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111 快楽マッサージ⑪

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 尻が上がり切ったところで、躰が静止した。
 琴子の陰部からは、淫汁がしずくとなってぽとぽと垂れている。
 ミカとアミが寄ってきた。
 ふたりとも両手をローションでべっとり濡らしている。
「お預けは辛いですよね」
 くすくす笑いながら、ミカが言う。
「お客さまったら、まるで玩具を取り上げられた子どもみたい」
 実際そうだった。
 ティルドという大人の玩具を抜き去られた琴子は、怒りで身体を小刻みに震わせていた。
 こんなのない、と思う。
 人を勝手にオルガスムス直前まで昇らせておいて、急にお預けをくらわすなんて・・・。
「でも、これからもっと気持ちよくなるんですよ」
 琴子の乳首にローションの塊を付着させ、ミカが小声でささやいた。
「これ。とってもよく効くんです。私も以前仁美さまに塗られて、効き過ぎで一晩寝られなかったぐらい」
 ミカはローションを乳首から乳輪、そして乳房全体へと広げていく。
 糸に引かれて紡錘形に変形した琴子のふたつの乳房は鈍い光沢を帯び、まるで芸術作品か何かのようだ。
 その間にも、かがみこんだアミが琴子の陰部にローションを塗り広げていく。
 糸で根元を縛られたクリトリス全体を丹念になぞると、膣口の周辺、内側、会陰部、それからアナルへと、塗る範囲を広げていく。
「そ、そこは・・・」
 アナルに指を突っ込まれ、琴子は異様な感触に身をよじった。
 これまで後ろの穴を犯されたことがあったかどうか、記憶にない。
 粗野な正一はそこまで想像力を働かせるタイプではなかったが、ひょっとして病院で安田たちに弄られた可能性はある。
 あるいは和夫にバイブで責められた時か。
 それとも仁美の家でレズプレイに巻き込まれた時・・・。
 どちらにせよ、琴子のそこは前の穴と違ってほとんど処女に近かった。
 なのにアミは手慣れた所作で肛門の周囲の括約筋から直腸内部の指の届く範囲まで、丁寧にローションを塗っていく。
「お尻の穴も、そのうち使わせていただきますから」
 身悶えする琴子の裸体をそっと抱きしめて、ミカがささやいた。
「仁美さまはいつも徹底しておられます。仁美さまのお眼鏡にかなった以上、全身の穴が性感帯になるとお思いください」
 ひとしきりローションを塗り終えると、ふたりの少女は後ろに下がった。
「さあ、琴子さん、よく見てごらんなさい。鏡に映るご自身の姿を」
 仁美の声に、琴子は目を上げた。
 壁を覆った大きな鏡に、斜め横から見た琴子自身が映っている。
 両手を真っすぐ頭上に伸ばし、両足を斜め上に上げ、乳首とクリトリスを糸で引っ張られた琴子の躰は、塗りたくられたローションでてらてら光っている。
 陰部の肉は充血して盛り上がり、横から見てもその一部が見えてしまうほどだ。
 ”はしたない”を通り越して、あまりにも卑猥なその姿態に、琴子は異常なまでの高ぶりを覚え始めている。
 凌辱はまだ続くのだ。
 それがうれしくてならなかった。
 早くして。
 早く。
 ロープを緩めて、早くあれを・・・。
「まだですよ」
 武者震いする琴子を、今にも笑い出しそうな声で、仁美が諫めた。
「媚薬が効き始めるまで、もう少しお待ちくださいな」

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