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第1章 覚醒
#33 悪役令嬢への道⑤
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「娼婦と悪役令嬢の資質を兼ね備え、しかも武芸にも秀でたいくさ乙女。おまえが目指すのは、それだ」
20年の歳月は、スナフにも狡賢さをもたらしたのだろう。
ただの風来坊が、王宮とも取引のある大商人に成り上がるのは、並大抵のことではないからだ。
「せっかく転生して手に入れた第2の人生なんだ。以前と同じ道を歩み、破滅に向かうのはつまらんだろう」
「でも、それで私にどうしろと…?」
武芸には自信がある。
義手義足でも十分戦えるのは、きょうの騒動で証明したばかり。
これで新たなパーツが手に入れば、おそらく向かうところ敵なしだろう。
だが、悪役令嬢としてのずる賢さ、娼婦としてのセックス・テクニック。
そんなもの、どこでどう磨けばいいのか見当もつかなかった。
「マリウスを堕とせ」
にやりと笑うと、スナフが言った。
「王はもうあのお歳だ。近いうちに息子に王位を譲るだろう。マリウスさえ落とせば、王国ごとおまえのもの。そうじゃないか?」
「で、でも、あのお方には、すでに婚約者が…」
泡を食って、ルビイは抗議した。
「何も正妻の位に就けとは言っていない。男を陰で操るなら愛人が一番だ。おまえは皇子の愛人の座を狙うのさ」
20年の歳月は、スナフにも狡賢さをもたらしたのだろう。
ただの風来坊が、王宮とも取引のある大商人に成り上がるのは、並大抵のことではないからだ。
「せっかく転生して手に入れた第2の人生なんだ。以前と同じ道を歩み、破滅に向かうのはつまらんだろう」
「でも、それで私にどうしろと…?」
武芸には自信がある。
義手義足でも十分戦えるのは、きょうの騒動で証明したばかり。
これで新たなパーツが手に入れば、おそらく向かうところ敵なしだろう。
だが、悪役令嬢としてのずる賢さ、娼婦としてのセックス・テクニック。
そんなもの、どこでどう磨けばいいのか見当もつかなかった。
「マリウスを堕とせ」
にやりと笑うと、スナフが言った。
「王はもうあのお歳だ。近いうちに息子に王位を譲るだろう。マリウスさえ落とせば、王国ごとおまえのもの。そうじゃないか?」
「で、でも、あのお方には、すでに婚約者が…」
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「何も正妻の位に就けとは言っていない。男を陰で操るなら愛人が一番だ。おまえは皇子の愛人の座を狙うのさ」
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