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第2章 地獄の底を這いまわれ
#28 淫売窟⑩
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ルビイは手を止め、おそるおそる顔を上げた。
この女、今度は何を言い出すつもりなのだろう?
ここまで人を傷つけておいて、まだ言い足りないことがあるというのだろうか…?
嫌な予感がした。
背筋を毒虫が這いまわるような、たまらなく不吉な予感だった。
そして、それは見事に的中した。
ルビイの緊張をはらんだ蒼い顔を楽しげに眺めながら、アネモネが重大な秘密を打ち明けるように、小声でささやいたのだ。
「魔王に抱かれたあの時、おまえに何があったか、よおく思い出してみるがいい。絶頂に達したのは、何もおまえひとりじゃなかったはずだ。あの瞬間、魔王もおまえ同様に、快楽に溺れたのではなかったのかい?」
アネモネのあけすけな言葉に、ルビイの身体の芯がざわついた。
魔王のたくましい腕に抱きすくめられ、おびただしい触手に全身を撫でまわされ、そして熱くいきり立った巨大な肉の棒に身体の中心を貫かれた時の激烈な感触が、ルビイの全神経にふいによみがえったからだった。
「そ、それが…どうしたの?」
おぞましい感触を振り払うように首を振り、ルビイはやっとのことで喉から声をしぼり出した。
と、アネモネの顔に、勝ち誇ったような微笑が浮かんだ。
そして、とどめを刺すように、一気に言い切った。
「簡単なことさ。あの瞬間、魔王は確かに射精した。そして、その淫らな闇の精子をおまえの子宮はたっぷりと吸収したのだ。いくら小娘とはいえ、それが何を意味しているか、わかるだろう? そう、ルビイ、おまえは妊娠している可能性が高いってことさ。あろうことか、あの忌むべき魔王の子どもをね」
この女、今度は何を言い出すつもりなのだろう?
ここまで人を傷つけておいて、まだ言い足りないことがあるというのだろうか…?
嫌な予感がした。
背筋を毒虫が這いまわるような、たまらなく不吉な予感だった。
そして、それは見事に的中した。
ルビイの緊張をはらんだ蒼い顔を楽しげに眺めながら、アネモネが重大な秘密を打ち明けるように、小声でささやいたのだ。
「魔王に抱かれたあの時、おまえに何があったか、よおく思い出してみるがいい。絶頂に達したのは、何もおまえひとりじゃなかったはずだ。あの瞬間、魔王もおまえ同様に、快楽に溺れたのではなかったのかい?」
アネモネのあけすけな言葉に、ルビイの身体の芯がざわついた。
魔王のたくましい腕に抱きすくめられ、おびただしい触手に全身を撫でまわされ、そして熱くいきり立った巨大な肉の棒に身体の中心を貫かれた時の激烈な感触が、ルビイの全神経にふいによみがえったからだった。
「そ、それが…どうしたの?」
おぞましい感触を振り払うように首を振り、ルビイはやっとのことで喉から声をしぼり出した。
と、アネモネの顔に、勝ち誇ったような微笑が浮かんだ。
そして、とどめを刺すように、一気に言い切った。
「簡単なことさ。あの瞬間、魔王は確かに射精した。そして、その淫らな闇の精子をおまえの子宮はたっぷりと吸収したのだ。いくら小娘とはいえ、それが何を意味しているか、わかるだろう? そう、ルビイ、おまえは妊娠している可能性が高いってことさ。あろうことか、あの忌むべき魔王の子どもをね」
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