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第7部 蹂躙のヤヌス
#23 狼藉の車中
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出がけにヤチカのひと言を思い出し、杏里はノーブラで行くことにした。
ブラをしていると、肌が不必要に刺激され、落ちつかないせいもあった。
さすがにノーパンは気が引けたので、パンティだけは穿いていくことにしたのだが、それも腰のところが紐になったきわめて面積の狭いものである。
鏡台の前で上体をねじると、乳房の形を如実にトレースしたブラウスの高みに、見事にボッチが浮き出ていた。
濃い肌色の乳輪もすっかり透けて見えるため、ある意味裸よりずっとエロティックな印象だ。
「よぉし」
鏡の前でガッツポーズをとると、ブラウスに乳首がこすれてじんと来た。
ブラジャーで押さえつけていない分、疼きは収まっているが、乳首はまだいつにも増して過敏なままだった。
なんとか日常の行動がとれるまでには薄らいできているものの、媚薬の効果がまだ持続しているのだ。
「その格好で行くのか?」
小田切の非難を無視して外に飛び出すと、冷たいものがうなじを濡らした。
「やだ。うそ」
玄関わきの傘立てからビニール傘を抜き、あわてて拡げにかかる。
見上げる空は、嵐を前にしたようにどす黒く曇っていた。
なんとはなしに、嫌な予感がした。
美里の底なしに深い瞳が、何の前触れもなく頭に浮かんでは消えた。
前庭を突っ切り、林の中の砂利道を歩いて国道沿いのバス停についた頃には、風に乗って吹きつけてくる霧のような雨で、ブラウスもスカートもすっかり濡れてしまっていた。
「ちょっと目立ち過ぎかな」
己の姿を一瞥して、杏里はぺろりと舌を出した。
濡れたブラウスは肌に貼りつき、完全に乳房が透けてしまっている。
前居た学校の理科室で、杏里はいたずら半分に自分の乳房を台ばかりに乗せて、その重さを量ったことがある。
掃除当番でひとりきりだったので、つい魔がさして試してみたくなったのだ。
その結果判明したのは、杏里の乳房は片方だけで1キログラム近くあるということだった。
両方で2キロ。
どうりで肩が凝るはずだ、と我ながら感心したことを覚えている。
その重量級の乳房が、濡れたブラウスを押し上げ、今、人目をはばからず存在を主張しているのだ。
「ま、いっか」
どうせ見せつけるためのノーブラなんだし。
杏里は周囲を見回し、こっそり肩をすくめた。
それに、バスを待っているのは、枯れたような老人たちばかりだし。
バス停から少し離れたところで、3人の老人がおしゃべりしていた。
老人会のグループなのか、みんなそろって杖をついている。
こんなおじいちゃんやおばあちゃんが、まさかね。
念のため、応急処置として鞄で胸を隠したところに、バスがやってきた。
傘をたたみ、大慌てでタラップを駆け上がる。
料金ボックスにコインを落とすと、バックミラーの中の運転手と目が合った。
杏里は鞄を胸に抱え直した。
乗客はまだしも、運転手を誘惑するわけにはいかなかった。
そんなことをしたら、それこそ大惨事になりかねない。
幸い、車中はきのうの朝ほどは混んでいなかった。
ベンチシート型の座席に空いたスペースを見つけると、杏里はそこに尻をねじ込んで体勢を整えた。
雨に当たったせいで、体臭が普段より濃くなっているのがわかる。
鞄を膝の上に降ろすと、突き出た乳首が否応なしに目立った。
隣に座ったOLと中年女性が、ねっとりした視線を杏里の胸に向けてくる。
空気の抜けるような音がしてドアが閉まると、バスが走り出した。
そろそろだ、と思う。
誰が最初に仕掛けてくるだろう。
できれば若い男か少年がいい、と思う。
手首のひとひねりで天国に送ってやれるので、手間がかからなくて済むからだ。
