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第7部 蹂躙のヤヌス

#30 微熱

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 どうやって家に帰ったのか、覚えていない。
 帰りのバスの中でも痴漢に遭ったらしく、家に着くとブラウスのボタンはすべて外れ、股間が濡れていた。
 頭の中に霞がかかったように意識がもうろうとして、その後どうしたのかも、ほとんど記憶にない。
 ただひとつはっきりしているのは、あれからいっこうに全身の疼きが引かないことだった。
 夜になると、帰宅した小田切の呼ぶ声にも答えず、杏理は部屋の中で自慰にふけった。
 鏡台の前で全裸になり、四つん這いの姿勢で尻を映してバイブで悶え狂った。
 意識がなくなるほどオナニーを続け、翌朝、下着もつけずに登校した。
 行きのバスの中で始まったいつものセレモニーで、2度はエクスタシーに達したようだ。
 ブラウスから乳房をのぞかせ、愛液の匂いをぷんぷんさせて教室に入ると、先に来ていた美里が言った。
「笹原さん、なんてひどいかっこうしてるの。いいわ、罰として、きょうはずっとここで立ってなさい」
 呼ばれるままに教壇の横に立つと、両手を首の後ろで縛られた。
 乳房をむき出しにされ、スカートを腹の上までめくりあげられる。
「私がいいというまで、そのかっこうで授業を受けるのよ」
 1時間目から4時間目まで、杏里は入れ替わり立ち替わりやってくる教師たちに好奇の目で見られ、クラスメートたちの冷たい視線に晒され続けた。
 それはある意味、恐ろしいほどの愉悦だった。
 見られてる…。
 こんな恥ずかしい姿を…杏里、あなた、みんなに見られてるのよ…。
 そう思うだけで、否応なしに汁が溢れ、太腿を伝った。
 杏里は切ないほど感じてしまっていた。
 立ったまま、身体をくねらせ、時折喘ぎを漏らすほどだった。
 解放されたのは、昼休みになってからである。
 呼びに来た美里に連れられて、杏里は昨日と同じく、音楽室に閉じ込められた。
 食事だけ許されたものの、その後は同じだった。
 裸に剥かれ、テーブルの上に仰向けに寝かせられた。
 美里は相変わらず、服を着たままだった。
 クールなまなざしで、あざけるように杏里を弄んだ。
 執拗な乳首責めに何度となく潮を吹くと、次は床だった。
 四つん這いにさせられ、バックからアナルと膣を足の指で攻めまくられた。
 犬のように尻を振りたくり、杏里は押し寄せる快感の津波に溺れ、すすり泣いた。
 己の体液にまみれて悶えているところに、またあの目に見えない何かが襲いかかってきた。
 空中で大の字になり、穴という穴を責められて痙攣する杏里。
 すべてが終わると、倒れ伏した杏里の横に膝をついて、美里が言った。
「明日からはこれをつけて登校しなさい」
 指の間で指輪のようなものが光っている。
「な、なんですか…、これ?」
 息も絶え絶えに、杏里はたずねた。
「見てわからない? これはクリトリスリング。さあ、今ここで、自分ではめてごらんなさい」

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