あずみ、フィーバードリーム!

戸影絵麻

文字の大きさ
38 / 48

#37 あずみ、自慢の美尻でヘタレ兄を尻に敷く⑨

しおりを挟む
 あずみは片手で僕の下顎をつかみ、片手を口の中に突っ込んできた。

「や、やへろ、ろ、ろうして、く、口の中にそんな…うぎゃあああっ!」

 僕は悲鳴を上げた。

 上げざるを得なかった。
 
 ずぼっ。

 こじ開けた僕の口にずぶりと手を突っ込むと、あずみは指で奥歯の一本をつまみ、やおらギリッとひねった。

「ほら、取れた!」

 勝ち誇ったように叫んで、目の前にかざしたのは、血にまみれた僕の奥歯である。

 いや、正確にいうと、奥歯そのものではなく、先週歯医者に行って虫歯に詰めてもらった銀色の詰め物である。

「そ、それが、爆弾…?」

「たぶんそう。こんなにちっちゃいけど、下手に触るとヤバいよ、だって、これ、反物質爆弾だから。姑息なコースケのやりそうなことだよね」

 あずみが得意げに可愛い鼻をひくひくさせた。

「は、反物質爆弾?」

 マルデックの戦士、あずみが言うならきっとそうなのだろう。

 やっぱりコースケの脅迫はマジでガチの本物だったのだ。

「くそ。歯医者までグルだったとは…」

 悔しがる僕を尻目に、あずみが取り出した爆弾をぱくんと口に放り込み、ごくんと呑み込んだ。

「お、おまえ…」

 信じられない思いで、僕は目をしばたたいた。

「な、なにやってんの?」

「いつか使えるかもしれないから、これはあずみが預かっておく。ところでお兄ちゃん、わかってるよね?」

 がばっとあずみが立ち上がった。

 トップレスの女神の裸身が僕の前で全貌をさらけ出す。

 つんと上を向いた美の極致のような美乳。

 なめらかな下腹の下を、申し訳程度の総レースのパンティが覆っている。

「どう?」

 くるりと半回転すると、パンティが小さすぎて、白桃みたいな美尻が半分はみ出していた。

「さ、もう障害物はなくなったんだよ。一緒にお風呂、入るんでしょ? 早くお兄ちゃんも裸になって」

 なにもここで脱がなくても、とは思ったが、危険物を除去してもらった手前、あずみには逆らえなかった。

 僕はのろのろ服を脱ぎ捨て、パンツ一丁になると、膨らんだ前を両手で隠してあずみと向かい合った。

 こうして対峙してみると、まったく同じ人種とはとても思えない体格差である。

「あのさ、確認だけど、ほんとに風呂に入るだけなんだよな?」

 悪魔のささやきを押さえつけ、僕は努めて冷静を装い、言った。

「その後の…あれやこれやは、今回はなしってことでいいんだよな?」

「あれやこれやって?」

 とたんにあずみの目つきが険しくなる。

「それはその…いろいろさ。たとえば、恋人同士とか、夫婦とかがよくするやつだよ…」

「でも、お兄ちゃんは、本当はそのあれやこれやがしたいんじゃないの? あずみだって…」

「ま、待て。忘れては困る」
 
 あずみの怒りが沸点に達しないうちにと、僕はあわててつけ足した。

「俺たちは暗くなったら青ひげ薬局を探りに行くんだろ? また何かあったらまずい。ここで今、体力を使い果たすわけにはいかないんだ。な、そうじゃないか?」

 ほんとはもうひとつ、理由があった。

 僕がまぎれもなく童貞で、あれのやり方がよくわからないというそのことだ。

 でも、そいつはあえて黙っておくことにした。
 
 あずみがそれで僕に愛想を尽かすことはないだろうけど、兄という立場上、やはりかっこ悪すぎる。

 そう思ったからだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...