業』の切り文字が貼ってあった。
先頭に立って、あずみが狭い階段を登っていく。
デニムのスカートに包まれた豊かな尻が目と鼻の先で優雅に動く。
丈が短すぎるので時折白い布がのぞくのだが、あずみはいっこうに気にする気配もない。
2階に上がると、左手が『サンセット興業』の入口だった。
すりガラスの窓に百円ショップにでも売ってそうな白いプレートが貼られ、そこに社名が書いてある。
「ごめんくださあい」
ノブを回すと、あずみがドアを押し、中に半身を入れた。
「ちょっといいですかあ」
僕の手首をつかむと、有無を言わせず、どんどん中に入っていく。
正面に受け付けらしきカウンターがあり、その向こうにいくつかの事務机。
左手の衝立の奥が応接室らしい。
社員は数人で、めいめいが机の上の電話を取って、しきりに何かわめきたてている。
芸能事務所というより、詐欺グループのアジトみたいな雰囲気である。
「ん~?キミは何かなあ? 今はオーディション、受けつけてないんだけどねえ」
カウンターに立ったあずみを目に留めて、派手なアロハシャツを着た胡散臭そうな男が席を立ってきた。
ポマードで撫でつけた頭。
肌艶の悪い馬面。
今どき珍しいミラーグラスをかけ、汚らしい顎髭を生やしている。
「いや、あーっと、でも、キミならオーディション、要らないかなあ。いやあ、お見事! グラドルなら今すぐデビューできるけど、どう? うちで働かない? えっと、待ってね。ボク、ここの社長で早川浩二っていうんだけど、名刺、名刺と」
近くに来ると、がらりと男の態度が変わった。
ミラーグラスを狭い額に上げ、まじまじとあずみの上半身を見つめている。
「お見事って、何がですか?」
あずみが不審そうに相手を見返した。
「私、まだ、何もしてないんですけど」
「何がって、そのボインちゃんだよ。アグネス・ラムもびっくりだ」
「ボイン?」
あずみの太めの眉が吊り上がる。
「ボインって、なんですか? それに、誰です? その、アグネスなんとかってのは」
「うははははっ。こりゃジェネレーションギャップってやつだったね。そっかあ、ボインは死語なのかあ」
おっさんが耳障りな声でガハガハ笑う。
若作りしているが、会話の中身からして、けっこうな歳なのかもしれない。
「どうでもいいですけど、私、オーデイション受けに来たのでも、就活に来たのでもありません。人を探しているんです」
カウンターの上に身を乗り出して、あずみが言った。
「う、うはあ…」
男が喉の奥で変な声を漏らしたのは、前かがみになったあずみの胸の谷間がモロ見えになったからに違いない。
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