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第1章 覚醒
#8 再会⑧
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「ええ」
きっぱりと、ルビイはうなずいた。
今更隠すつもりはない。
両親と妹を殺し、私を欺いて罠に嵌め、凌辱の限りを尽くして命を奪ったあの化け物…。
断じて許すわけにはいかない。
もはや、世界のため、などという綺麗事では済まないのだ。
私怨といわれてもいい。
何があっても、今度こそ私は倒す。
あいつを。
地獄からやってきたあの闇の王を…。
「やめろとは言わない。俺もあの村の惨劇をこの目で見たんだ。あれは人間にできることじゃない。心を持たない外道の仕業だ。微力ながら、手伝わせてもらうよ」
スナフがルビイの手を取った。
血管の浮き出た、枯れ枝のような細い手だった。
胸を刺すような痛みに、ルビイは唇を噛みしめた。
20年は長すぎる。
あと10年昔に転生したかった。
ルビイはその手を両手のひらにそっと包み込んだ。
言いたいことは山ほどある。
今はもっと再会を喜ぶべきだろう。
あの頃、確かに私はあなたに惹かれていた。
あの凶暴な鉄の馬にまたがり、大陸を果てから果てまでともに駆け抜けてくれた、異邦人のあなたを…。
「お願い。教えて」
こみあげる思いを押さえつけ、ルビイはたずねた。
「今、世界はどうなってるの? 魔王の現状は?」
きっぱりと、ルビイはうなずいた。
今更隠すつもりはない。
両親と妹を殺し、私を欺いて罠に嵌め、凌辱の限りを尽くして命を奪ったあの化け物…。
断じて許すわけにはいかない。
もはや、世界のため、などという綺麗事では済まないのだ。
私怨といわれてもいい。
何があっても、今度こそ私は倒す。
あいつを。
地獄からやってきたあの闇の王を…。
「やめろとは言わない。俺もあの村の惨劇をこの目で見たんだ。あれは人間にできることじゃない。心を持たない外道の仕業だ。微力ながら、手伝わせてもらうよ」
スナフがルビイの手を取った。
血管の浮き出た、枯れ枝のような細い手だった。
胸を刺すような痛みに、ルビイは唇を噛みしめた。
20年は長すぎる。
あと10年昔に転生したかった。
ルビイはその手を両手のひらにそっと包み込んだ。
言いたいことは山ほどある。
今はもっと再会を喜ぶべきだろう。
あの頃、確かに私はあなたに惹かれていた。
あの凶暴な鉄の馬にまたがり、大陸を果てから果てまでともに駆け抜けてくれた、異邦人のあなたを…。
「お願い。教えて」
こみあげる思いを押さえつけ、ルビイはたずねた。
「今、世界はどうなってるの? 魔王の現状は?」
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