が、予想に反して前に立ったのは、後から乗ってきたあの老人のグループだった。
癇の強そうな骨と皮ばかりの老人がこっちを見下ろしているのに気づいて、杏里は腰を浮かしかけた。
「あの、席、代わりましょうか?」
そう、声をかけた時である。
「いい身体じゃ」
老人がつぶやいた。
「ほんまに、のう」
隣で老婆がうなずいている。
「やわらかそうじゃね」
「乳なぞ、今にもこぼれ落ちそうじゃな」
その後ろから鶴のようにやせこけた首を突き出して、別の老人が言う。
「試してみるか」
「いいねえ」
「わしは右じゃ」
「じゃ、わしが左じゃな」
3人が申し合わせたように、杖を振り上げた。
「あの…」
異様な気迫を感じて、杏里が席を立とうとした瞬間である。
2本の杖が、杏里の両の乳房を突き刺した。
「あ」
すごい力でシートに押し戻された拍子に、膝から鞄が落ちた。
尻もちをつくと、短いスカートがめくれ、下着が丸見えになった。
「白さね」
その小さなデルタの中心を、老婆の杖が狙ってきた。
「あう」
パンティの上から陰部を突かれ、のけぞる杏里。
3人はものも言わずに目だけを光らせ、杖の先をぐりぐり押しつけてくる。
もちろん、痛くはなかった。
媚薬効果と、すぐに発動したタナトスの防御機能が、すでに痛みを快感に変えてしまっていた。
「あああ…」
杏里はのろのろと首を振った。
両隣の女たちにいつのまにか手を握られ、動きを封じられてしまっている。
「この売女めが」
目の前の老人が、吐き捨てるように言った。
「朝っぱらから、そのアクメ顔はなんじゃ。はしたないにもほどがある」
「成敗じゃ」
くっくと老婆が笑った。
「わしらで悪魔を成敗するのじゃ」
「おうよ」
3人目がうなずいた。
「やめ…て」
3本の杖で柔肌を突かれ、杏里は喘いだ。
杖は薄い生地の上から、正確にふたつの乳首と濡れた陰核を探り当てている。
「そうれ」
老人が号令をかける。
杖に力がこもった。
「はうっ」
杏里は痙攣した。
その瞬間、杏里の身体の奥底で、見えないダムが決壊したようだった。
ブラをしていると、肌が不必要に刺激され、落ちつかないせいもあった。
さすがにノーパンは気が引けたので、パンティだけは穿いていくことにしたのだが、それも腰のところが紐になったきわめて面積の狭いものである。
鏡台の前で上体をねじると、乳房の形を如実にトレースしたブラウスの高みに、見事にボッチが浮き出ていた。
濃い肌色の乳輪もすっかり透けて見えるため、ある意味裸よりずっとエロティックな印象だ。
「よぉし」
鏡の前でガッツポーズをとると、ブラウスに乳首がこすれてじんと来た。
ブラジャーで押さえつけていない分、疼きは収まっているが、乳首はまだいつにも増して過敏なままだった。
なんとか日常の行動がとれるまでには薄らいできているものの、媚薬の効果がまだ持続しているのだ。
「その格好で行くのか?」
小田切の非難を無視して外に飛び出すと、冷たいものがうなじを濡らした。
「やだ。うそ」
玄関わきの傘立てからビニール傘を抜き、あわてて拡げにかかる。
見上げる空は、嵐を前にしたようにどす黒く曇っていた。
なんとはなしに、嫌な予感がした。
美里の底なしに深い瞳が、何の前触れもなく頭に浮かんでは消えた。
前庭を突っ切り、林の中の砂利道を歩いて国道沿いのバス停についた頃には、風に乗って吹きつけてくる霧のような雨で、ブラウスもスカートもすっかり濡れてしまっていた。
「ちょっと目立ち過ぎかな」
己の姿を一瞥して、杏里はぺろりと舌を出した。
濡れたブラウスは肌に貼りつき、完全に乳房が透けてしまっている。
前居た学校の理科室で、杏里はいたずら半分に自分の乳房を台ばかりに乗せて、その重さを量ったことがある。
掃除当番でひとりきりだったので、つい魔がさして試してみたくなったのだ。
その結果判明したのは、杏里の乳房は片方だけで1キログラム近くあるということだった。
