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#66 反撃だよ!

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 ふと気がつくと、太郎の尻もあの懐かしい田舎の風景も消え、そこは例の粗末な掘立小屋の中だった。

 私は茫然としていた。

 今更驚くのも何だが、私の唯一の性体験は、柴犬にスク水の上から舐められることだったのである。

 ある意味、情けなかった。

 これでは、トロルや小学生に犯されるのと、大して変わらない。

 くう。

 こうなったら、こっちの世界で、絶対いい男をつかまえてやる。

 そして、今度こそ本当に、真に人間らしい、愛のあるセックスを交わすのだ。

 以前の身体や顔では無理だったろうけど、今や私は泣く子も勃起するミラクルバディのエロ魔導士なのである。

 そのくらいのこと、決して不可能ではないはずだ。

 目玉だけ動かしてふと見ると、エロガキは右手で私の左の乳房を揉み、口で右の乳首をちゅうちゅう吸っているところだった。

 ええい、このマセガキめ。

 今に目にもの見せてくれるわ!

 ブレスレットで確かめるまでもなかった。
 
 太郎にクンニされた記憶で、私は明らかに興奮を覚えていた。

 エア・フェラチオに必要なMP7くらい、楽勝で回復したはずである。

 全身まひの状態でも、エロ魔法には支障がない。

 エロ魔法は、物理攻撃の乳首ミサイルを除けば、他はほぼすべて、イマジネーションの魔法だからである。

 発動させたければ、ただ想像すればいいのだ。

 目を閉じる。

 一平のペニスをイメージする。

 まだ子供だから、当然まだ包茎で小さいに違いない。

 似ているものは、何だろう?

 ポッキーでは、いくらなんでも細すぎる。

 マツタケは、立派過ぎてまだ早い。

 ミミズは、いくら想像の中でも、口に含む気になれない。

 えーっと、そうだ、あれがいい。

 青唐辛子。

 以前読んだ本で、子どもの勃起したペニスを、青唐辛子に例えているものがあった。

 あれは確か、筒井康隆の処女長編、『霊長類、南へ』だ。

 すみません。

 緊急事態なんです。

 筒井先生、ちょっとイメージ、お借りします。

 私はイマジネーション全開にして、一平の股間から屹立する青唐辛子を想像した。

 先をちろっと舐めてから、そっと口に含んでやる。

 ちょっと辛くて口の中がぴりするが、これはまあ、我慢するしかない。

 そのまま口の中いっぱいに頬張って、顔を前後に動かしてやった。

 じゅるじゅる。

 効果は覿面だった。

「はううううっ」

 一平が、私の乳房を離して大げさにのけぞった。

「くああああああっ」

 解剖される蛙みたいに白目を剥いている。

 慌ただしく短パンの前をまさぐると、非常口から勃起したちっこいチンコを引っ張り出す。

 トキトキに尖ったミニサイズのペニスである。

 想像したとおりだった。

 さすが筒井先生。

 青筋立ててるし、全体の色が微妙に違うだけで、これ、マジ青唐辛子に似てますね。

 皮をめくって、亀頭の先を舌で思いっきりレロレロしてやった。

「きゃうううんん」

 発情したオス犬よろしく、己のペニスを握りしめ、悶える一平。

 たわいもなく腰を突き出し、尻をぷるぷる振っている。

 あとは高速でしごくのみ。

「とどめだ!」

 強く握って、皮も破れよとばかりにしごき下ろした。

 シコッ!

 シコシコシコシコッ!

「がふ」

 一平が私の上で海老のように反り返り、固まった。

 どびゅ。

 出た。

 うは。
 どぴゅぴゅっ!

 ドクンドクンが止まらない。

 ちょっと、やめてよ。

 そこ、私のおなかの上じゃない!

「あーあ、こんなことだろうと思ったよ」

 入り口のすだれを押し開けて、顔をのぞかせたのはソフィアである。

「まったく、とんでもないエロガキね。翔子、無事?」

「う、うん、なんとか。身体、動かないけどね」

「薬物の投入か。なかなかやるね、こいつ」

「感心してないで、何とかしてよ。そのガキは、罰として外に吊るしておけばいいから」

「だね。あ、それと」
 
 ソフィアの眼に、淫乱な光が宿った。

「今のうちに、MP完全回復させてあげよっか。うふ。動けないなら、ちょうどいいじゃん」

 なに、その「うふ」って。

 そそくさと戦闘服を脱ぎ出すソフィア。

 またたくまに下着だけのスレンダーバディをあらわにする。

 待ってました、と言わんばかりの勢いだ。

「ちょっとだけだよ」

 私はため息をついた。

「私は完全マグロ状態で、あなたには触れないんだから」

「ううん、それはまた今度でいいの。私、実はあこがれてたんだ。ラブドールといちゃいちゃするの」

「ラブドール?」

「知らないの? 人間そっくりに作った、セックス専用の人形のことじゃない」







 

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