両方で2キロ。
どうりで肩が凝るはずだ、と我ながら感心したことを覚えている。
その重量級の乳房が、濡れたブラウスを押し上げ、今、人目をはばからず存在を主張しているのだ。
「ま、いっか」
どうせ見せつけるためのノーブラなんだし。
杏里は周囲を見回し、こっそり肩をすくめた。
それに、バスを待っているのは、枯れたような老人たちばかりだし。
バス停から少し離れたところで、3人の老人がおしゃべりしていた。
老人会のグループなのか、みんなそろって杖をついている。
こんなおじいちゃんやおばあちゃんが、まさかね。
念のため、応急処置として鞄で胸を隠したところに、バスがやってきた。
傘をたたみ、大慌てでタラップを駆け上がる。
料金ボックスにコインを落とすと、バックミラーの中の運転手と目が合った。
杏里は鞄を胸に抱え直した。
乗客はまだしも、運転手を誘惑するわけにはいかなかった。
そんなことをしたら、それこそ大惨事になりかねない。
幸い、車中はきのうの朝ほどは混んでいなかった。
ベンチシート型の座席に空いたスペースを見つけると、杏里はそこに尻をねじ込んで体勢を整えた。
雨に当たったせいで、体臭が普段より濃くなっているのがわかる。
鞄を膝の上に降ろすと、突き出た乳首が否応なしに目立った。
隣に座ったOLと中年女性が、ねっとりした視線を杏里の胸に向けてくる。
空気の抜けるような音がしてドアが閉まると、バスが走り出した。
そろそろだ、と思う。
誰が最初に仕掛けてくるだろう。
できれば若い男か少年がいい、と思う。
手首のひとひねりで天国に送ってやれるので、手間がかからなくて済むからだ。
が、予想に反して前に立ったのは、後から乗ってきたあの老人のグループだった。
癇の強そうな骨と皮ばかりの老人がこっちを見下ろしているのに気づいて、杏里は腰を浮かしかけた。
「あの、席、代わりましょうか?」
そう、声をかけた時である。
「いい身体じゃ」
老人がつぶやいた。
「ほんまに、のう」
隣で老婆がうなずいている。
「やわらかそうじゃね」
「乳なぞ、今にもこぼれ落ちそうじゃな」
その後ろから鶴のようにやせこけた首を突き出して、別の老人が言う。
「試してみるか」
「いいねえ」
「わしは右じゃ」
「じゃ、わしが左じゃな」
3人が申し合わせたように、杖を振り上げた。
「あの…」
異様な気迫を感じて、杏里が席を立とうとした瞬間である。
2本の杖が、杏里の両の乳房を突き刺した。
「あ」
すごい力でシートに押し戻された拍子に、膝から鞄が落ちた。
尻もちをつくと、短いスカートがめくれ、下着が丸見えになった。
「白さね」
その小さなデルタの中心を、老婆の杖が狙ってきた。
「あう」
パンティの上から陰部を突かれ、のけぞる杏里。
3人はものも言わずに目だけを光らせ、杖の先をぐりぐり押しつけてくる。
もちろん、痛くはなかった。
媚薬効果と、すぐに発動したタナトスの防御機能が、すでに痛みを快感に変えてしまっていた。
「あああ…」
杏里はのろのろと首を振った。
両隣の女たちにいつのまにか手を握られ、動きを封じられてしまっている。
「この売女めが」
目の前の老人が、吐き捨てるように言った。
「朝っぱらから、そのアクメ顔はなんじゃ。はしたないにもほどがある」
「成敗じゃ」
くっくと老婆が笑った。
「わしらで悪魔を成敗するのじゃ」
「おうよ」
3人目がうなずいた。
「やめ…て」
3本の杖で柔肌を突かれ、杏里は喘いだ。
杖は薄い生地の上から、正確にふたつの乳首と濡れた陰核を探り当てている。
「そうれ」
老人が号令をかける。
杖に力がこもった。
「はうっ」
杏里は痙攣した。
その瞬間、杏里の身体の奥底で、見えないダムが決壊したようだった。
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